楡家の人びと2 [日本の現代文学]
「楡家の人びと 第二部」 北杜夫 (新潮文庫)
楡家の人びとが三代にわたって、明治・大正・昭和の激動期を生きてゆく物語です。
作者の家族がモデルになっています。第二部の主人公は徹吉は、父の齋藤茂吉です。
楡病院が火災で焼失し、基一郎が亡くなると、娘婿の徹吉が病院を引き継ぎました。
先代が残したのは、灰燼に帰した青山と、松原に新病院を建設という無謀な計画。
新院長徹吉に背負わされた責任はあまりにも大きく、基一郎の構想は途方もなく・・・
とはいえ徹吉は、再建をはかるために動き出して・・・
「すでに焼かれて骨と化した基一郎の遺志は、楡家の一族をあやつり、一筋に新病院
建立への道を進ませたのである。」(P41)
松原の新病院は、亡き基一郎の遺志を継ぐ勝俣秀吉によって、意外にも繁盛します。
やがて、そちらが本院となり、徹吉の青山の病院が分院となってしまいました。
そんな折、書物を読むことで心が慰められてゆく場面は、非常に共感できました。
院長の自分が本なんか読んでいていいのかと思いながら、読まずにはいられない!
「だが、心のうつろさからふと一冊の本を手にとり、そのある頁(ページ)をひら
き、その幾行かを辿ってみたとき、徹吉は我知らずそこへ誘いこまれている自分を
発見した。我に帰って彼は慄然とした。その言いようもなくなぐさめられた気持ち、
その戸惑い、嫌悪と魅惑、」(P56)
この徹吉が、北杜夫の父、斎藤茂吉をモデルにしていると思うと、非常に興味深い。
妻の龍子は、徹吉との口論のあげく、3人の子供を残して家を出て行ってしまうし。
その3人の子供のうち、長男の峻一は、精神科医で随筆家の齋藤茂太。
そして次男の周二は、作者の北杜夫自身。実に興味深い小説です。
「一体、歳月とは何なのか? そのなかで愚かに笑い、或いは悩み苦しみ、或いは
惰性的に暮らしてゆく人間とは何なのか?」(P120)
歳月とは何か? 人間とは何か?
その答えを探すために、北杜夫はこの小説を書いたのでしょうか?
第二部の終盤で大戦が始まり、一息ついた楡病院に、また苦難の時代が・・・
最終の第三部では、どうなってしまうのでしょうか?
さいごに。(体が重い)
年末から色々と食べてばかりで、正月に入ってからは、毎日餅を食べています。
久々に3キロジョッグしましたが、体が重くて重くて・・・
楡家の人びとが三代にわたって、明治・大正・昭和の激動期を生きてゆく物語です。
作者の家族がモデルになっています。第二部の主人公は徹吉は、父の齋藤茂吉です。
楡病院が火災で焼失し、基一郎が亡くなると、娘婿の徹吉が病院を引き継ぎました。
先代が残したのは、灰燼に帰した青山と、松原に新病院を建設という無謀な計画。
新院長徹吉に背負わされた責任はあまりにも大きく、基一郎の構想は途方もなく・・・
とはいえ徹吉は、再建をはかるために動き出して・・・
「すでに焼かれて骨と化した基一郎の遺志は、楡家の一族をあやつり、一筋に新病院
建立への道を進ませたのである。」(P41)
松原の新病院は、亡き基一郎の遺志を継ぐ勝俣秀吉によって、意外にも繁盛します。
やがて、そちらが本院となり、徹吉の青山の病院が分院となってしまいました。
そんな折、書物を読むことで心が慰められてゆく場面は、非常に共感できました。
院長の自分が本なんか読んでいていいのかと思いながら、読まずにはいられない!
「だが、心のうつろさからふと一冊の本を手にとり、そのある頁(ページ)をひら
き、その幾行かを辿ってみたとき、徹吉は我知らずそこへ誘いこまれている自分を
発見した。我に帰って彼は慄然とした。その言いようもなくなぐさめられた気持ち、
その戸惑い、嫌悪と魅惑、」(P56)
この徹吉が、北杜夫の父、斎藤茂吉をモデルにしていると思うと、非常に興味深い。
妻の龍子は、徹吉との口論のあげく、3人の子供を残して家を出て行ってしまうし。
その3人の子供のうち、長男の峻一は、精神科医で随筆家の齋藤茂太。
そして次男の周二は、作者の北杜夫自身。実に興味深い小説です。
「一体、歳月とは何なのか? そのなかで愚かに笑い、或いは悩み苦しみ、或いは
惰性的に暮らしてゆく人間とは何なのか?」(P120)
歳月とは何か? 人間とは何か?
その答えを探すために、北杜夫はこの小説を書いたのでしょうか?
第二部の終盤で大戦が始まり、一息ついた楡病院に、また苦難の時代が・・・
最終の第三部では、どうなってしまうのでしょうか?
さいごに。(体が重い)
年末から色々と食べてばかりで、正月に入ってからは、毎日餅を食べています。
久々に3キロジョッグしましたが、体が重くて重くて・・・
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