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こころ [日本の近代文学]

 「こころ」 夏目漱石 (集英社文庫)


 友人を裏切って恋を成就しようとした男の、その心理と罪悪感を描いた物語です。
 大正3年に刊行された日本近代文学の傑作。高校の教科書で誰もが読んでいます。

 あらゆる文庫で出ています。私は集英社文庫で読みました。口絵ページがあるので。
 当時は漱石自身の装丁で岩波から出たので、ツウは岩波文庫を選ぶ人が多いです。


こころ (集英社文庫)

こころ (集英社文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 1991/02/25
  • メディア: 文庫



こころ (岩波文庫)

こころ (岩波文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1989/05/16
  • メディア: 文庫



 一方、書店でよく見かけるのは、新潮文庫と角川文庫でしょうか。
 この二つの文庫は、夏になると洒落たカバーに変えて出すので、注目しています。


こころ (新潮文庫)

こころ (新潮文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/03
  • メディア: 文庫



こゝろ (角川文庫)

こゝろ (角川文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2004/05/10
  • メディア: 文庫



 大学生の「私」は、ある日鎌倉の海水浴場で、年上の男性と出会い親しくなりました。
 やがて二人の交流が始まり、「私」は彼のことを「先生」と呼ぶようになりました。

 「先生」は、学歴がありながら仕事に就かず、人を避けて暮らしているようでした。
 月に一度決まった日に、一人で墓参りに行きますが、その理由を教えてくれません。

 「先生」は、時に「私は寂しい人間です」と言い、時に「恋は罪悪です」と言います。
 さらに「私は人間全体を信用していない。自分自身ですら信用できない」と言います。

 いったい先生はどうしてこんなことを言うのか? いったい先生に何があったのか? 
 しだいに「私」は、先生の不思議な言動が気になり、その理由を知りたいと思います。

 大学を卒業する夏、「私」は両親のいる故郷へ帰りました。父は思い病気でした。
 いよいよ父の命が危なくなった時、「先生」のもとから厚い封筒が届いて・・・

 「こころ」を初めて読んだのは、高校2年の夏だったと思います。
 2学期から国語の授業でやるため、通読しておくことが宿題になったのです。

 前半はミステリーっぽくて、当時の私もどんどん物語に引き込まれていきました。
 そして、先生の遺書によってすべて明かされていく展開に、ワクワクしました。

 かけがえのない友人Kに、自分もお嬢さんに恋していることを言えず・・・
 自分を信頼しきっているKに対して、「先生」がとった行動は・・・

 「精神的に向上心のない者はばかだ」というセリフは、クラスで流行しました。
 また、最後の悲劇的な結末は、いつまでも頭に残って、忘れられませんでした。

 以後これまでに3~4回読み直しました。だから、大筋はだいたい覚えています。
 それでも読み返すたびに新しい発見がありました。繰り返し読むべき作品です。

 ところが、いまだにピンとこない部分があります。それが「先生」の死の理由。
 最後にこう言っています。「殉死するならば、明治の精神に殉死するつもりだ」と。

 はあ? そんな! それでは奥さんが、あまりにもかわいそうではないか。
 昭和に生まれ、平成に青春を送り、令和に生きる我々には、分からなくて当然か?

 そこに、明治という時代の特殊性があるのでしょうか。
 今後読み直す機会があると思います。そのとき理解できたらいいなと思っています。

 さいごに。(ライン削除される)

 ケータイのラインを、タブレットでも見たいと思って、インストールしたら・・・
 同じアカウントで違うところからアクセス(?)したとかで、削除されました。

 ケータイもタブレットも、ラインは使えない状態です。別に、困らないんだけど。
 そういうわけで、最近またショートメールを使うようになりました。

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