恐怖の宇宙帝王・暗黒星大接近! [20世紀アメリカ文学]
「恐怖の宇宙帝王 / 暗黒星大接近! キャプテン・フューチャー全集1」
エドモンド・ハミルトン作 野田昌宏訳 (創元SF文庫)
フューチャーメンが宇宙を舞台に悪者たちと戦う、スペース・オペラの傑作です。
1940年代に「キャプテン・フューチャー誌」に書き継がれた、人気シリーズです。
1960年代に日本に紹介されて、1978年にはNHKのアニメが人気となりました。
旧版のハヤカワ文庫も、2004年に出た創元SF文庫の全集も、現在は絶版です。
太陽系政府主席のもとに、木星からやって来たのは、毛むくじゃらの大猿でした。
実は怪物は、木星で怪事件を調査していた諜報員の、変わり果てた姿だったのです。
彼は、木星で暗躍する宇宙帝王によって、「先祖返り」を引き起こされたのでした。
主席は、北極の信号灯で、月面にいるキャプテン・フューチャーを呼び寄せました。
キャプテン・フューチャーことカーティス・ニュートン、生きている脳のサイモン、
全鋼鉄製ロボットのグラッグ、アンドロイドのオットーが、フューチャーメンです。
彼らは、さっそく木星に向かい、早くも宇宙帝王が現れますが・・・
宇宙帝王は誰か? 宇宙帝王はなぜ物質を通り抜けるのか? 先祖返りとは何か?
「時は未来、所は宇宙、光すら歪む果てしなき宇宙の海へ、愛機コメットを駆るこ
の男。銀河系最大の科学者であり、冒険家カーティス・ニュートン。だが、人は彼
をキャプテン・フューチャーと呼ぶ。」
NHKで放送された時のこのナレーションは、何度も口にして暗記していました。
小学校の頃、キャプテン・フューチャーは、まさに私のヒーローでした。
中学生になると、学校の図書室で、児童用の抄訳を見つけて夢中で読み耽りました。
それだけでは飽き足らず、当時出ていたハヤカワ文庫版を買って何度も読みました。
原子の振動数を高めることで、物質を非物質化するとか、脳下垂体の異常によって、
人間を野獣に戻すとか、そういうもっともらしい理屈に、ワクワクしたものです。
宇宙帝王が誰なのか分からず、最後にその正体が明かされるところも良かったです。
「恐怖の宇宙帝王」は、冒険小説であると同時に、推理小説でもありました。
しかし、このシリーズがヒットした最大要因は、そのキャラクターでしょう。
個性的で(やや不気味で)、愉快な仲間たちが、どこかで必ず活躍します。
ロボットやアンドロイドも良いけれど、やっぱり傑作は「生きている脳」ですよ。
不治の病におかされた科学者の脳を、箱に入れてそのまま生かし続けるんですから。
さらに、中学生の私にとって、物語のスケールの大きさが魅力的でした。
「暗黒星大接近!」では、宇宙船の墓場において、太陽系外の生物と邂逅して・・・
宇宙の形成とか、宇宙の未来とか、宇宙人とか、異次元とか、ブラックホールとか、
タイムマシーンとか、相対性理論とかに興味を持ったのも、全てこの小説からです。
そういう意味では、このシリーズが私に与えた影響は、とても大きなものでした。
一時は、タイムマシンを発明したいと、本気で考えていたものです。
さて、中学時代に買った10冊ほどのハヤカワ文庫は、いつのまにか無くなりました。
2004年にこの全集が出たときには、懐かしくて嬉しくて、泣きそうになりました。
出た月に必ず買って読んだので、手元に全10巻が揃っています。創元文庫に感謝。
ただし、別巻として出た、訳者のオリジナル作品だけを、まだ読んでいません。
余談ですが、ユーチューブで「キャプテン・フューチャー」第1話が見られました。
久々に見て、懐かしくて懐かしくて・・・→ https://youtu.be/m-n4r9M2drs
さいごに。(夜桜)
花見もできないうちに桜が散り始めました。家の前の公園の桜も散り始めています。
先日の夜、家族で公園に出て桜を見ました。特に、電灯の近くの花がきれいでした。
「恐怖の宇宙帝王 暗黒星大接近! キャプテン・フューチャー全集1」
エドモンド・ハミルトン作 野田昌宏訳 (創元SF文庫)
フューチャーメンが宇宙を舞台に悪者たちと戦う、スペース・オペラの傑作です。
1940年代に「キャプテン・フューチャー誌」に書き継がれた、人気シリーズです。
1960年代に日本に紹介されて、1978年にはNHKのアニメが人気となりました。
旧版のハヤカワ文庫も、2004年に出た創元SF文庫の全集も、現在は絶版です。
恐怖の宇宙帝王/暗黒星大接近! <キャプテン・フューチャー全集1> (創元SF文庫)
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/08/24
- メディア: 文庫
太陽系政府主席のもとに、木星からやって来たのは、毛むくじゃらの大猿でした。
実は怪物は、木星で怪事件を調査していた諜報員の、変わり果てた姿だったのです。
彼は、木星で暗躍する宇宙帝王によって、「先祖返り」を引き起こされたのでした。
主席は、北極の信号灯で、月面にいるキャプテン・フューチャーを呼び寄せました。
キャプテン・フューチャーことカーティス・ニュートン、生きている脳のサイモン、
全鋼鉄製ロボットのグラッグ、アンドロイドのオットーが、フューチャーメンです。
彼らは、さっそく木星に向かい、早くも宇宙帝王が現れますが・・・
宇宙帝王は誰か? 宇宙帝王はなぜ物質を通り抜けるのか? 先祖返りとは何か?
「時は未来、所は宇宙、光すら歪む果てしなき宇宙の海へ、愛機コメットを駆るこ
の男。銀河系最大の科学者であり、冒険家カーティス・ニュートン。だが、人は彼
をキャプテン・フューチャーと呼ぶ。」
NHKで放送された時のこのナレーションは、何度も口にして暗記していました。
小学校の頃、キャプテン・フューチャーは、まさに私のヒーローでした。
中学生になると、学校の図書室で、児童用の抄訳を見つけて夢中で読み耽りました。
それだけでは飽き足らず、当時出ていたハヤカワ文庫版を買って何度も読みました。
原子の振動数を高めることで、物質を非物質化するとか、脳下垂体の異常によって、
人間を野獣に戻すとか、そういうもっともらしい理屈に、ワクワクしたものです。
宇宙帝王が誰なのか分からず、最後にその正体が明かされるところも良かったです。
「恐怖の宇宙帝王」は、冒険小説であると同時に、推理小説でもありました。
しかし、このシリーズがヒットした最大要因は、そのキャラクターでしょう。
個性的で(やや不気味で)、愉快な仲間たちが、どこかで必ず活躍します。
ロボットやアンドロイドも良いけれど、やっぱり傑作は「生きている脳」ですよ。
不治の病におかされた科学者の脳を、箱に入れてそのまま生かし続けるんですから。
さらに、中学生の私にとって、物語のスケールの大きさが魅力的でした。
「暗黒星大接近!」では、宇宙船の墓場において、太陽系外の生物と邂逅して・・・
宇宙の形成とか、宇宙の未来とか、宇宙人とか、異次元とか、ブラックホールとか、
タイムマシーンとか、相対性理論とかに興味を持ったのも、全てこの小説からです。
そういう意味では、このシリーズが私に与えた影響は、とても大きなものでした。
一時は、タイムマシンを発明したいと、本気で考えていたものです。
さて、中学時代に買った10冊ほどのハヤカワ文庫は、いつのまにか無くなりました。
2004年にこの全集が出たときには、懐かしくて嬉しくて、泣きそうになりました。
出た月に必ず買って読んだので、手元に全10巻が揃っています。創元文庫に感謝。
ただし、別巻として出た、訳者のオリジナル作品だけを、まだ読んでいません。
風前の灯!冥王星ドーム都市―キャプテン・フューチャー全集・別巻 (創元SF文庫)
- 作者: 野田 昌宏
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/06/01
- メディア: 文庫
余談ですが、ユーチューブで「キャプテン・フューチャー」第1話が見られました。
久々に見て、懐かしくて懐かしくて・・・→ https://youtu.be/m-n4r9M2drs
さいごに。(夜桜)
花見もできないうちに桜が散り始めました。家の前の公園の桜も散り始めています。
先日の夜、家族で公園に出て桜を見ました。特に、電灯の近くの花がきれいでした。
「恐怖の宇宙帝王 暗黒星大接近! キャプテン・フューチャー全集1」
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