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巨人たちの星2 [20世紀アメリカ文学]

 「巨人たちの星」 ジェイムズ・P・ホーガン作 池央耿訳 (創元推理文庫)


 ガニメアンの末裔チューリアンと、地球を狙うジェヴレニーズとの戦いの物語です。
 「星を継ぐもの」「ガニメデの優しい巨人」に続く第三弾で、様々な謎が解けます。


巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1983/05/27
  • メディア: 文庫



 とうとうチューリアンと地球人の連合軍と、ジェヴレン人との戦争が始まりました。
 チューリアンは、ジェヴレンの宇宙船に包囲され、最後通牒が突き付けられました。

 武器を持たず、戦う気もないチューリアン。平和活動のため、武器を放棄した地球。
 この絶体絶命の状況を、彼らはいかに克服したか? 地球人が考えた驚くべき作戦!

 作戦の中心は、両者の人工知能です。これは、人工知能同士の戦いでもあります。
 しかし、勝敗の鍵を握るのはやはり人間です。中でも特に、地球人。

 「地球人は常に何かに挑み、失敗しても笑って忘れ、すぐにまた試みる。最後には、
 きっと目的を達するのだ。」(P427)

 ほんのわずかな隙をついて、ヴィザ―はジェヴェックスの中枢機能に直結し・・・
 ジェヴェックスのシステムを切って、ジェヴレンは脱出を試みますが・・・

 「巨大なジェネレーターはジェヴレン船五隻の前方の限られた空間にエネルギーを注
 ぎ込んだ。時空の一部が褶曲し、ねじれて揺動し、果てしなく陥没した。超空間への
 入り口が激しく旋回する渦の中心に形をなしはじめた。」(P436)

 これは、人口ブラックホールを作って、瞬間移動する場面です。
 この作品では、こういう描写がとてもかっこいいです。ワクワクします。

 ところが・・・ジェヴレン船はどこにたどり着いたのか? 新たに明かされる謎!
 最後まで目が離せません。あっと驚く展開です。読後しばらく頭が痺れていました。

 スケールの壮大さ、目を見張る展開、たぐいまれな発想、何をとってもすばらしい。
 「巨人たちの星」は、シリーズ3巻通して読むべき大傑作です。

 さて、3巻通して読んだところで、漫画「星を継ぐもの」を再読しました。
 改めて、漫画版におけるアレンジや工夫が目につきました。

 平和委員会の暗躍、ガニメアンの「真実の眼」、クロマニョン人とネアンデルタール、
 隕石爆弾、ジェブレンの陰謀をあえて受け入れようとするチューリアンの哲学・・・

 また、ガニメアンや、宇宙船や、惑星の光景などは、漫画だからこその描写力でした。
 一方ハントとダンチェッカーの関係の変化は、あっさりしていて物足りなかったです。

 ところでこのシリーズには、「内なる宇宙」上下二巻という続編があるのだそうです。
 いつか読みたいと思っています。


内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈上〉 (創元SF文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1997/08/29
  • メディア: 文庫



内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)

内なる宇宙〈下〉 (創元SF文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1997/08/29
  • メディア: 文庫



 さいごに。(多田が制した!)

 日本選手権の男子100m決勝では、多田修平が9秒台の4人を抑えて優勝しました。
 ロケットスタートでリードすると、そのまま逃げ切る多田らしいレースでした。



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