時のロスト・ワールド [20世紀アメリカ文学]
「透明惑星危機一髪 / 時のロスト・ワールド キャプテン・フューチャー全集4」
エドモンド・ハミルトン作 野田昌宏訳 (創元SF文庫)
フューチャーメンが宇宙を舞台に冒険する、スペース・オペラの全集の第四弾です。
「時のロスト・ワールド」は、シリーズ中の最高傑作との呼び声が高い作品です。
「星を継ぐもの」全三巻を読んで、思い出した作品が「時のロスト・ワールド」です。
この物語でも、小惑星の起源や人類の起源など、さまざまな謎が解明されます。
物語は、月のフューチャーメンの基地に、1人の男が降り立つところから始まります。
男は、小惑星221で助けを求める声を聞いたと言います。それも1億年前からの声です。
キャプテン・フューチャーは気付きました。惑星カタインからの救援のメッセージだと。
あるカタイン人が「時搬送ビーム」で、「電磁・精神信号」を現在に送ってきたのです。
カタインはかつて火星と木星の間にあった惑星で、崩壊して小惑星となっていました。
フューチャーメンは、開発した「航時推進機」で、1億年前の太陽系へ旅立って・・・
カタイン人は、いかにして危機を回避しようとしていたのか?
カタインを救うためのウランを、フューチャーメンはどのように手に入れたのか?
「原子中の電子の軌道速度というものは、時間の経過速度を制御しているんだ。(中
略)もし電子の速度をはやめてやれば、その物体の時間は未来へどんどん進んでいく。
電子の運動方向を逆にしてやれば、時間の流れに抗して過去へとむかうことができるん
だ。」(P295)
「ほんまかいな?」と突っ込みたくなるけど、それは私が年をとってしまった証拠です。
中学生の頃、初めて読んだときには、その発想に感動して、涙が出そうになりました。
しかもフューチャーメンは、太古の地球に降りたって、恐竜の世界を探検するのです。
恐竜好きの私には、たまらない展開でした。
さらにそこには人類がいて、彼らの言う「古きものの地」とは、崩壊した都市でした。
そして彼らは、白鳥座のデネブ星を拝んでいました。ムー的好奇心が刺激されます。
17章以降の太陽系の誕生の場面は、本当にすばらしいです。様々な謎も解明されます。
何百隻にも及ぶ宇宙船が、デネブの方角からやってきて・・・
さて、この「時のロスト・ワールド」では、時間の壁を超えました。
第4巻に同時収録の「透明惑星危機一髪!」もまた、次元を超える壮大な物語です。
冥王星の衛星ケルベルスの監獄から、火星の魔術師ウル・クォルンが脱獄しました。
何も無いところから宇宙船が現れ、クォルンを乗せて突然消えてしまったのです。
その後、不思議な盗難事件が相次ぎます。窃盗団は人々の前から突然消失するのです。
彼らは異次元へ転移したのか? クォルンらは異次元で何を企んでいるのか?・・・
さて「時のロスト・ワールド」と並び、傑作だと思うのは「輝く星々のかなたへ!」。
「キャプテン・フューチャー全集」の第5巻に入っています。
さいごに。(7月発売の気になる文庫本)
・7/15 「世界の神話入門」 呉茂一 (講談社学術文庫)
→ かつて講談社現代新書から出ていた名著。世界神話の入門書。買い。
エドモンド・ハミルトン作 野田昌宏訳 (創元SF文庫)
フューチャーメンが宇宙を舞台に冒険する、スペース・オペラの全集の第四弾です。
「時のロスト・ワールド」は、シリーズ中の最高傑作との呼び声が高い作品です。
透明惑星危機一髪!/時のロスト・ワールド <キャプテン・フューチャー全集4> (創元SF文庫)
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2004/12/18
- メディア: 文庫
「星を継ぐもの」全三巻を読んで、思い出した作品が「時のロスト・ワールド」です。
この物語でも、小惑星の起源や人類の起源など、さまざまな謎が解明されます。
物語は、月のフューチャーメンの基地に、1人の男が降り立つところから始まります。
男は、小惑星221で助けを求める声を聞いたと言います。それも1億年前からの声です。
キャプテン・フューチャーは気付きました。惑星カタインからの救援のメッセージだと。
あるカタイン人が「時搬送ビーム」で、「電磁・精神信号」を現在に送ってきたのです。
カタインはかつて火星と木星の間にあった惑星で、崩壊して小惑星となっていました。
フューチャーメンは、開発した「航時推進機」で、1億年前の太陽系へ旅立って・・・
カタイン人は、いかにして危機を回避しようとしていたのか?
カタインを救うためのウランを、フューチャーメンはどのように手に入れたのか?
「原子中の電子の軌道速度というものは、時間の経過速度を制御しているんだ。(中
略)もし電子の速度をはやめてやれば、その物体の時間は未来へどんどん進んでいく。
電子の運動方向を逆にしてやれば、時間の流れに抗して過去へとむかうことができるん
だ。」(P295)
「ほんまかいな?」と突っ込みたくなるけど、それは私が年をとってしまった証拠です。
中学生の頃、初めて読んだときには、その発想に感動して、涙が出そうになりました。
しかもフューチャーメンは、太古の地球に降りたって、恐竜の世界を探検するのです。
恐竜好きの私には、たまらない展開でした。
さらにそこには人類がいて、彼らの言う「古きものの地」とは、崩壊した都市でした。
そして彼らは、白鳥座のデネブ星を拝んでいました。ムー的好奇心が刺激されます。
17章以降の太陽系の誕生の場面は、本当にすばらしいです。様々な謎も解明されます。
何百隻にも及ぶ宇宙船が、デネブの方角からやってきて・・・
さて、この「時のロスト・ワールド」では、時間の壁を超えました。
第4巻に同時収録の「透明惑星危機一髪!」もまた、次元を超える壮大な物語です。
冥王星の衛星ケルベルスの監獄から、火星の魔術師ウル・クォルンが脱獄しました。
何も無いところから宇宙船が現れ、クォルンを乗せて突然消えてしまったのです。
その後、不思議な盗難事件が相次ぎます。窃盗団は人々の前から突然消失するのです。
彼らは異次元へ転移したのか? クォルンらは異次元で何を企んでいるのか?・・・
さて「時のロスト・ワールド」と並び、傑作だと思うのは「輝く星々のかなたへ!」。
「キャプテン・フューチャー全集」の第5巻に入っています。
輝く星々のかなたへ!/月世界の無法者 <キャプテン・フューチャー全集5> (創元SF文庫)
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/02/11
- メディア: 文庫
さいごに。(7月発売の気になる文庫本)
・7/15 「世界の神話入門」 呉茂一 (講談社学術文庫)
→ かつて講談社現代新書から出ていた名著。世界神話の入門書。買い。
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