アメリカの悲劇2 [20世紀アメリカ文学]
「アメリカの悲劇 上巻」 シオドア・ドライザー作 大久保康雄訳 (新潮文庫)
シャツ会社で働くクライドが、上流階級の社交界に憧れて、破滅へ向かう物語です。
1925年に出た、ドライサーの代表作です。名作映画「陽のあたる場所」の原作です。
カンサス・シティでの事件から3年が過ぎて、クライドは20歳になっていました。
事件のほとぼりが冷めて、母親とも連絡を取り、人生をやり直す決意を固めました。
旧友のタラッターとの再会を機に、シカゴの名門ホテルに勤めることができました。
そして偶然そのホテルへ、富豪の伯父サミュエル・グリフィスがやってきたのです。
伯父はリカーガスでシャツ会社を営んでいて、グリフィス家はその地の名家でした。
クライドは伯父を頼ってリカーガスに渡り、その後ろ盾によって会社に入りました。
伯父の息子で会社の秘書であるギルバートは、そのことを快く思いませんでした。
彼はクライドを役員にしたとき、決して女工と関係を持たぬようにと忠告しました。
その後ロバータという美貌の女工が入り、お互いに好意を持つようになりました。
しかし、階級の違いゆえに、2人は思いを打ち明けないまま過ごしていました。
ある日、クライドが湖でボートを漕いでいるとき、偶然ロバータに出会いました。
クライドはロバータをボートに誘います。ロバータは喜びながらもためらいます。
ロバータは悪い予感がしていました。「ボートなんて、あぶないんですもの」・・・
そしてこれをきっかけに2人は特別な仲となり、どんどん深みにはまっていって・・・
この「第二部」もまた、とても面白いです。
ロバータと関係を持つまでのクライドは、とてもけなげで好感が持てました。
ところが、ロバータと関係を持ってしまうと、クライドは変わっていくのです。
特に、上流階級への入り口が見えてからはひどい。どんどんクズ野郎になっていく!
上巻の前半は、クライドがんばれ、クライドがんばれと応援しながら読んでいました。
後半に入ると、クライドのクズ野郎、クライドのクズ野郎と思いながら読みました。
自分の地位を確立すればするほど、クライドは人間的に堕落していきます。
不倫してるんじゃねえ。二股かけてんじゃねえ。ロバータをだいじにしろ!
ようやくロバータがクライドから離れる決心をしたとき、彼女の体に異変が・・・
どうすることもできなくて、現実から目を背けるクライド。このクズ野郎!・・・
さて、クライドは上流階級の仲間入りができるのか? 憧れのソンドラとの関係は?
ロバータはどうなるのか? そしてこの先、どのような悲劇が待っているのか?
「アメリカの悲劇」というのは要するに、物質文明の悲劇ということでしょうか。
あるいは、堕胎を許さない宗教的不寛容の悲劇ということなのでしょうか。
ようやく上巻を読み終わりました。「第二部」は下巻にも続きます。
上下巻合わせて1300ページ以上の大長編ですが、しかし、まったく飽きません。
ドライザーの作品にはほかに、岩波文庫の「シスター・キャリー」があります。
キャリーという少女が、物質文明や上流階級に憧れて、堕落していく物語です。
「シスター・キャリー」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2014-06-05
さいごに。(ごきぶり出現)
大きなゴキブリが出現しました。真っ黒で堂々たるゴキブリです。
うちの妻と娘は虫が嫌いなため、こういうときばかり私を頼ります。
私が来た時にはすでに物陰に入ってしまったので、取り逃がしてしまいました。
すると女衆は「こんな部屋では寝られない」と大騒ぎ。おおげさなんだよ!(笑)
シャツ会社で働くクライドが、上流階級の社交界に憧れて、破滅へ向かう物語です。
1925年に出た、ドライサーの代表作です。名作映画「陽のあたる場所」の原作です。
カンサス・シティでの事件から3年が過ぎて、クライドは20歳になっていました。
事件のほとぼりが冷めて、母親とも連絡を取り、人生をやり直す決意を固めました。
旧友のタラッターとの再会を機に、シカゴの名門ホテルに勤めることができました。
そして偶然そのホテルへ、富豪の伯父サミュエル・グリフィスがやってきたのです。
伯父はリカーガスでシャツ会社を営んでいて、グリフィス家はその地の名家でした。
クライドは伯父を頼ってリカーガスに渡り、その後ろ盾によって会社に入りました。
伯父の息子で会社の秘書であるギルバートは、そのことを快く思いませんでした。
彼はクライドを役員にしたとき、決して女工と関係を持たぬようにと忠告しました。
その後ロバータという美貌の女工が入り、お互いに好意を持つようになりました。
しかし、階級の違いゆえに、2人は思いを打ち明けないまま過ごしていました。
ある日、クライドが湖でボートを漕いでいるとき、偶然ロバータに出会いました。
クライドはロバータをボートに誘います。ロバータは喜びながらもためらいます。
ロバータは悪い予感がしていました。「ボートなんて、あぶないんですもの」・・・
そしてこれをきっかけに2人は特別な仲となり、どんどん深みにはまっていって・・・
この「第二部」もまた、とても面白いです。
ロバータと関係を持つまでのクライドは、とてもけなげで好感が持てました。
ところが、ロバータと関係を持ってしまうと、クライドは変わっていくのです。
特に、上流階級への入り口が見えてからはひどい。どんどんクズ野郎になっていく!
上巻の前半は、クライドがんばれ、クライドがんばれと応援しながら読んでいました。
後半に入ると、クライドのクズ野郎、クライドのクズ野郎と思いながら読みました。
自分の地位を確立すればするほど、クライドは人間的に堕落していきます。
不倫してるんじゃねえ。二股かけてんじゃねえ。ロバータをだいじにしろ!
ようやくロバータがクライドから離れる決心をしたとき、彼女の体に異変が・・・
どうすることもできなくて、現実から目を背けるクライド。このクズ野郎!・・・
さて、クライドは上流階級の仲間入りができるのか? 憧れのソンドラとの関係は?
ロバータはどうなるのか? そしてこの先、どのような悲劇が待っているのか?
「アメリカの悲劇」というのは要するに、物質文明の悲劇ということでしょうか。
あるいは、堕胎を許さない宗教的不寛容の悲劇ということなのでしょうか。
ようやく上巻を読み終わりました。「第二部」は下巻にも続きます。
上下巻合わせて1300ページ以上の大長編ですが、しかし、まったく飽きません。
ドライザーの作品にはほかに、岩波文庫の「シスター・キャリー」があります。
キャリーという少女が、物質文明や上流階級に憧れて、堕落していく物語です。
「シスター・キャリー」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2014-06-05
さいごに。(ごきぶり出現)
大きなゴキブリが出現しました。真っ黒で堂々たるゴキブリです。
うちの妻と娘は虫が嫌いなため、こういうときばかり私を頼ります。
私が来た時にはすでに物陰に入ってしまったので、取り逃がしてしまいました。
すると女衆は「こんな部屋では寝られない」と大騒ぎ。おおげさなんだよ!(笑)
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