災厄の町2 [20世紀アメリカ文学]
「災厄の町」 エラリイ・クイーン作 越前敏弥訳 (ハヤカワ文庫)
ライツヴィルを訪れていたエラリイが、旧家で起きた毒殺事件の謎を解く物語です。
ハヤカワ文庫版は、2014年に新訳が出ました。とても読みやすかったです。
黙秘を続けるジムを置き去りにして、裁判はどんどんジムに不利に進みます。
いったいジムは何を隠しているのか? なぜ弁護士にさえ心を打ち明けないのか?
ジムに代わって、毒殺されかけた妻のノーラが、身重にもかかわらず証言台に・・・
夫を愛し、ひたすら擁護するノーラ。それなのに、かたくなに黙り続けるジム・・・
そして、最後に証言台に立ったパットの、あっと驚く計略!
さらに、ジムが最後の最後に取った、とんでもない行動!
それにしても、真犯人がこの人だったとは! (この人、相当屈折していますよ。)
また、ジムが沈黙していた理由がこういうわけだったとは!
ところで、この物語はジムとノーラの物語でした。彼らは消滅する存在です。
一方で、これはカートとパットの物語でもあります。彼らは再生する存在です。
消滅と再生は、ライト家の墓所における光景で、象徴的に描かれていました。
「災厄の町」の評価が高いのは、このような文学性にあるのだと思います。
「木々があまりにも古いので、くたびれたから横になりたい、埋葬してもらい
たいと言い出さないのが不思議に感じられるほどだが、木々はひたすら齢を重
ね、垂れさがりつづけてきた。しかし春はちがった。ひそんでいた生命力によ
って、硬く黒い肌から緑の髪が生え出し、死などおもしろいジョークだと言わ
んばかりだった。」(P431)
どろどろした人間関係を描きながら、最後はすがすがしい余韻があります。
この作品のファンが多い理由が、とてもよく分かりました。
さて、本書と似た傾向の作品で、思い出すのは「ウィチャリー家の女」です。
ロス・マクの代表作ですが、こちらは読んでいてとことん暗くなりました。
「ウィチャリー家の女」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2021-05-30
さいごに。(五輪で陸上三昧)
3000SCでは三浦が予選で日本新。決勝で7位入賞。
走高跳では戸邉が決勝進出。走幅跳では橋岡が決勝で6位入賞。
女子1500では田中が予選で日本新。10000では廣中が決勝で日本新。
しかし何といっても楽しみなのは男子4×100です。これだけはライブで見たい!
ライツヴィルを訪れていたエラリイが、旧家で起きた毒殺事件の謎を解く物語です。
ハヤカワ文庫版は、2014年に新訳が出ました。とても読みやすかったです。
黙秘を続けるジムを置き去りにして、裁判はどんどんジムに不利に進みます。
いったいジムは何を隠しているのか? なぜ弁護士にさえ心を打ち明けないのか?
ジムに代わって、毒殺されかけた妻のノーラが、身重にもかかわらず証言台に・・・
夫を愛し、ひたすら擁護するノーラ。それなのに、かたくなに黙り続けるジム・・・
そして、最後に証言台に立ったパットの、あっと驚く計略!
さらに、ジムが最後の最後に取った、とんでもない行動!
それにしても、真犯人がこの人だったとは! (この人、相当屈折していますよ。)
また、ジムが沈黙していた理由がこういうわけだったとは!
ところで、この物語はジムとノーラの物語でした。彼らは消滅する存在です。
一方で、これはカートとパットの物語でもあります。彼らは再生する存在です。
消滅と再生は、ライト家の墓所における光景で、象徴的に描かれていました。
「災厄の町」の評価が高いのは、このような文学性にあるのだと思います。
「木々があまりにも古いので、くたびれたから横になりたい、埋葬してもらい
たいと言い出さないのが不思議に感じられるほどだが、木々はひたすら齢を重
ね、垂れさがりつづけてきた。しかし春はちがった。ひそんでいた生命力によ
って、硬く黒い肌から緑の髪が生え出し、死などおもしろいジョークだと言わ
んばかりだった。」(P431)
どろどろした人間関係を描きながら、最後はすがすがしい余韻があります。
この作品のファンが多い理由が、とてもよく分かりました。
さて、本書と似た傾向の作品で、思い出すのは「ウィチャリー家の女」です。
ロス・マクの代表作ですが、こちらは読んでいてとことん暗くなりました。
「ウィチャリー家の女」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2021-05-30
さいごに。(五輪で陸上三昧)
3000SCでは三浦が予選で日本新。決勝で7位入賞。
走高跳では戸邉が決勝進出。走幅跳では橋岡が決勝で6位入賞。
女子1500では田中が予選で日本新。10000では廣中が決勝で日本新。
しかし何といっても楽しみなのは男子4×100です。これだけはライブで見たい!
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