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エデンの東 第三部 [20世紀アメリカ文学]

 「エデンの東 3」 ジョン・スタインベック作 土屋雅雄訳 (ハヤカワepi文庫)


 トラスク家とハミルトン家の人びとの、三代にわたる愛憎を描いた長編小説です。
 人間がこの世に生きる意味を問う、という構想で書かれた、集大成的な作品です。


エデンの東 新訳版 (3) (ハヤカワepi文庫)

エデンの東 新訳版 (3) (ハヤカワepi文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/02/22
  • メディア: 文庫



 サミュエル・ハミルトンは、愛するユナの死をきっかけに急に老いてしまいました。
 心配した子供たちは、もう働かなくてもいいように、父母を家に招待しました。

 サミュエルが牧場を離れるにあたり、アダム・トラスクの家を訪ねました。
 そのとき、サミュエルとアダムとリーで、カインの物語について語り合いました。

 中国人のリーが、「治むること能ふ」から導き出した、カインの物語の新解釈は?
 「この物語は・・・これは天上の星に手を届かせるための梯子です」(P75)

 この解釈によって、サミュエルはアダムに、生死を選択させる情報を与え・・・
 そしてアダムは、サミュエルの死後、とうとうケイトの店を訪れて・・・

 第二部の顔は、サミュエルでしたが、第三部の前半で彼は死んでしまいました。
 サミュエルの後を継いで、第三部の顔となったのは、アダムの召使いリーです。

 ところで、サミュエルはとうとう最後まで、自分の秘密を明かしませんでした。
 どうしてアイルランドから渡って来たのか? 何か事情があったはずですが。

 一方リーは、物語の重要ポイントである「カインの新解釈」を披露しました。
 「汝能ふ」という一言が、人類の可能性をいっきに押し広げます。

 さらに、自分の母の身に起こった、あまりにも残酷な出来事を披露します。
 第三部の大事な場面の中心には、リーがいます。そして度々、名言を吐きます。

 「時が人に与えられるものは、年齢と悲しみです。それ以外の何かだと思うの
 は、わたしには大きな過ちのように思えます」(P231)

 さて、物語の中心は、しだいにアダムの双子に移っていくはずです。
 キャルは「カイン」のようで、アロンは「アベル」のようですが、さて・・・

 さいごに。(ひとりカフェ)

 緊急事態宣言が発令されたおかげで、土日のサービス残業が無くなりました。
 皮肉な形で実現した「働き方改革」です。新型コロナのありがたい副産物です。

 しかし、カフェには行きにくいので、家で「ひとりカフェ」を実施中です。
 土日は、「カフェの雑音」をBGMに、お茶を飲みながら、家で読書を楽しみます。

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