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惑星タラスト救出せよ! [20世紀アメリカ文学]

 「彗星王の陰謀 / 惑星タラスト救出せよ! キャプテンフューチャー全集6」
 エドモンド・ハミルトン作 野田昌宏訳 (創元SF文庫)


 フューチャーメンが宇宙を舞台に冒険する、スペース・オペラの全集の第六弾です。
 「惑星タラスト救出せよ!」は、異次元宇宙の惑星を救出する実に壮大な物語です。


彗星王の陰謀/惑星タラスト救出せよ! <キャプテン・フューチャー全集6> (創元SF文庫)

彗星王の陰謀/惑星タラスト救出せよ! <キャプテン・フューチャー全集6> (創元SF文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2005/03/24
  • メディア: 文庫



 フューチャーメンは、火星の科学者チコが異次元宇宙の惑星と接触したと聞きました。
 4次元軸にビームを発射したら、20億光年離れた宇宙から応答があったと言うのです。

 「われわれのこの宇宙は、いってみれば巨大な泡の形をとって高次空間の中に浮かん
 でいるんだ。したがってその高次空間の中には、他にも泡が―三次元の宇宙が、浮い
 ていると考えられるわけだ。
  わしが接触に成功した他の宇宙というのは、そんな泡のひとつなのだよ。」(P221)

 しかし、4次元軸は非空間的なもの。そんなことができるはずがありません。
 にもかかわらず物質伝送装置は作動し、異次元宇宙の惑星タラスト人が現れたのです。

 タラスト人はキャプテン・フューチャーの赤毛を見て、英雄カフールだと言います。
 彼らの伝説では、惑星が危機に陥ったとき、英雄カフールがよみがえると言うのです。

 そこで、カフールのふりをして、「冷たきものたち」から救ってほしいと言います。
 承知したフューチャーメンは、コメット号で死に瀕した宇宙へ旅立っていき・・・

 グラッグが生け捕られたり、フューチャーメンが喪心の刑に処せられ幽霊となったり、
「冷たきものたち」の謎を解いたりと、今回も読み始めたらなかなか本が置けません。

 しかしこの物語の魅力はなんといっても、異次元宇宙へ行くという設定の壮大さです。
 それ以上に、ラストのあっと驚く種明かし。座標データが移動していなかった?・・・

 この作品も、私の大好きなものの一つです。
 小学生のころTVアニメ版で見て、特にラストの場面ではうなりました。すごいです。

 さて同時収録の「彗星王の陰謀」もまた、異次元宇宙生物が出てくる壮大な物語です。
 しかもアルルスという生命体は、この宇宙のエネルギーを奪うためにやってきました。

 スケールが大きい上に、シリーズでは珍しく人生とは何かを考えさせられる物語です。
 不老不死の電気人間となって初めて、老いていく生身の人間を懐かしく思う・・・

 「知ってのとおり、生きている細胞というものは、通常、小さな電池のようなもので、
 化学的に引き出されたその電気エネルギーが、いわゆる生命―というわけだ。(中略)
 彼らは細胞を形づくる分子構造、さらに分子を構成する原子そのものに手を加え、き
 みたちの体細胞を、生命のエネルギー源である電池から変圧器へ―・・・」(P91)

 というように、もっともらしい「なんちゃって解説」も健在です。
 読んでいてワクワクしました。もう一度NHKのアニメ版も見たいなあ。

 さいごに。(10万もらえる?)

 公明党は、マイナンバーカード普及のため、数万円のポイント付与を考えているとか。
 詳細は分からないが、「新・Go Toキャンペーン」を実施するとも言われています。

 しかし、なんといっても目玉は、18歳までの子供への、一律10万円の支援でしょう。
 うちも娘が10万円もらえそうです。でも、本当にもらえるのかな?

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