SSブログ

恋愛対位法 [20世紀イギリス文学]

 「恋愛対位法上」 オルダス・ハクスリー作 朱牟田(しゅむた)夏雄訳 (岩波文庫)


 複数の男女の関係が、音楽の対位法のように重なりながら進行する長編小説です。
 ハクスリーは、アンチユートピア小説「すばらしい新世界」の作者として有名です。
 「すばらしい新世界」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2012-02-02

 岩波文庫の初版は1962年と古く、活字が小さくて読みにくかったです。現在絶版。
 「すばらしい新世界」は新訳が出ているので、ぜひこちらも新訳で出してほしい。


恋愛対位法 上 (岩波文庫 赤 259-1)

恋愛対位法 上 (岩波文庫 赤 259-1)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2022/04/24
  • メディア: 文庫



 マージョリーはウォルターと暮らして2年ですが、すでに彼の心は離れ始めています。
 夫から逃げて彼と同棲し子供まで宿しました。しかし彼は、ほかの女に夢中です。

 ウォルター・ビドレイクが夢中になっているのは、タンタマウント家のルーシーです。
 彼は身重のマージョリーを置いて、タンタマウント家のパーティーに出かけます。

 タンタマウント家の奥方ヒルダは、25年前からジョン・ビドレイクと関係があります。
 ジョンはウォルターの父で、彼もまたこのパーティーにやってきています。

 タンタマウント家の主人エドワードは男女関係に疎くて、妻の不倫を全然知りません。
 彼はパーティーには出ず、助手のイリッジとともに、生物学の研究に没頭しています。

 イリッジはウォルターの友達のようです。
 しかし彼はウォルターがルーシーを好きだと知らず、彼女をさんざんけなしています。

 ウォルターの姉エリナーもまた、夫のフィリップとともにパーティーに来ていました。
 ところがふたりの関係は、どうやら冷めきっているようで・・・

 というように、話があちこちに飛んで、何が何だかよく分かりません。
 いろんな人物が入り乱れているので、まったく名前が覚えられません。

 しかも活字が小さくて読みにくいため、私はすっかり嫌になってしまいました。
 上巻の中ほどで挫折しました。こんなに早く投げ出したのは、久しぶりのことです。

 すでに絶版となっていた本書を、新品より高い値段で上下巻セットで購入しました。
 それにもかかわらず、私はこの二冊を書庫の奥に押し込みました。もったいない!

 最近は仕事が忙しいため、なかなか読む時間も無くて・・・
 いやいや、これも年のせいかもしれません。理解力が落ちている気がします。

 それはともかく、中には興味深い登場人物もいました。老ビドレイクとヒルダです。
 腐れ縁の俗物不倫カップルですが、そこがまたすてきです。良い味を出しています。

 読み続ければ、ほかにも彼らのような魅力的な人物に、出会えるのかも知れません。
 しかし、ここでやめます。新訳が出たら読み直すかもしれませんが。

 さいごに。(4月は残業94時間。120時間超!)

 4月の残業時間は94時間でした。過労死ライン80時間を超えました。
 でも、持ち帰りの仕事時間を入れたら、120時間を余裕で超えてしまいます。

 年度初めはいつもそうなので、もう驚きません。
 と言いつつ、この数字に驚かなくなった自分に、今さらながら驚いています。

nice!(3)  コメント(0) 

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。