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オシリスの眼 [20世紀イギリス文学]

 「オシリスの眼」 R・オースティン・フリーマン作 渕上痩平訳 (ちくま文庫)


 失踪したエジプト学者と、その遺言を巡る相続問題を解決に導く、探偵推理小説です。
 ホームズ最大のライバルと言われた、ソーンダイク博士シリーズです。1911年刊行。


オシリスの眼 (ちくま文庫)

オシリスの眼 (ちくま文庫)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2016/11/09
  • メディア: 文庫



 高名なエジプト学者のベリンガムが、あるとき忽然と姿を消してしまいました。
 ベリンガムはその直前に、いとこで株式仲買人のハーストを訪ねたようなのです。

 また、ベリンガムが常に身につけていたスカラベが、弟の家の庭に落ちていました。
 しかし、そこでベリンガムの姿を見た者は無く、彼の行方も生死も分かりません。

 2年後、ベリンガムが死んだと思われていた頃、バラバラ死体が発見されたのです。
 それは失踪したベリンガムの死体か? だとしたら、誰が彼を殺したのか?

 奇妙な遺言、相続争い、出てこない遺体、出てきたバラバラ死体・・・
 法医学者ソーンダイクが解明した、事件の真相は?

 100年以上前に出た本書は、「物の隠し方トリック」の古典的名作とされています。
 確かに、あっと驚くような、意外なトリックでした! 私はうなりました。

 このあと、似たようなトリックがいくつも生まれます。
 しかし、本書のトリックの上を行くものがあるでしょうか?

 さて、私は最初、語り手とヒロインの大英博物館での場面を、不要だと思いました。
 しかし、ちゃんと結末につながっているとは! 実によく練られています。

 「オシリスの眼」というタイトルも秀逸です。
 作者フリーマンの代表作とされますが、非常に完成度の高い作品だと思いました。

 探偵役のソーンダイクは法医学者で、鑑識技術を駆使して論理的に結論を導きます。
 犯罪捜査に最新の科学技術を取り入れたところに、本シリーズの特徴があります。

 私はこの作品を、書店でたまたま見つけて興味を持ちました。読んで良かったです。
 オースティン・フリーマンの作品は、同じちくま文庫の「キャッツアイ」があります。


キャッツ・アイ (ちくま文庫)

キャッツ・アイ (ちくま文庫)

  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2019/01/10
  • メディア: 文庫



 さいごに。(娘のがんばり)

 テスト期間なので夜中まで勉強して、風呂に入ると、洗濯物を干し終わるのが1時。
 翌日は5時半に起きて、私と一緒に朝食の準備。娘はヤング・ケアラー状態でした。

 妻が入院中は、本当によくがんばったと思います。
 この2週間ほどで、だいぶ成長したのではないかと思っています。

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