思考の整理学 [読書・ライフスタイル]
「思考の整理学」 外山滋比古 (ちくま文庫)
自分で考えてまとめる方法を、体験に即して紹介した、外山流知的生産の技術です。
東大生・京大生にこの10年間最も読まれた本で、現在120刷以上となっています。
グライダーは飛行機と似ているが、悲しいかな、自力で飛ぶことができません。
学校教育は、引っ張られるままについて行くグライダー人間をつくってきました。
しかし、新しい文化を創造しようとしたら、飛行機能力が必要になってきます。
自分の頭で考え、それを自分で整理する、そのための方法を著者は教えてくれます。
スクラップブック、カード、ノート、手帳、メタノート、つんどく法、睡眠、散歩。
著者自身がおこなってきたさまざまな技術を、分かりやすく紹介しています。
この中でも、何度も言及されているのが、思考を「寝させる」ことの大切さです。
私は、ここに本書の特徴があるように思いました。
アイディアが生まれたら、それをしばらく時間をかけて「寝させる」のです。
その間に、素材と酵素の化学反応が起きて発酵し、自分だけのものとなるのです。
これ、とてもよく分かります。私の場合は、頭の中に保留の棚を作ってあります。
そこに置いたものは、ロングジョッグなどをしているとき、急に発酵するのです。
バルザックも、「熟したテーマは、向こうからやってくる」と言ったそうです。
私の場合は創造的なアイディアなどではなく、単なる仕事上の解決策なのですが。
さて、本書でもっとも興味深かったのは、「ガリバー旅行記」に関する記述です。
18世紀当時、スウィフトはこれを、政治に対する厳しい風刺として書きました。
しかし時代が下るたびに、風刺の意味がどんどん分からなくなっていきました。
一般的に風刺というものは、風化が急速に進むものなのです。
やがて、「ガリバー旅行記」を風刺として読む人は、ほとんどいなくなりました。
ところが「ガリバー旅行記」は、童話として生まれ変わり、世界に広がって・・・
終盤に入ると惜しいことに、教育に対して管をまくような言葉が目立ちました。
日本の教育ではグライダー人間しか作らない、コンピュータ人間しか作らないなど。
余談ですが、以前、「講談社現代新書」のマイ・ブームがありました。
「知的生活の方法」とか、「考える技術・書く技術」とかを読み漁りました。
「知的生活の方法」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2018-04-24
「考える技術・書く技術」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2018-04-21
そのころ私は、外山滋比古を知りました。
中でも感銘を受けた「知的創造のヒント」は、ちくま学芸文庫に入っています。
さいごに。(妻の退院が決まったが)
網膜剥離の手術を受けて、入院中の妻は、明日の午前に退院できることになりました。
とはいえ、まだ手術後の安静期間で、常にうつむき状態で生活しなくてはなりません。
支えてあげたいのですが、明後日から、私は4日間の出張が入っています。
一方、娘はテスト期間ですが、私の分までがんばってもらわなければなりません。
なにかとたいへんですが、こうした体験を通して、成長してほしいと思っています。
少なくとも、母親の苦労というものを、身に染みて感じてほしいです。
自分で考えてまとめる方法を、体験に即して紹介した、外山流知的生産の技術です。
東大生・京大生にこの10年間最も読まれた本で、現在120刷以上となっています。
グライダーは飛行機と似ているが、悲しいかな、自力で飛ぶことができません。
学校教育は、引っ張られるままについて行くグライダー人間をつくってきました。
しかし、新しい文化を創造しようとしたら、飛行機能力が必要になってきます。
自分の頭で考え、それを自分で整理する、そのための方法を著者は教えてくれます。
スクラップブック、カード、ノート、手帳、メタノート、つんどく法、睡眠、散歩。
著者自身がおこなってきたさまざまな技術を、分かりやすく紹介しています。
この中でも、何度も言及されているのが、思考を「寝させる」ことの大切さです。
私は、ここに本書の特徴があるように思いました。
アイディアが生まれたら、それをしばらく時間をかけて「寝させる」のです。
その間に、素材と酵素の化学反応が起きて発酵し、自分だけのものとなるのです。
これ、とてもよく分かります。私の場合は、頭の中に保留の棚を作ってあります。
そこに置いたものは、ロングジョッグなどをしているとき、急に発酵するのです。
バルザックも、「熟したテーマは、向こうからやってくる」と言ったそうです。
私の場合は創造的なアイディアなどではなく、単なる仕事上の解決策なのですが。
さて、本書でもっとも興味深かったのは、「ガリバー旅行記」に関する記述です。
18世紀当時、スウィフトはこれを、政治に対する厳しい風刺として書きました。
しかし時代が下るたびに、風刺の意味がどんどん分からなくなっていきました。
一般的に風刺というものは、風化が急速に進むものなのです。
やがて、「ガリバー旅行記」を風刺として読む人は、ほとんどいなくなりました。
ところが「ガリバー旅行記」は、童話として生まれ変わり、世界に広がって・・・
終盤に入ると惜しいことに、教育に対して管をまくような言葉が目立ちました。
日本の教育ではグライダー人間しか作らない、コンピュータ人間しか作らないなど。
余談ですが、以前、「講談社現代新書」のマイ・ブームがありました。
「知的生活の方法」とか、「考える技術・書く技術」とかを読み漁りました。
「知的生活の方法」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2018-04-24
「考える技術・書く技術」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2018-04-21
そのころ私は、外山滋比古を知りました。
中でも感銘を受けた「知的創造のヒント」は、ちくま学芸文庫に入っています。
さいごに。(妻の退院が決まったが)
網膜剥離の手術を受けて、入院中の妻は、明日の午前に退院できることになりました。
とはいえ、まだ手術後の安静期間で、常にうつむき状態で生活しなくてはなりません。
支えてあげたいのですが、明後日から、私は4日間の出張が入っています。
一方、娘はテスト期間ですが、私の分までがんばってもらわなければなりません。
なにかとたいへんですが、こうした体験を通して、成長してほしいと思っています。
少なくとも、母親の苦労というものを、身に染みて感じてほしいです。
コメント 0