インドへの道2 [20世紀イギリス文学]
「インドへの道」 E・M・フォースター作 小野寺健訳 (河出文庫)
イギリスとインド、異なる文化を持つ者たちに現れるさまざまな亀裂を描いています。
1924年刊行。フォースターの最後にして最大の傑作です。今回はその後半の紹介です。
アジズは、フィールディングと町に帰ってきたところを、突如逮捕されました。
先に帰ったアデラが、洞窟でアジズに襲われそうになった、と訴えていたからです。
イギリス人たちはアジズを犯人に決めつけ、インド人たちはアジズに味方しました。
チャンドラポワの町は、二つの人種の間で、一触即発の緊張した事態に陥りました。
その中で、フィールディングだけは、変わらずアジズの無実を信じていました。
彼はイギリス人のクラブを脱退し、仲間と縁を切って、インド人側についたのです。
一方アデラは、洞窟での体験以降、消えることのないこだまに悩まされていました。
もしかしたらあれは錯覚だったのか、と思った途端、こだまは小さくなるのでした。
ムア夫人は、裁判が始まる前に船に乗っていましたが、その途上で亡くなりました。
そして裁判当日、証言台に立ったアデラは、意外なことを口に出して・・・
というように、物語も半分を過ぎたところから、急に面白くなり始めました。
というか、ようやく本格的に物語が動き始めた、という感じです。
ところで前回、私は主人公をインド人のアジズだと述べましたが、違ったようです。
アジズは猜疑心が強く、やや狭量で身勝手な所もあり、主人公の器ではありません。
主人公はイギリス人のフィールディングのようです。彼は覚悟を持って行動します。
仲間のイギリス人を敵に回しても、自分の信念に従ってアジズの無実を訴えました。
フィールディングについて、とても印象に残っているシーンがあります。
それはベランダで、アデラの言った「こだま」の意味を考えている時のことです。
遠くに見えるマラバー丘陵が、自分の方へ優雅に近づいて、美しさに溢れました。
そして、全宇宙がひとつの丘のように見えた瞬間、彼の傍らをすり抜けたのです。
マラバー丘陵は、イギリス人の前に立ちはだかるインドの神秘性の象徴でしょうか。
そしてこの場面は、イギリス人がインド人を理解できないことを示しているのでは?
実際この体験の後、フィールディングは自分の人生についての自信が揺らぎました。
最後まで読むと、この場面が物語の上で、重要な伏線となっているのに気付きます。
さて、ラストもまた、とても象徴的で印象に残りました。
馬の遠乗りで出かけた帰り道で、急に大きな岩に邪魔されて・・・
さりげないシーンですが、いつまでも目に焼きついて離れません。
いつの日か、このふたりが本当の友となってほしいと、心から思いました。
さいごに。(設定、難しすぎ)
infobar から ifoneSE へ機種変更して、私もとうとうスマホデビューしました!
ところが、さまざまな初期設定が難しすぎて、なかなか使えるようになりません。
特に苦手なのは、「次の文字を正しく読み取って入力して」みたいなヤツです。
4と9、1と7、dとqの見分けがつきにくくて、何度も失敗しています。
イギリスとインド、異なる文化を持つ者たちに現れるさまざまな亀裂を描いています。
1924年刊行。フォースターの最後にして最大の傑作です。今回はその後半の紹介です。
アジズは、フィールディングと町に帰ってきたところを、突如逮捕されました。
先に帰ったアデラが、洞窟でアジズに襲われそうになった、と訴えていたからです。
イギリス人たちはアジズを犯人に決めつけ、インド人たちはアジズに味方しました。
チャンドラポワの町は、二つの人種の間で、一触即発の緊張した事態に陥りました。
その中で、フィールディングだけは、変わらずアジズの無実を信じていました。
彼はイギリス人のクラブを脱退し、仲間と縁を切って、インド人側についたのです。
一方アデラは、洞窟での体験以降、消えることのないこだまに悩まされていました。
もしかしたらあれは錯覚だったのか、と思った途端、こだまは小さくなるのでした。
ムア夫人は、裁判が始まる前に船に乗っていましたが、その途上で亡くなりました。
そして裁判当日、証言台に立ったアデラは、意外なことを口に出して・・・
というように、物語も半分を過ぎたところから、急に面白くなり始めました。
というか、ようやく本格的に物語が動き始めた、という感じです。
ところで前回、私は主人公をインド人のアジズだと述べましたが、違ったようです。
アジズは猜疑心が強く、やや狭量で身勝手な所もあり、主人公の器ではありません。
主人公はイギリス人のフィールディングのようです。彼は覚悟を持って行動します。
仲間のイギリス人を敵に回しても、自分の信念に従ってアジズの無実を訴えました。
フィールディングについて、とても印象に残っているシーンがあります。
それはベランダで、アデラの言った「こだま」の意味を考えている時のことです。
遠くに見えるマラバー丘陵が、自分の方へ優雅に近づいて、美しさに溢れました。
そして、全宇宙がひとつの丘のように見えた瞬間、彼の傍らをすり抜けたのです。
マラバー丘陵は、イギリス人の前に立ちはだかるインドの神秘性の象徴でしょうか。
そしてこの場面は、イギリス人がインド人を理解できないことを示しているのでは?
実際この体験の後、フィールディングは自分の人生についての自信が揺らぎました。
最後まで読むと、この場面が物語の上で、重要な伏線となっているのに気付きます。
さて、ラストもまた、とても象徴的で印象に残りました。
馬の遠乗りで出かけた帰り道で、急に大きな岩に邪魔されて・・・
さりげないシーンですが、いつまでも目に焼きついて離れません。
いつの日か、このふたりが本当の友となってほしいと、心から思いました。
さいごに。(設定、難しすぎ)
infobar から ifoneSE へ機種変更して、私もとうとうスマホデビューしました!
ところが、さまざまな初期設定が難しすぎて、なかなか使えるようになりません。
特に苦手なのは、「次の文字を正しく読み取って入力して」みたいなヤツです。
4と9、1と7、dとqの見分けがつきにくくて、何度も失敗しています。
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