デューン 砂の惑星3 [20世紀アメリカ文学]
「デューン 砂の惑星(下)」フランク・ハーバート作 酒井昭伸訳(ハヤカワ文庫)
砂の惑星アラキスに移ったアトレイデス家と、ハルコンネン家との闘いの物語です。
1965年刊。ハヤカワ文庫で全三巻。今回は下巻「第三部 砂の惑星」を紹介します。
ポールが、ムアッディブとしてフレメンに受け入れられてから、2年が経ちました。
ポールは守り神となってフレメンを統率し、母のジェシカは教母となっていました。
18歳のポールは巨大なワームに乗る儀式を終え、フレメンたちと南に向かいました。
そこで奇しくも、密輸業者として身を隠す旧友ガーニ―・ハレックと再会しました。
ところがガーニ―は、ジェシカを裏切り者だと思っていたので、殺そうとして・・・
ポールの見てきた予知の中に、このようなパターンはまったく無かったため・・・
「未来はーー灰色の暗雲に包まれた未来はーー沸きたつ焦点に向かって全宇宙が転が
っていく感覚とともに、ポールのまわりに幻影世界のごとくまとわりついている。」
(P172)
ポールは伝説のクウィサッツ・ハデラックなのか? いかにしてそれを証明するか?
ポール率いるフレメン軍団は、サーダカー五個軍団を相手に、どのように戦うのか?
帝王皇帝シャッダム四世との会見、演算能力者ハワトの最期、教母ガイアとの再会、
ハルコンネンとの最後の果し合い、そしてポールが皇帝となるための決断・・・
ラストは怒涛の展開です。ただし、あまりにも展開が急激すぎだと思いました。
最後はもう少し丁寧に描いてほしかったです。やや尻切れトンボのようでした。
ポールはメランジを握っているとはいえ、あまりにもあっさり主導権を握りました。
アトレイデス家を滅ぼした時の、男爵の用意周到さはどこへ行ってしまったのか?
また、皇帝の娘イルーランは、最後にほんのちょっと登場するだけでした。
しかし彼女もベネゲセリットであり、ポールの素質を一瞬で見抜くほどの人物です。
このあとイルーランはどうなるのか? そしてチェイニーはどうなるのか?
フレメンたちはどうなるのか? ポールは聖戦を防ぐことができるのだろうか?
良くも悪くも、読後にややもの足りなさがあり、もっと読みたいと感じさせます。
ぜひ続編の「デューン 砂の惑星 砂漠の救世主」も読んでみたいと思いました。
ところで、このハヤカワ文庫版は、2016年発行の新訳版です。
ところが「砂の惑星」は、この版が出る前まで何十年も絶版だったのだそうです。
アメリカのオールタイム・ベストで不動の第1位の本作が、長年絶版だったとは!
現在、この本がとても読みやすい新訳で刊行されて、我々は本当に幸せです。
さて、第三巻の最後に付録(報告書のようなもの)が三つついています。
ここまでを含めて小説です。この部分が意外に面白かったです。
特に「附録Ⅲ ベネ・ゲセリットの動機と目的に関する報告書」は興味深いです。
ここを読むと、人類よりさらに高次の力を持つ何者かがいることが分かるのです。
さいごに。(なんで体育委員?)
どのクラスも体育委員は運動神経抜群な人ばかりなのに、うちの娘も体育委員です。
ジャンケンで負けたため、一番どんくさいうちの娘が、クラスを仕切っています。
昨日の球技大会もつらかっただろうなあ。
バレーボールのサーブでは、ボールをまともに前に飛ばすこともできないのだから。
砂の惑星アラキスに移ったアトレイデス家と、ハルコンネン家との闘いの物語です。
1965年刊。ハヤカワ文庫で全三巻。今回は下巻「第三部 砂の惑星」を紹介します。
ポールが、ムアッディブとしてフレメンに受け入れられてから、2年が経ちました。
ポールは守り神となってフレメンを統率し、母のジェシカは教母となっていました。
18歳のポールは巨大なワームに乗る儀式を終え、フレメンたちと南に向かいました。
そこで奇しくも、密輸業者として身を隠す旧友ガーニ―・ハレックと再会しました。
ところがガーニ―は、ジェシカを裏切り者だと思っていたので、殺そうとして・・・
ポールの見てきた予知の中に、このようなパターンはまったく無かったため・・・
「未来はーー灰色の暗雲に包まれた未来はーー沸きたつ焦点に向かって全宇宙が転が
っていく感覚とともに、ポールのまわりに幻影世界のごとくまとわりついている。」
(P172)
ポールは伝説のクウィサッツ・ハデラックなのか? いかにしてそれを証明するか?
ポール率いるフレメン軍団は、サーダカー五個軍団を相手に、どのように戦うのか?
帝王皇帝シャッダム四世との会見、演算能力者ハワトの最期、教母ガイアとの再会、
ハルコンネンとの最後の果し合い、そしてポールが皇帝となるための決断・・・
ラストは怒涛の展開です。ただし、あまりにも展開が急激すぎだと思いました。
最後はもう少し丁寧に描いてほしかったです。やや尻切れトンボのようでした。
ポールはメランジを握っているとはいえ、あまりにもあっさり主導権を握りました。
アトレイデス家を滅ぼした時の、男爵の用意周到さはどこへ行ってしまったのか?
また、皇帝の娘イルーランは、最後にほんのちょっと登場するだけでした。
しかし彼女もベネゲセリットであり、ポールの素質を一瞬で見抜くほどの人物です。
このあとイルーランはどうなるのか? そしてチェイニーはどうなるのか?
フレメンたちはどうなるのか? ポールは聖戦を防ぐことができるのだろうか?
良くも悪くも、読後にややもの足りなさがあり、もっと読みたいと感じさせます。
ぜひ続編の「デューン 砂の惑星 砂漠の救世主」も読んでみたいと思いました。
デューン 砂漠の救世主〔新訳版〕 上 デューン・シリーズ (ハヤカワ文庫SF)
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2023/04/15
- メディア: Kindle版
ところで、このハヤカワ文庫版は、2016年発行の新訳版です。
ところが「砂の惑星」は、この版が出る前まで何十年も絶版だったのだそうです。
アメリカのオールタイム・ベストで不動の第1位の本作が、長年絶版だったとは!
現在、この本がとても読みやすい新訳で刊行されて、我々は本当に幸せです。
さて、第三巻の最後に付録(報告書のようなもの)が三つついています。
ここまでを含めて小説です。この部分が意外に面白かったです。
特に「附録Ⅲ ベネ・ゲセリットの動機と目的に関する報告書」は興味深いです。
ここを読むと、人類よりさらに高次の力を持つ何者かがいることが分かるのです。
さいごに。(なんで体育委員?)
どのクラスも体育委員は運動神経抜群な人ばかりなのに、うちの娘も体育委員です。
ジャンケンで負けたため、一番どんくさいうちの娘が、クラスを仕切っています。
昨日の球技大会もつらかっただろうなあ。
バレーボールのサーブでは、ボールをまともに前に飛ばすこともできないのだから。
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