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美の旅人 フランス編1 [哲学・歴史・芸術]

 「美の旅人 フランス編Ⅰ~Ⅱ」 伊集院静 (小学館文庫)


 作家の伊集院静が「一枚の素晴らしき絵画」を求めて、芸術の都パリを巡ります。
 98~2001年に週刊ポストに連載された記事です。スペイン編に続く第二弾です。


美の旅人 フランス編 (1) (小学館文庫)

美の旅人 フランス編 (1) (小学館文庫)

  • 作者: 静, 伊集院
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/10/06
  • メディア: 文庫



美の旅人 フランス編 (2) (小学館文庫)

美の旅人 フランス編 (2) (小学館文庫)

  • 作者: 静, 伊集院
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2010/11/05
  • メディア: 文庫



 16世紀にフランソワ1世がフランスを統一し、イタリアとの戦争にも勝利しました。
 王はダ・ヴィンチなどの画家をフランスに呼び寄せ、フランス美術が発展しました。

 17世紀には、ニコラ・プッサン、クロード・ロラン、ラ・トゥールらが出ました。
 18世紀には、ジャン・オノレ・フラゴナール、シメオン・シャルダンらが出ました。 

 そして、19世紀のナポレオンの時代、再びイタリア・ルネサンスが見直されました。
 ジャック=ルイ・ダヴィッドやドミニク・アングルら、新古典主義が流行しました。

 その潮流に対抗した反体制の画家が、ロマン主義のウジェーヌ・ドラクロワらです。
 この時代の最後には、カミーユ・コローが出て、のちの印象派へ橋渡しをして・・・ 

 というように、フランス絵画の流れをきちんとたどりながら解説してくれています。
 16世紀から現代までの絵画の歴史を、代表作の図版を見ながら学ぶことができます。

 私はプルーストを読んでいて、フランス絵画の知識が必要だと思い手に取りました。
 特にプルーストでは、シャルダンの図版が多く出てきたので、参考になりました。

 伊集院の語り口調は優しく、様々な知識を分かりやすく教えてくれる点が良いです。
 また、分かりやすい絵画が良い絵画である、という考え方にも私は共感できました。

 さて、私にとって最も興味深かった絵画は、「浴槽の2人の貴婦人」です。
 1594年ころの作品で、作者は「フォンテーヌブロー派」としか分かっていません。

 浴槽に裸の貴婦人がふたりいて、ひとりがもうひとりの乳首をつまんでいる絵です。
 「なんじゃ?」と言いたくなる絵ですが、ちゃんと意味があるのだそうです。

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 乳首をつままれている方は王の愛人で、彼女は王の子を・・・
 そして、二人の背後にいる侍女が刺繍しているのは・・・

 この本を読んで良かったのは、クロード・ロランというお気に入りができたことです。
 早朝や夕暮れの港を描いた絵が、いずれも素晴らしい。特に、海と空の色が良いです。

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 しかし、やはり、絵画は文庫本ではなくて、もっと大きな本で見たいです。
 できれば本物をじっくり時間をかけて鑑賞したいものです。

 地元の美術館にも、森の風景なのですが、クロード・ロランの作品がありました。
 常設展示されているようでしたら、休日を利用して見に出かけたいです。

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 ここまで、「美の旅人 フランス編」全3巻中、第2巻の半ばまでを紹介しました。
 第2巻の後半から、印象派の絵画になります。次回からも楽しみです。

 さいごに。(ココナッツサンド・アイス)

 アイスを食べる機会が増えました。マイ・ブームは、ココナッツサンド・アイス。
 ココナッツサブレに、バニラアイスがサンドされています。シンプルだけどうまい。

 うちは、近所のスーパーなどで買ってきます。ぜひ見かけたら、食べてみてほしい。
 アマゾンだと割高な上、配送料がかかるので、ぜひ近所のスーパーで探して下さい。





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