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仏像のみかた・仏像~そのプロフィル~(保育社カラ―ブックス) [哲学・歴史・芸術]

 「仏像のみかた」 入江泰吉・關信子 共著 (保育社カラ―ブックス)
 「仏像~そのプロフィル~」 入江泰吉・青山茂 共著 (保育社カラ―ブックス)


 「仏像のみかた」は、多くの図版を通して、仏像の時代ごとの特徴を解説しています。
 「仏像~そのプロフィル~」は、如来・菩薩・王・天など種類ごとに解説しています。

 
仏像のみかた (カラーブックス 455)

仏像のみかた (カラーブックス 455)

  • 出版社/メーカー: 保育社
  • 発売日: 1979/01/01
  • メディア: 文庫



仏像 そのプロフィル (カラーブックス 111)

仏像 そのプロフィル (カラーブックス 111)

  • 出版社/メーカー: 保育社
  • 発売日: 2024/02/13
  • メディア: 文庫



 大学3年で仏像の魅力にはまり始めたころ、私にとってこの2冊はバイブルでした。
 保育社カラ―ブックスという手のひらサイズの本で、私は仏像の基本を学びました。

 この本は、2冊でワンセットです。内容の説明は、こう言えば充分でしょう。
 「仏像のみかた」ではその歴史を、「そのプロフィル」ではその種類を学べる、と。

 さらに素晴らしいのは、入江泰吉の美しい仏像写真が、多く挿入されている点です。
 小さいけれど贅沢な本です。昭和60年代、この本がたった500円ほどで買えたとは!

 「一部の人の手にしか入らない豪華本ではなく、手軽に買えて、しかも内容は豪華本
 に負けず美しく、楽しみながら仏像の基礎がわかるような本を作ってみたいというぜ
 いたくな望みを持った。」(「仏像~そのプロフィル~」の「はしがき」より)

 以上の言葉から、明確な目的とプライドを持って本が作られたことが分かります。
 ああ、古き良き時代よ。本というものが尊ばれ、信頼されていた懐かしき時代よ・・・

 結婚後は奈良に行く機会はなく、一緒に仏像巡りをしてくれる人もいませんでした。
 そのため、この本たちも手に取ることがなく、押し入れの奥で忘れられていました。

 日帰りの奈良旅行を計画した昨年末、私はこの本を発掘し、再会を果たしました。
 仏像の基本をおさらいするのにちょうど良かったです。残っていて良かったです。

 保育社カラーブックスの良いところは、小さくて手軽に持ち運べるところです。
 その割に内容が濃くて、奈良通いで持ち歩くうちにボロボロになってしまいました。

 特に「仏像のみかた」は、私の記憶が正しければ、2度買い直しています。
 1冊目はすでに失く、2冊目の平成4年版と3冊目の平成11年版が手元にあります。

 そして、カラーブックスの唯一の欠点は、ページが離れやすいところでしょうか。
 何度も見たページはいつのまにか切り離されるので、どこかに落としてしまいます。

 平成4年版の「仏像のみかた」は、7~10ページがテープでとめてありました。
 法隆寺百済観音と、中宮寺半跏思惟像のページです。このページを何度見たことか!

 さて、保育社カラーブックスは、1962年に文庫サイズの小百科として始まりました。
 最初は1冊200円だったとか。そして1999年までに909点が刊行されたと言います。

 入江泰吉では、ほかに「法隆寺」など「奈良の寺」シリーズ(全7巻)があります。
 今ではもちろんすべて絶版ですが、もしどこかで安く売っていたら買いたいです。


法隆寺 (カラーブックス 180)

法隆寺 (カラーブックス 180)

  • 出版社/メーカー: 保育社
  • 発売日: 2024/02/13
  • メディア: 文庫



 保育社カラーブックスを読んだら、次にもう少し詳細な解説本に進みたいです。
 色々出ていますが、「日本仏像史講義」や「日本の仏像」などの新書が良いのでは?


新書775日本仏像史講義 (平凡社新書 775)

新書775日本仏像史講義 (平凡社新書 775)

  • 作者: 山本 勉
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2015/05/15
  • メディア: 新書



日本の仏像―飛鳥・白鳳・天平の祈りと美 (中公新書 1988)

日本の仏像―飛鳥・白鳳・天平の祈りと美 (中公新書 1988)

  • 作者: 長岡 龍作
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2009/03/01
  • メディア: 新書



 さいごに。(大仏も良かったが)

 東大寺の大仏は本当に大きくて迫力がありました。奈良時代によく作ったものです。
 それにしてもうちの娘は、奈良まで来て大仏様を見なかったとは!

 しかし、同じぐらい印象に残ったのは、東大寺ミュージアムで見た誕生仏でした。
 これが、実にかわいらしかったのです。うちにもひとつほしかった!

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