小公子 [19世紀アメリカ文学]
「小公子」 F・H・バーネット作 川端康成訳 (新潮文庫)
突然跡取りとなった少年セドリックが、祖父伯爵のかたくなな心を癒す物語です。
1886年に出た児童文学の傑作です。私は、川端康成訳の新潮文庫版で読みました。
名作なのでさまざまな訳が出ています。講談社からは村岡花子訳も出ています。
文庫本では、羽田訳の角川文庫版や、土屋訳の古典新訳文庫版もオススメです。
アメリカ生まれのセドリックは、7歳の天真爛漫な少年で誰からも好かれています。
母と二人暮らしでしたが、靴磨きのディックや、ホップス氏などの友達がいました。
ある日ひとりの弁護士が来て、セドリックを小公子フォントルロイ様と呼びました。
祖父のドリンコート伯爵の息子たちが死んで、セドリックが跡継ぎになったのです。
セドリックは伯爵のお城で暮らすために、母とともにイギリスに渡りました。
純真で無邪気なセドリックと接するうちに、意地悪な伯爵の心はしだいに変化し・・・
「本当に、世の中で、親切な心ほど強いものはない。その親切を、子どもの心は、か
わいく、すっぽりと包んでいるのだ。」(P146)
ここに、作者バーネットの言いたいことが表れているように思えます。
そして、セドリックの優しい思いやりにあふれた心が、物語の魅力となっています。
ここで忘れてはいけないのが、セドリックの美しい心を育てた母親の存在です。
つらい境遇に耐えながらも、決して美しい心を失わない母は、たいへん印象的です。
そして、伯爵が母と和解する場面は感動的です。
その和解の場面をもたらすのが、あのペテン師たちの事件です。
終盤に登場する小悪党たちは、物語を面白くするだけでなく重要な意味を持ちます。
ここで、ディックやホップス氏たちが再登場して、活躍してくれるのも嬉しいです。
さて、「小公子」は、同じバーネット作の「小公女」とワンセットです。
ともに1980年代に「世界名作劇場」で放映されました。
「小公女セーラ」については、私は子供のころに家族で見ていました。
逆境に負けず、常に気高く優しく振舞うセーラの姿は、とても印象に残っています。
「小公女」も名作なので、さまざまな訳が出ています。私はまだ読んでいませんが。
文庫本では、羽田訳の角川文庫版や、土屋訳の古典新訳文庫版などが良いようです。
さいごに。(もう一度奈良へ)
先日の奈良ツアーでは、時間が足りなかったです。
せっかく東大寺に行きながら、法華堂も戒壇院も見られませんでした。
妻も娘もそれなりに満足したようですが、仏像マニアの私には物足りなかったです。
また行きたいです。今度は一泊して、薬師寺や唐招提寺にも足を伸ばしたいです。
突然跡取りとなった少年セドリックが、祖父伯爵のかたくなな心を癒す物語です。
1886年に出た児童文学の傑作です。私は、川端康成訳の新潮文庫版で読みました。
名作なのでさまざまな訳が出ています。講談社からは村岡花子訳も出ています。
文庫本では、羽田訳の角川文庫版や、土屋訳の古典新訳文庫版もオススメです。
アメリカ生まれのセドリックは、7歳の天真爛漫な少年で誰からも好かれています。
母と二人暮らしでしたが、靴磨きのディックや、ホップス氏などの友達がいました。
ある日ひとりの弁護士が来て、セドリックを小公子フォントルロイ様と呼びました。
祖父のドリンコート伯爵の息子たちが死んで、セドリックが跡継ぎになったのです。
セドリックは伯爵のお城で暮らすために、母とともにイギリスに渡りました。
純真で無邪気なセドリックと接するうちに、意地悪な伯爵の心はしだいに変化し・・・
「本当に、世の中で、親切な心ほど強いものはない。その親切を、子どもの心は、か
わいく、すっぽりと包んでいるのだ。」(P146)
ここに、作者バーネットの言いたいことが表れているように思えます。
そして、セドリックの優しい思いやりにあふれた心が、物語の魅力となっています。
ここで忘れてはいけないのが、セドリックの美しい心を育てた母親の存在です。
つらい境遇に耐えながらも、決して美しい心を失わない母は、たいへん印象的です。
そして、伯爵が母と和解する場面は感動的です。
その和解の場面をもたらすのが、あのペテン師たちの事件です。
終盤に登場する小悪党たちは、物語を面白くするだけでなく重要な意味を持ちます。
ここで、ディックやホップス氏たちが再登場して、活躍してくれるのも嬉しいです。
さて、「小公子」は、同じバーネット作の「小公女」とワンセットです。
ともに1980年代に「世界名作劇場」で放映されました。
「小公女セーラ」については、私は子供のころに家族で見ていました。
逆境に負けず、常に気高く優しく振舞うセーラの姿は、とても印象に残っています。
「小公女」も名作なので、さまざまな訳が出ています。私はまだ読んでいませんが。
文庫本では、羽田訳の角川文庫版や、土屋訳の古典新訳文庫版などが良いようです。
さいごに。(もう一度奈良へ)
先日の奈良ツアーでは、時間が足りなかったです。
せっかく東大寺に行きながら、法華堂も戒壇院も見られませんでした。
妻も娘もそれなりに満足したようですが、仏像マニアの私には物足りなかったです。
また行きたいです。今度は一泊して、薬師寺や唐招提寺にも足を伸ばしたいです。