新世界より [日本の現代文学]
「新世界より(上・中・下)」 貴志祐介 (講談社文庫)
1000年後の日本を舞台に、呪力を持った人々の世界を描いた、長編SF小説です。
2008年に刊行され、日本SF大賞を受賞し、2012年にはアニメが放映されました。
舞台は今から1000年後の日本のある町で、人々は生まれながら呪力を持っています。
ミノシロという巨大な芋虫や、化けネズミという人型ネズミなどが生息しています。
また、町はしめ縄で囲われていて、子どもはその外へ出ることを禁じられています。
しめ縄の中は呪力で守られていますが、外には悪鬼などがいて危害を加えられます。
渡辺早季は、12歳で呪力を授かると、儀式を受けて「全人学級」に進級しました。
儀式では、自分の呪力を封印して、新たに真言(マントラ)を与えられました。
全人学級では、小学校時代の友人秋月真理亜、朝比奈覚、青沼瞬と再会しました。
この3人のほか、伊東守、天野麗子を合わせて6人が第一班を形成していました。
学校では班ごと行動しますが、呪力で劣る麗子はいつのまにかいなくなりました。
また、競技会で規則を破った片山学もまた、いつのまにかいなくなっていました。
どうやらこの社会に適応しない子供たちは、どんどん排除されるらしいのです。
そして、そういった残酷なシステムは、子どもたちの目から巧みに隠されています。
夏季キャンプでは、各班がカヌーで利根川を進み、野営することになっていました。
5人は禁じられていた区域に立ち入り、そこで「悪魔のミノシロ」に遭遇しました。
しかし、それはミノシロに偽装していた国立国会図書館つくば館だったのです。
彼らは「悪魔のミノシロ」に問いかけ、大人たちが禁じていた知識を得ました。
サイコキネシス(PK)の発展、PKによる無差別テロ、PK能力者に対する弾圧、
PK能力者の逆襲と政府の瓦解、人口の激減、PK能力者による支配と腐敗・・・
5人の少年たちは、この1000年の血なまぐさい歴史を初めて知り、驚愕しました。
そこで離塵師に出会ったことで、化けネズミの戦闘に巻き込まれることになり・・・
ひとりの強力な呪力者が、核兵器にも匹敵する力を持つ、という事実。
人類は強力な呪力を持つと、その使用を抑制できなくなる、という現実。
そのためにあみ出された「愧死機構」と、不適応者を排除する異常な教育制度。
読みだしたら止まりません。どっぷりとこの異様な世界に入り込みます。
ただし、この世界観は読む人を選びます。私にとっては、少し気持ち悪かったです。
SFファンタジーのつもりで読み始めたのに・・・これはホラー小説ですよ。
もうひとつ人を選ぶ理由があります。それは、物語があまりにも長すぎることです。
講談社文庫では三分冊で1500ページ近く。その半分だったら全部読めたのですが。
私は第二章「夏闇」(中巻の途中)で諦めました。全6章なので、約3分の1です。
しかし、そのあとの展開と結末は気になります。では、どうしたか?
実は、Uネクストでアニメ(全25話)を見たのです。(それなら原作を読めよ!)
アニメは割と原作に忠実でした。ちなみに、1.6倍で見たので時短にはなりました。
ところで、彼らが14歳になると、話がさらに暗く気味悪くなって・・・
悪鬼とは何か? 業魔とは何か? 彼らが26歳になったときに大惨事が・・・
さいごに。(ドヴォルザークの「新世界より」)
「『新世界より』と言ったら、ドヴォルザークだろ」、と言う人も多いでしょう。
この小説の題名も、ドヴォルザーク「新世界より」の第2楽章から付けられました。
ドヴォルザークの交響曲では、第2楽章と第4楽章がとても有名です。
しかし、私は第1楽章が好きです。特に50秒ぐらいのところからが超カッコいい!
1000年後の日本を舞台に、呪力を持った人々の世界を描いた、長編SF小説です。
2008年に刊行され、日本SF大賞を受賞し、2012年にはアニメが放映されました。
舞台は今から1000年後の日本のある町で、人々は生まれながら呪力を持っています。
ミノシロという巨大な芋虫や、化けネズミという人型ネズミなどが生息しています。
また、町はしめ縄で囲われていて、子どもはその外へ出ることを禁じられています。
しめ縄の中は呪力で守られていますが、外には悪鬼などがいて危害を加えられます。
渡辺早季は、12歳で呪力を授かると、儀式を受けて「全人学級」に進級しました。
儀式では、自分の呪力を封印して、新たに真言(マントラ)を与えられました。
全人学級では、小学校時代の友人秋月真理亜、朝比奈覚、青沼瞬と再会しました。
この3人のほか、伊東守、天野麗子を合わせて6人が第一班を形成していました。
学校では班ごと行動しますが、呪力で劣る麗子はいつのまにかいなくなりました。
また、競技会で規則を破った片山学もまた、いつのまにかいなくなっていました。
どうやらこの社会に適応しない子供たちは、どんどん排除されるらしいのです。
そして、そういった残酷なシステムは、子どもたちの目から巧みに隠されています。
夏季キャンプでは、各班がカヌーで利根川を進み、野営することになっていました。
5人は禁じられていた区域に立ち入り、そこで「悪魔のミノシロ」に遭遇しました。
しかし、それはミノシロに偽装していた国立国会図書館つくば館だったのです。
彼らは「悪魔のミノシロ」に問いかけ、大人たちが禁じていた知識を得ました。
サイコキネシス(PK)の発展、PKによる無差別テロ、PK能力者に対する弾圧、
PK能力者の逆襲と政府の瓦解、人口の激減、PK能力者による支配と腐敗・・・
5人の少年たちは、この1000年の血なまぐさい歴史を初めて知り、驚愕しました。
そこで離塵師に出会ったことで、化けネズミの戦闘に巻き込まれることになり・・・
ひとりの強力な呪力者が、核兵器にも匹敵する力を持つ、という事実。
人類は強力な呪力を持つと、その使用を抑制できなくなる、という現実。
そのためにあみ出された「愧死機構」と、不適応者を排除する異常な教育制度。
読みだしたら止まりません。どっぷりとこの異様な世界に入り込みます。
ただし、この世界観は読む人を選びます。私にとっては、少し気持ち悪かったです。
SFファンタジーのつもりで読み始めたのに・・・これはホラー小説ですよ。
もうひとつ人を選ぶ理由があります。それは、物語があまりにも長すぎることです。
講談社文庫では三分冊で1500ページ近く。その半分だったら全部読めたのですが。
私は第二章「夏闇」(中巻の途中)で諦めました。全6章なので、約3分の1です。
しかし、そのあとの展開と結末は気になります。では、どうしたか?
実は、Uネクストでアニメ(全25話)を見たのです。(それなら原作を読めよ!)
アニメは割と原作に忠実でした。ちなみに、1.6倍で見たので時短にはなりました。
ところで、彼らが14歳になると、話がさらに暗く気味悪くなって・・・
悪鬼とは何か? 業魔とは何か? 彼らが26歳になったときに大惨事が・・・
さいごに。(ドヴォルザークの「新世界より」)
「『新世界より』と言ったら、ドヴォルザークだろ」、と言う人も多いでしょう。
この小説の題名も、ドヴォルザーク「新世界より」の第2楽章から付けられました。
ドヴォルザークの交響曲では、第2楽章と第4楽章がとても有名です。
しかし、私は第1楽章が好きです。特に50秒ぐらいのところからが超カッコいい!