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「世界文学全集」について [その他・雑感]

 「世界文学全集」について


 河出書房から「世界文学全集」が出ていることは、知っていました。
 しかし、書店で手に取ることは、ありませんでした。

 文庫本好きの私は、書店へ行っても、文庫コーナーしか見ないからです。

 先月、第Ⅲ集の6巻の刊行が始まったと聞きました。
 第Ⅰ集と第Ⅱ集を合わせると、全30巻になるようです。

 そこで初めて、どんな作品が収録されているかと、見てみたのですが…
 無い、無い、無いのです。

 スタンダールも無い、バルザックも無い、フロベールも無い、ユゴーも無い。
 ディケンズも無い、ブロンテ姉妹も無い、ドストエフスキーもトルストイも無い。

 つまり、19世紀の傑作が、何も無いのです!
 びっくりです。何かの間違いじゃないのですか?

 編者の池澤夏樹氏は、「世界文学全集宣言」(!)の中で、こう言ってます。
 「敢えて古典を外し、もっぱら二十世紀後半から名作を選んだ」

 なるほど。いいでしょう。
 でも、それなら、タイトルを「現代・世界文学全集」にして下さいよ。

 世界文学全集の収録作品は、以下のページで見られます。
 http://www.kawade.co.jp/sekaibungaku/list/01.html

 正直に言って、私は、ラインナップを見ただけで、興味が失せました。

 しかし、こういう偏った編集は、それなりに面白いし、意味もあります。
 池澤氏の、自分だけの全集を作ろうとする気持ちは、共感できます。

 私も、自分だけの文学全集を作りたいと考えて、このブログを始めました。
 でも、私だったら、19世紀文学を中心にして、全集を作りますよ。

 自分が好きな作品を、自分が好きな訳者で、集めていきます。
 もちろん、すべて文庫本でそろえますとも!

 ああ、そうか! ここまで来て、突然分かりました。
 古典的小説は、「古典新訳文庫」で、新訳が出てるじゃないですか。

 多くの世界文学ファンが、手軽な古典新訳文庫を、既に楽しんでいます。
 もし、同じ作品を収録したら?
 1冊2500円前後の「世界文学全集」を、わざわざ買うわけがありません。

 さて、河出書房「世界文学全集」を全て揃えると、いくらになるのでしょうか。
 やや安く仮定して、1冊平均2500円としても、30冊で約75000円です。

 しかも、その中には、自分にとってどうでもいい作品も、含まれています。
 (例えば第Ⅰ集の第1巻は「オン・ザ・ロード」! これ、本当に名作?)

 75000円あれば、文庫本だと、100冊から120冊は買えます。
 それなら、私は、好きな作品だけ、好きな訳で、100冊揃えたい。

 このブログで紹介している文庫本は、私だけの文学全集の候補作です。
 現在、着々と進行中。
 これが私の、人生のささやかな楽しみなのです。

 ところで、今、ブログのタイトルを再考中です。
 「文庫でつくる文学全集」の方が、分かりやすいかと。
 または、「文庫で読む名作文学」とか。

 さいごに。

 昨日、家族でシリトリをしたのですが…
 私が「スイカ」、妻が「カンジ(漢字)」、娘はすかさず「ジンセイ(人生)」!

 それにしても、まさか、「人生」と来るとは。
 記憶が正しければ、「シンドバットの冒険」で、人生という言葉が出ました。
 それを、覚えていたようです。

 もうすぐ4歳になりますが、この時期の記憶力はすごいですね。
 どんどん語彙を増やしていきます。

シンドバッドの冒険 (大型絵本)
 ルドミラ・ゼーマンの絵は、
 きれいで迫力があります。
 同じ作者の「ギルガメシュの冒険」も、
 娘は大好きです。
 斉藤孝氏も、絶賛していました。

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風邪で我が家は総倒れ [その他・雑感]


 岐阜旅行から帰ってから、家族全員、風邪で総倒れしました。

 最初に娘が高熱を出し、次に妻、娘から3日遅れて私が感染しました。



 先週木曜日に背筋がゾクゾクきて早退し、金曜日の午前は休みました。

 風邪で有休を使うなんて、5年ぶりぐらいのことです。もったいない。

 その後、薬を服用して、症状を抑えていますが、とてもしつこい風邪です。



 初日は寒気と高熱、二日目は頭痛、三日目はだるさ、四日目は腹痛、

 五日目からは咳というように、日替わりメニューで襲われています。

 仕事には行っていますが、喉が痛み、咳が出るためマスク着用です。

 このさわやかな季節に、マスクして働くなんて・・・



 風邪をひいてから、私は、毎晩8時半に寝て、6時半に起きています。

 休息が大事ですから、意識して睡眠時間を10時間とっています。

 更に、土曜は午前中ずっと、日曜は午後中ずっとベッドで休みました。

 こういう事情で、しばらくの間、全くパソコンを開けられませんでした。

 今日は久々に、早起きして、記事を書いています。


 
 ところで、今回の記事は、なんと50回目なのです。

 ひとつの区切りなので、これまで、紹介した本を振り返ってみました。

 すると、19世紀の仏文学に集中していることが、改めて分かりました。

 それもそのはずで、大好きなスタンダールを取り上げた辺りから、

 最初は無意識に、その後は半ば意識的に、紹介してきたからです。



 19世紀のフランスの小説を、時代順に整理してみましょう。

 1830年代 スタンダール「赤と黒」「パルムの僧院」
         バルザック「ゴリオ爺さん」「谷間の百合」
         ゴーティエ「モーパン嬢」

 1840年代 デュマ「三銃士」「モンテクリスト伯」
         デュマ・フィス「椿姫」
         メリメ「カルメン」

 1850年代 フローベール「ボヴァリー夫人」

 1860年代 ユゴー「レ・ミゼラブル」
         フローベール「感情教育」

 1870年代 ゾラ「居酒屋」「ナナ」

 1880年代 モーパッサン「女の一生」



 スタンダールに始まりモーパッサンに終わるこの時代は、大小説時代です。

 私達は幸せです。これらの小説を、わずか数百円で味わえるのですから。

 中でも私の大のお気に入りは、「赤と黒」と「パルムの僧院」です。

 あらためて紹介しちゃいましょう。

赤と黒 (上) (新潮文庫)








パルムの僧院 (上) (新潮文庫)








 どちらも、読んで良し、飾って良し、しかも良心的な値段です。

 文庫本の模範的存在。すべての人が持つべき本だとさえ思います。



 ところで、これらの作品に先だって、心理小説の伝統を作った作品があります。

 スタンダールより150年も前の、ラファイエット夫人「クレーヴの奥方」です。

 現在、岩波文庫版で、初めて読んでいるのですが、実に面白い!

 しかし、風邪を引いてからというもの、1週間近く中断しています。

 早く風邪を治して続きを読みたいです。

10歳おまけして生きています [その他・雑感]


 先日、43歳になりました。

 しかし私は、10歳おまけして生きているので、33歳のつもりでいます。

 妻もよく理解してくれていて、「33歳、おめでとう」と言ってくれました。



 10歳おまけのきっかけは、40歳でのマスターズ陸上への参戦でした。

 このレースは、例えば40歳~44歳というように、年齢別に分かれています。

 ですから、40歳の自分が30歳のつもりで走れば、絶対に勝つと考えたのです。



 「何をばかな!」と思われるかも知れませんが、意外なほど効果がありました。

 マスターズで優勝できたばかりか、タイムは数年間で一番良かったのです。

 気持ちって、重要ですよね。「思いが人生を作る」というのは、本当だと思います。



 10歳若いつもりになるには、ちょっとしたコツがいります。

 10歳おまけするための、タイミングがあるのです。それは、大台に乗る時です。



 例えば39歳から40歳になる時には、何となく不自然な感じがします。

 今まで体験したことの無い40代に突入するのです。ちょっと抵抗があります。

 むしろ、39歳から30歳になる方が、不自然な感じがしないものです。

 今までなじんできた30代をやり直すわけです。あまり抵抗がありません。

 ですから、大台に乗る時は、10歳おまけする絶好のタイミングなのです。



 例えば、42歳から33歳になるというのは、とても無理な気がします。

 しかし、39歳から30歳になるというのは、さほど無理な気がしません。



 私は、このタイミングを逃さないように、3ヶ月前に綿密な計画を立てました。

 毎朝手帳に、「30歳まで〇日」というように書き込んだのです。

 このイメージトレーニングのおかげで、39歳から30歳に自然に移行しました。



 そして、その後しばらく、手帳に毎朝「30歳100日」とか「31歳20日」などと、

 10歳おまけした年齢を書き続け、その年齢のイメージを常に保ってきました。

 そして、今ではすっかり、ある種の境地に達しました。(笑)

 4月に職員調書を記入する時、思わず「32歳」と書いていたのです。(おばか)



 それにしても不思議なことに、10歳おまけを始めてから、体がよく動くのです。

 陸上のタイムも、年をとるたびに、逆に良くなってきています。

 ですから、多くの人にもやってほしいと考えて、手帳を作っている某社に、

 「10歳おまけする手帳」の提案書を送ったのですが、軽く無視されました。

 まあ、それも仕方がありません。

 うちの妻でさえ、私の勧めに従わず、未だに10歳おまけしてないのですから。



 今後私は、実際の年齢で80歳になったら、更に10歳おまけする予定です。

 そして目標は、「100まで生きて80で死ぬ」です。享年100歳でも80歳!



 ところで、私は書く行為や書いたことには、パワーがあると思っています。

 「手帳に夢を書いて実現しよう」というような本を、書店で多数見かけます。

 今日は、その中でも、私のとっておきの本を2冊だけ、紹介いたします。



 1冊目は、中山庸子「『夢ノート』のつくりかた」です。

「夢ノート」のつくりかた―あなたの願いが、きっとかなう (PHP文庫)
 「夢ノート」というのがユニークです。
 ほかにも生活を豊かにする様々な提案がされています。
 ただし、PHP文庫版は手に入りません。
 単行本なら購入可能です。
 「夢ノート」シリーズは他にも多数出ています。


 2冊目は、西田文郎「No1理論」(知的生き方文庫)です。

No.1理論―「できる自分」「強気の自分」「幸せな自分」 (知的生きかた文庫)
 西田氏はメンタルトレーニング界のカリスマです。
 私は15年ほど前、西田氏のワークショップに、
 5万円ほど出して出席しました。
 そのとき学んだことの多くが、
 惜しげもなく書かれてあります。
 そういう意味で、560円は安すぎ!



 最後に。

 土日に、家族旅行をかねて、岐阜で行われた陸上の大会に出場しました。

 実業団の大会ですので、参加者は社会人だけで、少ないのですが、

 全日本実業団大会につながるため、なかなかハイレベルでした。

 娘が見ている前で、はりきって走ったのですが、あっけなく予選落ちでした。

 その時娘は、「パパ、負けたの? かわいそうだね」と、言ったとのこと。

 3歳の娘に同情してもらって、嬉しいような、悲しいような・・・

 ところで、泊まったのは、旅籠屋土岐店という、ファミリーロッジです。

 旅籠屋(はたごや)はチェーン店で、家族で安く泊まれるため、オススメです。

 ちなみに土岐店の管理人は、柔道式のあいさつ(こぶしを腰に当てた礼)が

 身にしみついていて、見ていて、ほほえましかったです。

母の日に「バムとケロ」をあげたこと [その他・雑感]

 「バムとケロのにちようび」ほか 島田ゆか (文渓堂)



 「バムとケロ」という、全6冊の絵本シリーズがあります。

 仲良しの、バム(犬)とケロ(カエル)の、奇想天外な日常です。

 なんといっても絵が、とてもかわいくて、多くのファンがいます。



 二人の家の家具など、ちょっとした物が、とても凝っています。

 例えば、ケロの形をした椅子や傘や、犬の形をした風呂など、

 本当にこんな物があったらいいな、と思うような物ばかりです。



 うちのママさんも、「バムとケロ」のファンの一人です。

 この絵本のうち、3冊が小型絵本となって出ました。

 文庫本より、一回り大きいサイズで、値段も手頃になりました。



 大型本だと、どの本棚にも入らなくて、敬遠してしまいますが、

 このサイズだとそのような心配もありません。

 さっそく3冊購入して、昨日の母の日に、娘を通して贈りました。

小型絵本 バムとケロのにちようび せっかくバムが、家を掃除をしたのに、
 いきなり泥だらけで入ってくるケロ。
 最初から笑わせてくれます。
 シリーズ最初の作品です。




小型絵本 バムとケロのそらのたび 飛行機を作っておじいちゃんの家に向かいますが・・・
 男心をくすぐるような内容です。
 シリーズ中、私が一番好きな作品です。





小型絵本 バムとケロのおかいもの いちばで売っているものが面白いです。
 三冊中、ママさんが最も気に入っている作品です。





 作者の島田ゆかさんは、パッケージデザインを描いていました。

 だから、どの絵も丁寧に描かれていて、おしゃれで、かわいいです。

 作者のHPは、絵本の中がのぞけますので、オススメです。



 さいごに。

 娘には、母の日に「バムとケロ」を、ママにあげることは、

 絶対に秘密だと、何度も念を押したのですが、

 その日の夕飯の時に、早くもばらしてしまいました。 

 そのため、当日のサプライズにはならなかったのです。



 また、本屋に行った時は、「バムとケロ」そっちのけで、

 自分の絵本を買いたいと、ダダをこね始めました。

 結局、付録つきの児童雑誌も買わされるはめに・・・ 

 でも、仕方ありません。まだ3歳なのですから。

県中部の陸上選手権で準優勝しました [その他・雑感]

 実は、陸上競技が好きで、今でもやっています。

 中学生から始め、高校でも、大学でも陸上部に入り、
 社会人になってからも、ずっと続けているのです。
 専門の種目は、400mと、400mハードルです。

 土曜日に、県中部の陸上選手権があり、
 400mハードルに出場しました。
 高校生や大学生の陸上部員に囲まれて、
 私ひとりだけ、42歳のおじさんです。

 この年になると、出るだけで「すごい」と言われるのに、
 この日は調子が良くて、予選3組目を1位で通過。

 そして決勝では、前半からリズムに乗り、
 中盤で、少し無理をして、トップに立ちました。
 最後はヘロヘロで、あと10mの所で、高校生に抜かれ、
 0.06秒差で2位。でも、悔いのないレースでした。

 私の強みは、ハードル間を全て15歩で行くことです。
 多くの選手が、後半16歩や17歩に切り替えます。
 私は無理して15歩でいくため、中盤で前に出ますが、
 最後は全身がしびれてきて、脚が動かなくなります。

 この大会で、表彰台は、なんと9年ぶり。
 去年は予選落ち、一昨年は怪我で棄権でした。
 33歳で3位に入った時は、もう表彰台は最後だと
 思っていました。まさか、再びこんな日が来るとは・・・

 昨日は、職場で、「高校生も大学生も抑えて2位」と、
 皆に、存分に宣伝しました。

 7月には、この上の大会の、県選手権があります。

 10年近く前に、オリンピック選手の成迫さんと、
 県選手権の決勝で、一緒に走ったことがあります。
 彼はそのレースで、アテネの標準記録を突破したのです。
 それにしても、彼は、宇宙人のように速かった!

 長く続けていると、楽しいことが色々あります。

 さて、陸上好きにイチオシの本は、「一瞬の風になれ」です。
 100万部以上売れて、ドラマ化もされました。

 特に、実際のレースの描写が、グッドです。
 読んでいて、鳥肌が立ってくるような記述もあります。
 実際に陸上をやっていないと、分からないような感覚が、
 詳細な取材を通して、描かれています。

 ただ、 陸上の奥深さを、もっと描いてほしかったです。
 例えば、ZONE(ゾーン)を垣間見るようなシーンを!

 恋愛や家族を描いた箇所は、少し余分な気がします。
 そういうところで、読者を引き付けたいのでしょうか。

一瞬の風になれ 第一部 -イチニツイテ- (講談社文庫)
 昨年とうとう文庫化されました。
 しかし、私はまだ買っていません。
 単行本を、図書館で借りて読んだので。
 もう少し時間がたったら、文庫を買って、
 読み直す予定です。



一瞬の風になれ(1) (講談社コミックス)
 この本は、コミックにもなりました。
 とても丁寧に描かれていて、評判がいいです。

娘の入園のことなど [その他・雑感]

 先日の月曜日は、長女の入園式でした。
 私はもちろん、仕事を休んで、参加しました。

 両親で参加するのは、少数派だと思っていましたが、
 まったくそんなことはなくて、父親同伴が9割でした。

 後ろには、ビデオカメラを手にした若いお父さん方が、
 ずらりと並んで、一生懸命に子供を撮っています。
 私のようなおじさんパパは、迫力に圧倒されそうでした。

 翌日から、今まで母親から離れることが無かった娘が、
 一人で幼稚園バスに乗って、園に通い始めました。

 大きな園服を着て、大きな帽子をかぶって、バス停まで、
 緊張しながら歩いていきます。胸がジーンときました。

 一人で大丈夫だろうか、園にすぐ慣れてくれるだろうか、
 など、心配ばかりしてしまいます。

 日曜日の妹の結婚式で、うちの父親が人目もかまわず
 泣いていた姿が、ふと思い出されました。

 これまで親元を離れたことが無かった妹は、
 相手の方の仕事の関係で、京都へ行ってしまうのです。
 父親の気持ちが、とてもよく分かる気がしました。

 ところで、うちの娘は、まだ3歳です。
 好きな本は、「ペネロペ」や、「リサとガスパール」や、
 「メイシーちゃん」や、「ノンタン」のシリーズです。

 そして、なんと、「恐竜」関係の本が大好きなのです。
 すでにここに、私の好みが影響していて、面白いです。

 娘が、文庫本を読むようになるのは、いつのことでしょうか。
 まだまだ、十年以上も、先のことです。それまでに、
 「娘に残す100冊」を、自分の本棚に作っておきたいです。

妹の結婚式と私の本棚のこと [その他・雑感]

 妹が、一昨日の日曜日に、とうとう結婚式を挙げました。
 場所は、横浜のランドマークタワーの70階です。

 ここは、日本一高い所にある披露宴場だそうです。
 眺めは一流、料理も一流、サービスも一流でした。

 三人兄弟の末っ子で、私とも上の妹とも年が離れていて、
 家族みんなから、かわいがられてきました。
 そのため、家族全員にとって、感慨深いものがありました。

 嬉しかったのは、最後の新婦から家族へ宛てた言葉で、
 「お兄ちゃん(私)の部屋には、いろいろな本があって、
  その本を借りて読むうちに、本が好きになりました。」
 と言ってくれたことです。

 彼女が、中学校の司書として働くようになったのも、
 私の本棚の影響が、少なからずあったようです。

 その本のほとんどは、私が結婚して引越すと同時に、
 実家を離れ、今の私たち家族とともにあります。

 3年前に家を新築した時、私は自分の部屋の東面に、
 念願だった文庫本専用の本棚を、壁一面に作りました。

 最初は、大工さんに頼もうと考えたのですが、
 何十万円もかかると聞いたので、結局自作しました。

 夜に少しずつ、2週間ほどかけて完成させました。
 材料費と道具代を合わせて、十万ほどでできました。
 これが、現在の私の、本棚です。
P1040363.jpg
 今度は、自分の娘にも、本好きな人間になってもらうため、
 現在の本棚を、充実させていきたいと考えています。

 昔も今も、文庫本ばかりですが。

朝型です [その他・雑感]

 いつも、早朝、記事を書いています。朝型人間です。

 夕方仕事から帰って、家族3人で夕食をとり、3歳の娘を風呂に入れ、
 そして一緒に絵本を読みながら、娘を寝かせています。

 娘が眠るのが、9時頃ですが、自分も娘と一緒に寝てしまいます。
 9時を過ぎると、眠くて眠くてどうしようもなく、
 好きな本を、読むことさえ、できないからです。(ああ、おっさんくさいなあ)

 9時に寝てしまうなんて、考えれば、ぜいたくですよね。
 仕事の仲間には、その時間まだ働いている人が、たくさんいるのですから。

 私が娘を寝室へ連れて行ってから、妻の貴重な自由時間になります。
 私は、翌朝3時から4時に目覚めます。そこからが、私の自由時間です。

 本を読んだり、手帳に予定や夢を書き込んだり、
 時々持ち帰った仕事をしたり、そしてここに記事を書いたりしています。
 この時間が、至福の時間です。

 朝方生活でいいところは、朝起きるのが、苦痛でないところです。
 「さあ、好きな本を読めるぞ」と思うと、寒いのも苦になりません。

 6時頃、妻と娘が起きてくるので、娘に着替えをさせます。
 私にとって、この妻と、3歳の娘が宝物です。

 特に、現在は育児を楽しんでいます。

 職場の飲み会で、2次会へ行こうと誘われても、最近は、
 「娘をお風呂に入れたいから」と言って、堂々と断ります。
 最初は、年に数回しかない飲み会より、「娘のお風呂を優先する男」として、
 変人のようにも言われましたが、最近はそれが私のブランドになってきました。

 かつては、有志の飲み会に、よく参加したものですが、
 娘が生れてからは、私を飲みに誘う人は、ほとんどいなくなりました。
 周りが、そう見てくれるようになると、とても快適です。

私にとって文庫本とは2 [その他・雑感]

 先日、スタンダールの「赤と黒」を紹介するために、
 この愛するべき文庫本を、久しぶりにぱらぱらと読みました。

 実は、私は読みながら、良いところがあると、線を引くことにしています。
 線を引くことのメリットはいろいろ有りますが、最大のメリットは、
 その部分だけ読み返せば、大筋が分かることです。
 短い時間で、本のあらすじが理解でき、その時の感動もよみがえります。

 しかし、「赤と黒」は、線を引いてある箇所が、あまりにも多すぎて、
 なかなか読み進められませんでした。
 しかも、傍線部に感動すると、ついついその前後も読んでしまいます。

 こうして、最初は1時間でと考えていた読み返しは、
 結局、上下合わせて、5時間ほどもかかってしまいました!
 もちろんその5時間は、とても楽しめましたが、
 お正月のように、時間があるときでないと、こういうことはできません。

 ところで、本に線を引くということを、友人に話して、
 「それではモノとしての価値が無くなるだろう」と、言われたことがあります。
 お金になるか否かという価値観においては、確かにそのとおりで、
 古本屋に持っていっても、線引きした本は、全く値が付きません。

 でも、本好きの人はみんな、よく知っているとおり、
 本というものは、人生の貴重な時間を共有した仲間ですよね。

 本には、その時の自分の思いや、感動や、様々な思い出が、つめられています。
 人と同じで、付き合えば付き合うほど、愛着が湧いてきます。
 ですから、ちょっとした汚れや、手ずれなどが、逆に愛着となることも多いのです。

 私の場合は、線を引くことによって、初めて自分だけの本になります。
 線を引いて読み終わった本は、自分の一部となります。
 大事な友達が、自分の一部であるのと同じです。
 
 私にとって文庫本とは、人生を共有する仲間であり、自分の一部でもあります。

 自分の一部となるわけですから、表紙なども含め、モノとしての完成度に、徹底的にこだわります。
 そのために、世に出ている文庫本を、できるだけ実際に手に取ることにしています。

 さて、「赤と黒」において、傍線が目立ったのは、当時の社会風潮に関する箇所です。
 恋愛小説のイメージが強いので、ちょっと意外でした。
 特に、上流社会へ入るにあたっての、心得のようなものに、印象的なフレーズがありました。

 「いや、きみにはその軽蔑がどんなものだかわかっていないのだ。
 いつもばか丁寧なお世辞の形をとっているからな。」(下巻P12)

 「相手が期待していることの裏をかけ。これこそ、断然、現代の唯一の宗教です。」(下巻P85)

 「ふさぎこんだ顔をするのが上品だとは言えません。
 つまらなそうな顔をするんですよ。」(下巻P278)
 
 「すこしでも心を動かされたようなそぶりを見せるということは、
 まるで一種の精神的狂乱に思われたろうし、
 これは恥ずべきことであり、高い身分のものが保つべき品位を
 大いに害することだと考えるのだ。」(P298)

 当時の貴族社会の、偽善的で退廃的な雰囲気が、よく伝わってきます。
 (こういう心得が多くつまった本に、同じ19世紀のフランス文学「ゴリオ爺さん」があります。)

 最後に、ジュリアンの悲痛な言葉。
 「これまでの一生は、要するに不幸に至る長い準備期間にすぎなかった。」(P379)
 悲しすぎますね。
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私にとって文庫本とは1 [その他・雑感]

 前回、国木田独歩の「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」を紹介しましたが、
 独歩と言えば、まず、「武蔵野」ですよね。
 高校の教科書にも、その一節が、出ていたぐらいですから。
 でも、「武蔵野」は、いまひとつぴんとこなかったのです。

 一言で言うと、あまりにも素人くさく感じるのです。
 自分の日記の抜粋があるかと思えば、ツルゲーネフの引用が二度にわたって登場し、
 また、友達からの手紙が長々と紹介されます。
 日記や手紙は創作でしょうが、しかし、違和感があります。

 そういえば、日記の引用については、豊崎由美も、次のように言ってます。
  「<十二月二日―『今朝霜、(略)。』>だの、<同二十二日―『雪初て降る。』>だの。
 お前はアメダスかって叫びだしたくなっちゃった(笑)。」 うまいなあ、この突っ込み。
 引用は「百年の誤読」(ちくま文庫)より。この本、面白いのでオススメです。

百年の誤読 (ちくま文庫)








 うちにあるのは新潮文庫版ですが、表紙が古臭い感じがして、好きになれません。
 岩波文庫版では、珍しく凝った表紙になっていますが、やはり、古臭い感じです。
 表紙が気に入らないと、中身も気に入らなく思えてしまいます。
 そういうわけで、「武蔵野」の方は、本棚に並べていません。


武蔵野 (新潮文庫)








武蔵野 (岩波文庫)








 こういうと、「大事なのは表紙じゃないだろ、中身だろ」
 と言われそうですが、いえ、いえ、表紙が大事なのです。
 たとえ素晴らしい内容でも、表紙が気に入らなかったら、私は買いません。
 
 本も、「モノ」です。「モノ」への愛着は、外見的な部分で、大きく左右されます。
 やはり、見ていて「良い」と思うモノには、愛着が湧きます。

 私の本棚には、自分にとって愛着のある本しか、並んでいません。
 例えば、「金色夜叉」は、改版が並び、旧版は並んでいません。
 「ティファニーで朝食を」は、改版も旧版も並んでいます。

 こうして、私の本棚には、愛着ある文庫本だけを並べていき、
 「いずれは、自分だけの文学全集を作りたい」、というのが、私の夢です。

 私にとって、文庫本とは、このささやかな夢に直結する、大事な「モノ」です。
 だから、表紙にもこだわりますし、活字の大きさや、時には紙の質にもこだわります。

 日本文学全集や、世界文学全集を買うには、お金がかかりすぎますが、
 文庫本で少しずつ集めていくぶんには、それほど負担はありません。
 そして、現在、全体の半分ほどはできあがったように思います。
 
 ところで、本棚に並べない本は、どこにあるかというと、ダンボールに入れて、
 押入れの中で、大事に眠らせています。
 やはり、自分と同じ時を過ごした仲間でありますので、捨てることはできません。
 (読んでない本なら、簡単に売ることができます)

 さて、今後もし、「武蔵野」の表紙が、「牛肉と馬鈴薯・酒中日記」と
 同じようなものに変われば、もちろん買います。
 「武蔵野」には、表題作以外にも、「源叔父」など有名な短編がありますので、
 ひょっとしたら、再読した上で、本棚に並べられるかもしれません。

牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (新潮文庫 (く-1-2))


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