夏の夜の夢 [17世紀文学]
「夏の夜の夢」 シェイクスピア作 河合祥一郎訳 (角川文庫)
アテネの森に踏み込んだ恋人たちと、妖精の王と女王をめぐる喜劇です。
シェイクスピアの初期の作品で、代表的な喜劇です。
角川文庫版は最も新しい訳で、韻を踏んでいます。
とても分かりやすかったです。
新潮文庫版の訳は古いのですが格調が高いです。そしてカバーがすばらしい。
ちくま文庫版も、訳が分かりやすいのでオススメです。
妖精の王と女王は、仲たがいをしました。
王は、愛の媚薬を使って、女王をこらしめようとして・・・
1人の女を追いかけている2人の男がいました。
妖精バックは、 愛の媚薬を使って、3人の関係をさらにこじらせて・・・
アテネの森を舞台に、妖精の世界と人間の世界がつながります。
自分もまた、神話の世界に踏み込んだような気分になる楽しい物語です。
わずか120ページほどで、あっという間に読めます。
夏の夜の夢のように、強烈な印象を残して、さっと駆け抜けていきます。
さて、角川文庫版のこの新訳では、英語の押韻をすべて表現してあります。
次のようなバックのセリフを読むと、その苦労がよく分かります。
「地面にばったり/眠くてぐったり/お目にうっすり/差しましょ、目薬/」
「起きたら、むっくり/わかるぜ、びっくり/・・・」(P87)
この作品は、ギリシア神話やローマ神話から、構想を得ています。
夏至の日の夜には、妖精たちの力が強まるのだそうです。
ところで、愛の媚薬といったら惚れ薬。 惚れ薬といったらトリスタンとイズー。
「トリスタン・イズー物語」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-04-08
そして、「愛の妙薬」という、ドニゼッティの有名なオペラがあります。
舞台は19世紀のスペインですが、イズーの飲んだ媚薬(?)が登場します。
さいごに。(マイナス金利?)
ちまたではマイナス金利が話題。10年国債の利回りも、史上初のマイナスに。
我が家の住宅ローンの金利も、マイナスになるのでしょうか?(まさかね)
アテネの森に踏み込んだ恋人たちと、妖精の王と女王をめぐる喜劇です。
シェイクスピアの初期の作品で、代表的な喜劇です。
角川文庫版は最も新しい訳で、韻を踏んでいます。
とても分かりやすかったです。
新潮文庫版の訳は古いのですが格調が高いです。そしてカバーがすばらしい。
ちくま文庫版も、訳が分かりやすいのでオススメです。
シェイクスピア全集 (4) 夏の夜の夢・間違いの喜劇 (ちくま文庫)
- 作者: W. シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1997/04
- メディア: 文庫
妖精の王と女王は、仲たがいをしました。
王は、愛の媚薬を使って、女王をこらしめようとして・・・
1人の女を追いかけている2人の男がいました。
妖精バックは、 愛の媚薬を使って、3人の関係をさらにこじらせて・・・
アテネの森を舞台に、妖精の世界と人間の世界がつながります。
自分もまた、神話の世界に踏み込んだような気分になる楽しい物語です。
わずか120ページほどで、あっという間に読めます。
夏の夜の夢のように、強烈な印象を残して、さっと駆け抜けていきます。
さて、角川文庫版のこの新訳では、英語の押韻をすべて表現してあります。
次のようなバックのセリフを読むと、その苦労がよく分かります。
「地面にばったり/眠くてぐったり/お目にうっすり/差しましょ、目薬/」
「起きたら、むっくり/わかるぜ、びっくり/・・・」(P87)
この作品は、ギリシア神話やローマ神話から、構想を得ています。
夏至の日の夜には、妖精たちの力が強まるのだそうです。
ところで、愛の媚薬といったら惚れ薬。 惚れ薬といったらトリスタンとイズー。
「トリスタン・イズー物語」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2013-04-08
そして、「愛の妙薬」という、ドニゼッティの有名なオペラがあります。
舞台は19世紀のスペインですが、イズーの飲んだ媚薬(?)が登場します。
- アーティスト: ガエターノ・ドニゼッティ,ハインツ・ヴァルベルク,ミュンヘン放送管弦楽団,ルチア・ポップ,ペテル・ドヴォルスキー,エヴゲニー・ネステレンコ,ベルント・ヴァイクル,バイエルン放送合唱団
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- 発売日: 2008/09/24
- メディア: CD
さいごに。(マイナス金利?)
ちまたではマイナス金利が話題。10年国債の利回りも、史上初のマイナスに。
我が家の住宅ローンの金利も、マイナスになるのでしょうか?(まさかね)
マクベス [17世紀文学]
「マクベス」 シェイクスピア作 河合祥一郎訳 (角川文庫)
主君を殺して王位を奪った将軍マクベスの、錯乱と破滅の物語です。
シェイクスピアの四大悲劇の最後の作品です。
私が今回読んだのは角川文庫の河合訳です。分かりやすい訳でした。
訳者は、昨年NHKの100de名著「ハムレット」に出ていました。
舞台は11世紀のスコットランド。ダンカン王の時代です。
将軍マクベスは勇敢に戦って、謀反人を倒しました。
そのマクベスの前に、3人の魔女が現れて、不思議な予言をし・・・
暗示にかかったマクベスは、妻と謀って国王を殺害し・・・
とても面白い物語です。一度読み出したら、なかなか本を置けません。
ちょっとしたやり取りにも味があります。よくできた戯曲です。
マクベスという男は、強さと弱さ、大胆さと小心さを合わせ持ちます。
それゆえ、魔女や妻の暗示にかかってしまいます。
「人生は歩く影法師。哀れな役者だ。出番のあいだは大見得切って
騒ぎ立てるが、そのあとは、ばったり沙汰止み、音もない。」(P140)
終わってみれば、彼は運命に(神々に)翻弄された哀れな男でした。
野望は持つべきではありません。正直に地道に生きるのが、イチバン。
さて、ほかにもこの作品は、多くの出版社から様々な訳が出ています。
ちくま文庫の松岡訳もオススメ。私が最初に読んだのはこの本です。
古典新訳文庫版もオスス メ。くだけた言葉遣いで、軽快な訳です。
冒頭いきなり「ヘエエエイ、マクベース!」とあり、驚きます。
岩波文庫の木下訳は、格調高い訳で捨てがたいです。
また、新潮文庫のしぶい福田訳にも根強いファンがいます。
さいごに。(クワガタ捕れず)
わが家の1年の最大のイベントである、夏のキャンプが終わりました。
今年も、トレーラーハウスに2泊しました。
娘と一緒にクワガタを探して森を巡りましたが、発見できませんでした。
捕まえている子供たちはいましたが、シーズンは過ぎていたようです。
主君を殺して王位を奪った将軍マクベスの、錯乱と破滅の物語です。
シェイクスピアの四大悲劇の最後の作品です。
私が今回読んだのは角川文庫の河合訳です。分かりやすい訳でした。
訳者は、昨年NHKの100de名著「ハムレット」に出ていました。
舞台は11世紀のスコットランド。ダンカン王の時代です。
将軍マクベスは勇敢に戦って、謀反人を倒しました。
そのマクベスの前に、3人の魔女が現れて、不思議な予言をし・・・
暗示にかかったマクベスは、妻と謀って国王を殺害し・・・
とても面白い物語です。一度読み出したら、なかなか本を置けません。
ちょっとしたやり取りにも味があります。よくできた戯曲です。
マクベスという男は、強さと弱さ、大胆さと小心さを合わせ持ちます。
それゆえ、魔女や妻の暗示にかかってしまいます。
「人生は歩く影法師。哀れな役者だ。出番のあいだは大見得切って
騒ぎ立てるが、そのあとは、ばったり沙汰止み、音もない。」(P140)
終わってみれば、彼は運命に(神々に)翻弄された哀れな男でした。
野望は持つべきではありません。正直に地道に生きるのが、イチバン。
さて、ほかにもこの作品は、多くの出版社から様々な訳が出ています。
ちくま文庫の松岡訳もオススメ。私が最初に読んだのはこの本です。
古典新訳文庫版もオスス メ。くだけた言葉遣いで、軽快な訳です。
冒頭いきなり「ヘエエエイ、マクベース!」とあり、驚きます。
岩波文庫の木下訳は、格調高い訳で捨てがたいです。
また、新潮文庫のしぶい福田訳にも根強いファンがいます。
さいごに。(クワガタ捕れず)
わが家の1年の最大のイベントである、夏のキャンプが終わりました。
今年も、トレーラーハウスに2泊しました。
娘と一緒にクワガタを探して森を巡りましたが、発見できませんでした。
捕まえている子供たちはいましたが、シーズンは過ぎていたようです。
ロミオとジュリエット [17世紀文学]
「ロミオとジュリエット」 シェイクスピア作 松岡和子訳 (ちくま文庫)
敵対する二つの家の犠牲となった、ロミオとジュリエットの悲劇です。
多くの人に愛され続けてきた名作です。
新潮文庫、岩波文庫、角川文庫、ちくま文庫など、様々な訳が出ています。
私が読んだのはちくま文庫。ページの余白に脚注があるところがいいです。
舞台は14世紀ごろの、イタリアのヴェローナ。
この町では、モンタギュー家とキャピュレット家が対立しています。
モンタギュー家の一人息子がロミオ。礼儀正しい好青年です。
キャピュレット家の一人娘がジュリエット。14歳にもなっていません。
この二人が、キャピュレット家の宴会で出会います。
そして二人は、一瞬にして恋に落ちてしまいます。
「ああ、高い取り引き! 俺の命は仇敵からの借りものか。」
「私のただひとつの恋が、ただひとつの憎しみから生まれたなんて!」
仇敵同士と分かっていながら、永遠の愛を誓い合うふたり。
しかし、その宿命からは逃れようもなく・・・
このあとの展開は、書くまでもないでしょう。
あまりにも有名な作品です。
ほんとうに良くできた作品です。何度読んでもすばらしい。
そして、何度読んでも悲しい。結末は分かっているのに。
さて、新潮文庫の訳は少し古いのですが、深い味わいがあります。
岩波文庫と角川文庫の訳は、比較的新しくて分かりやすいです。
どの訳も、原文の駄洒落をとても工夫して訳しています。
さいごに。(かいけつゾロリ)
娘のお気に入りに、かいけつゾロリのシリーズがあります。
男子向きの本なので、内容がちょっとくだらない。
中でも、「ちきゅうさいごの日」は、とても下品で面白いです。
隕石衝突から逃れるために、ゾロリたちの取った作戦は・・・
私のイチ押しです。
例によって、今年も明日から三日間、東京へ出張です。
暑そう!
敵対する二つの家の犠牲となった、ロミオとジュリエットの悲劇です。
多くの人に愛され続けてきた名作です。
新潮文庫、岩波文庫、角川文庫、ちくま文庫など、様々な訳が出ています。
私が読んだのはちくま文庫。ページの余白に脚注があるところがいいです。
シェイクスピア全集 (2) ロミオとジュリエット (ちくま文庫)
- 作者: W. シェイクスピア
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1996/04
- メディア: 文庫
舞台は14世紀ごろの、イタリアのヴェローナ。
この町では、モンタギュー家とキャピュレット家が対立しています。
モンタギュー家の一人息子がロミオ。礼儀正しい好青年です。
キャピュレット家の一人娘がジュリエット。14歳にもなっていません。
この二人が、キャピュレット家の宴会で出会います。
そして二人は、一瞬にして恋に落ちてしまいます。
「ああ、高い取り引き! 俺の命は仇敵からの借りものか。」
「私のただひとつの恋が、ただひとつの憎しみから生まれたなんて!」
仇敵同士と分かっていながら、永遠の愛を誓い合うふたり。
しかし、その宿命からは逃れようもなく・・・
このあとの展開は、書くまでもないでしょう。
あまりにも有名な作品です。
ほんとうに良くできた作品です。何度読んでもすばらしい。
そして、何度読んでも悲しい。結末は分かっているのに。
さて、新潮文庫の訳は少し古いのですが、深い味わいがあります。
岩波文庫と角川文庫の訳は、比較的新しくて分かりやすいです。
どの訳も、原文の駄洒落をとても工夫して訳しています。
さいごに。(かいけつゾロリ)
娘のお気に入りに、かいけつゾロリのシリーズがあります。
男子向きの本なので、内容がちょっとくだらない。
中でも、「ちきゅうさいごの日」は、とても下品で面白いです。
隕石衝突から逃れるために、ゾロリたちの取った作戦は・・・
私のイチ押しです。
かいけつゾロリ ちきゅうさいごの日 (26) (かいけつゾロリシリーズ ポプラ社の新・小さな童話)
- 作者: 原 ゆたか
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 1999/12
- メディア: 単行本
例によって、今年も明日から三日間、東京へ出張です。
暑そう!
ハムレット [17世紀文学]
「ハムレット」 シェイクスピア作 松岡和子訳 (ちくま文庫)
デンマーク王子ハムレットが、王位簒奪者の叔父に復讐を果たす悲劇です。
シェイクスピアの四大悲劇の中でも、特に名高い傑作です。
新潮文庫・岩波文庫・角川文庫・古典新訳文庫など、様々な訳で読めます。
特に、ちくま文庫では、松岡訳でシェイクスピア全集を出しています。
私のオススメは、ちくま文庫版。訳がとても分りやすいです。
また、注がそのページの余白にあるので、とても読みやすいです。
王が急死して、王位を継いだのは、その弟クローディアス。
新王は王妃と結婚し、王子ハムレットは憂いに沈みます。
そのころ、毎夜現れる亡霊。それは亡き国王の亡霊でした。
王子ハムレットは、亡霊の招きに応じます。
そして、亡霊から聞いた驚愕の真実・・・
迷うハムレット。「To Be Or Not To Be」、生きるべきか死ぬべきか・・・
とうとう彼は、狂ったふりをして・・・
紹介するまでもないでしょう。あまりにも知られた傑作です。
筋が面白くて、しかも名文の宝庫。実によくできた戯曲です。
さて、この作品は、名作ゆえに翻訳が多くて、どれを読んだらいいか迷います。
ちくま文庫の松岡訳は、比較的自然な訳だったような気がします。
新潮文庫の福田訳は、やや古くて読みにくい印象があります。
読んだのが高校時代だったので、自分の未熟さのせいかもしれません。
格調の高さと言葉の美しさでは一番だ、という人も多いです。
岩波文庫の野島訳は2002年、角川文庫の河合訳は2003年、ともに新訳です。
どちらも、とても読みやすくて、評判がいいです。
異色なのは、古典新訳文庫の「ハムレットQ1(第1クォート)」。
現在の「ハムレット」の原型で、短いバージョンです。
マニアックな出版ですが、ファンにはたまらないでしょう。
ところで、この作品を読み返すきっかけになったのは、ゲーテです。
「ヴィルヘルム・マイスター」の中盤、一座はハムレットに熱中します。
おそらくゲーテ自身も、ハムレットに熱中したのではないかと思います。
さいごに。(ようやく付けたETC)
かつて、民主党の「高速道路無料化」を信じて、ETCを付けないでいました。
(当時、民主党自身が、そんなことしたら大変だ、と言い出したのには驚いた。)
ようやくETCを取り付けました。ただし、妻の車にだけ。
休日半額になるのは、ありがたいですね。ようやくその恩恵をこうむりました。
デンマーク王子ハムレットが、王位簒奪者の叔父に復讐を果たす悲劇です。
シェイクスピアの四大悲劇の中でも、特に名高い傑作です。
新潮文庫・岩波文庫・角川文庫・古典新訳文庫など、様々な訳で読めます。
特に、ちくま文庫では、松岡訳でシェイクスピア全集を出しています。
私のオススメは、ちくま文庫版。訳がとても分りやすいです。
また、注がそのページの余白にあるので、とても読みやすいです。
王が急死して、王位を継いだのは、その弟クローディアス。
新王は王妃と結婚し、王子ハムレットは憂いに沈みます。
そのころ、毎夜現れる亡霊。それは亡き国王の亡霊でした。
王子ハムレットは、亡霊の招きに応じます。
そして、亡霊から聞いた驚愕の真実・・・
迷うハムレット。「To Be Or Not To Be」、生きるべきか死ぬべきか・・・
とうとう彼は、狂ったふりをして・・・
紹介するまでもないでしょう。あまりにも知られた傑作です。
筋が面白くて、しかも名文の宝庫。実によくできた戯曲です。
さて、この作品は、名作ゆえに翻訳が多くて、どれを読んだらいいか迷います。
ちくま文庫の松岡訳は、比較的自然な訳だったような気がします。
新潮文庫の福田訳は、やや古くて読みにくい印象があります。
読んだのが高校時代だったので、自分の未熟さのせいかもしれません。
格調の高さと言葉の美しさでは一番だ、という人も多いです。
岩波文庫の野島訳は2002年、角川文庫の河合訳は2003年、ともに新訳です。
どちらも、とても読みやすくて、評判がいいです。
異色なのは、古典新訳文庫の「ハムレットQ1(第1クォート)」。
現在の「ハムレット」の原型で、短いバージョンです。
マニアックな出版ですが、ファンにはたまらないでしょう。
ところで、この作品を読み返すきっかけになったのは、ゲーテです。
「ヴィルヘルム・マイスター」の中盤、一座はハムレットに熱中します。
おそらくゲーテ自身も、ハムレットに熱中したのではないかと思います。
さいごに。(ようやく付けたETC)
かつて、民主党の「高速道路無料化」を信じて、ETCを付けないでいました。
(当時、民主党自身が、そんなことしたら大変だ、と言い出したのには驚いた。)
ようやくETCを取り付けました。ただし、妻の車にだけ。
休日半額になるのは、ありがたいですね。ようやくその恩恵をこうむりました。
守銭奴(しゅせんど) [17世紀文学]
「守銭奴(しゅせんど)」 モリエール作 鈴木力衛訳 (岩波文庫)
金しか愛さない守銭奴アルパゴンと、その子供たちを取り巻く喜劇です。
モリエール四大性格喜劇の一つで、上演回数が多いことで有名です。
現在、岩波文庫で読むことができます。
初版は1950年ですが、2008年に改版されたので、読みやすいです。
アルパゴンの息子クレアントには、マリアーヌという恋人がいます。
アルパゴンがやってきて、クレアントに、マリアーヌについて尋ねます。
クレアントはもちろん、マリアーヌを褒めちぎります。
しかし、父アルパゴンが言った言葉は…
なんとか父の考えを変えさせたい子供たち。
なにがなんでも、子供たちに、金銭的に有利な結婚をさせたい父親。
話は、もつれにもつれて…
なんといっても、アルパゴンです。
アルパゴンがしゃべるたびに、笑いが巻き起こりそうです。
当時はモリエール自身が演じていたのだそうです。
しかし、当時は案外理解されなかったらしい。
私は、結末だけが不満です。とても不自然です。
やはり悪人は、自分で自分の首を絞めてほしい。
さて、「アルパゴン」といったら、守銭奴の代名詞です。
ほかに、「スクルージ」(「クリスマス・キャロル」)も有名ですね。
「クリスマス・キャロル」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-11-09
さいごに。(県選手権)
今年も、県の陸上選手権に出ました。種目は400mハードル。
妻と娘が応援に来てくれたのに、1分以上かかってしまいました。
だいぶ前から、私は最長老。46歳。
で、だいぶ前から、400mをしっかり走りきれません。
腕時計のバンドが汗臭い。そろそろ換えようと思います。
思い切って、今年はホワイトにしてみようか。
金しか愛さない守銭奴アルパゴンと、その子供たちを取り巻く喜劇です。
モリエール四大性格喜劇の一つで、上演回数が多いことで有名です。
現在、岩波文庫で読むことができます。
初版は1950年ですが、2008年に改版されたので、読みやすいです。
アルパゴンの息子クレアントには、マリアーヌという恋人がいます。
アルパゴンがやってきて、クレアントに、マリアーヌについて尋ねます。
クレアントはもちろん、マリアーヌを褒めちぎります。
しかし、父アルパゴンが言った言葉は…
なんとか父の考えを変えさせたい子供たち。
なにがなんでも、子供たちに、金銭的に有利な結婚をさせたい父親。
話は、もつれにもつれて…
なんといっても、アルパゴンです。
アルパゴンがしゃべるたびに、笑いが巻き起こりそうです。
当時はモリエール自身が演じていたのだそうです。
しかし、当時は案外理解されなかったらしい。
私は、結末だけが不満です。とても不自然です。
やはり悪人は、自分で自分の首を絞めてほしい。
さて、「アルパゴン」といったら、守銭奴の代名詞です。
ほかに、「スクルージ」(「クリスマス・キャロル」)も有名ですね。
「クリスマス・キャロル」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-11-09
さいごに。(県選手権)
今年も、県の陸上選手権に出ました。種目は400mハードル。
妻と娘が応援に来てくれたのに、1分以上かかってしまいました。
だいぶ前から、私は最長老。46歳。
で、だいぶ前から、400mをしっかり走りきれません。
腕時計のバンドが汗臭い。そろそろ換えようと思います。
思い切って、今年はホワイトにしてみようか。
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- 出版社/メーカー: MORELLATO
- メディア: 時計
病は気から [17世紀文学]
「病は気から」 モリエール作 鈴木力衛訳 (岩波文庫)
自分を病気だと思い込んで、薬漬けになっている男を描いた笑劇です。
モリエールの最後の作品で、現在でも上演され続けています。
岩波文庫版の初版は1970年。2008年に改版されました。
訳は分かりやすくて、活字は読みやすかったです。
主人公は、裕福な市民の男アルガン。
自分を病気だと思い込み、医者の言うがままに大量の薬を服用しています。
自分のことしか考えず、ひとり娘を医者の息子と結婚させようとします。
その医者の息子というのは、間抜けな男で…
娘のアンジェリックは、すでにほかの青年と…
アルガンの若き後妻は、あることを企んでいて…
女中トワネットは、アンジェリックを救うために一計を案じて…
モリエールらしい、とても楽しい喜劇です。
モリエールの最後を飾るに、ふさわしい作品だと思います。
当時の公演では、モリエール自身が、アルガンを演じました。
そして、4回目の公演後に倒れ、そのまま自宅で息を引き取ったといいます。
実に皮肉です。
病気だと思い込んでいる男を演じた本人が、実際は本当に病気だったのです。
そういう運命の皮肉まで含めて、とても興味深い作品です。
他のモリエール作品
「人間ぎらい」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19
「タルチュフ」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26
「町人貴族」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-08
「ドン・ジュアン」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-12
さいごに。(パソコン初期化)
パソコンがとても重たくなったので、思い切って初期化しました。
7年前の代物ですが、今はわりと快適に動きます。
ただし、色々なソフトのバージョンアップに、丸一日かかりました。
自分を病気だと思い込んで、薬漬けになっている男を描いた笑劇です。
モリエールの最後の作品で、現在でも上演され続けています。
岩波文庫版の初版は1970年。2008年に改版されました。
訳は分かりやすくて、活字は読みやすかったです。
主人公は、裕福な市民の男アルガン。
自分を病気だと思い込み、医者の言うがままに大量の薬を服用しています。
自分のことしか考えず、ひとり娘を医者の息子と結婚させようとします。
その医者の息子というのは、間抜けな男で…
娘のアンジェリックは、すでにほかの青年と…
アルガンの若き後妻は、あることを企んでいて…
女中トワネットは、アンジェリックを救うために一計を案じて…
モリエールらしい、とても楽しい喜劇です。
モリエールの最後を飾るに、ふさわしい作品だと思います。
当時の公演では、モリエール自身が、アルガンを演じました。
そして、4回目の公演後に倒れ、そのまま自宅で息を引き取ったといいます。
実に皮肉です。
病気だと思い込んでいる男を演じた本人が、実際は本当に病気だったのです。
そういう運命の皮肉まで含めて、とても興味深い作品です。
他のモリエール作品
「人間ぎらい」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-02-19
「タルチュフ」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-02-26
「町人貴族」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-08
「ドン・ジュアン」 → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-12
さいごに。(パソコン初期化)
パソコンがとても重たくなったので、思い切って初期化しました。
7年前の代物ですが、今はわりと快適に動きます。
ただし、色々なソフトのバージョンアップに、丸一日かかりました。
オルメードの騎士 [17世紀文学]
「オルメードの騎士」 ロペ・デ・ベガ作 長南実訳 (岩波文庫)
武勇で知られたドン・アロンソと、美しきイネースとの、悲恋の物語です。
スペイン文学の黄金期に活躍した大劇作家ロペの、屈指の名作です。
手軽に読めなかったこの作品が、5年前に岩波文庫から出たので、即買いました。
カバーがフェルメールの美しい絵なので、平積みの状態だと結構目を引きます。
ドン・アロンソは、その武勇によって、「オルメードの騎士」と讃えられています。
彼が、メディーナの娘ドニャ・イネースに、一目ぼれした所から、物語が始まります。
二人の恋は、仲介役の魔女ファビアによって、めでたく実ります。
しかし、地元の騎士ドン・ロドリーゴも、イネースに熱い思いを寄せていて…
純愛の成就のために、魔界の力を借りてしまったのが、アロンソの悲劇の原因です。
我々読者は、悲劇的な結末を予感しながらも、最後まで結末が予想できません。
怪奇的な雰囲気を持った、独特の悲恋物語です。
そして、この劇の不気味な魅力は、魔女ファビアによる所が大きいです。
魔法を使うために、処刑された泥棒の奥歯を抜きに行ったりして…
さて、作者のロペ・デ・ベガは、スペイン文学の最高の劇作家と言われています。
「人の世は夢」のカルデロンの、一つ前の世代で、黄金時代を作った人物です。
なんと、生涯に2000以上の戯曲を作り、425作が現存しているのだとか。
それなのに、日本で読める作品は、あまりにも少ないです。
「オルメードの騎士」も、いつまで読めるでしょうか。この本は未だに初版ですよ。
さいごに。(朝のあそび)
出勤前のひととき、新聞を読んでいると、「パパ、あーそーぼー」と娘の声。
わずか10分ほどの時間に、かくれんぼをしたり、鬼ごっこをしたりします。
時々、うるさい、と感じてしまいます。
でも、こうして私を遊び相手にしてくれるのも、そんなに長くないかもしれません。
武勇で知られたドン・アロンソと、美しきイネースとの、悲恋の物語です。
スペイン文学の黄金期に活躍した大劇作家ロペの、屈指の名作です。
手軽に読めなかったこの作品が、5年前に岩波文庫から出たので、即買いました。
カバーがフェルメールの美しい絵なので、平積みの状態だと結構目を引きます。
ドン・アロンソは、その武勇によって、「オルメードの騎士」と讃えられています。
彼が、メディーナの娘ドニャ・イネースに、一目ぼれした所から、物語が始まります。
二人の恋は、仲介役の魔女ファビアによって、めでたく実ります。
しかし、地元の騎士ドン・ロドリーゴも、イネースに熱い思いを寄せていて…
純愛の成就のために、魔界の力を借りてしまったのが、アロンソの悲劇の原因です。
我々読者は、悲劇的な結末を予感しながらも、最後まで結末が予想できません。
怪奇的な雰囲気を持った、独特の悲恋物語です。
そして、この劇の不気味な魅力は、魔女ファビアによる所が大きいです。
魔法を使うために、処刑された泥棒の奥歯を抜きに行ったりして…
さて、作者のロペ・デ・ベガは、スペイン文学の最高の劇作家と言われています。
「人の世は夢」のカルデロンの、一つ前の世代で、黄金時代を作った人物です。
なんと、生涯に2000以上の戯曲を作り、425作が現存しているのだとか。
それなのに、日本で読める作品は、あまりにも少ないです。
「オルメードの騎士」も、いつまで読めるでしょうか。この本は未だに初版ですよ。
さいごに。(朝のあそび)
出勤前のひととき、新聞を読んでいると、「パパ、あーそーぼー」と娘の声。
わずか10分ほどの時間に、かくれんぼをしたり、鬼ごっこをしたりします。
時々、うるさい、と感じてしまいます。
でも、こうして私を遊び相手にしてくれるのも、そんなに長くないかもしれません。
人の世は夢 [17世紀文学]
「人の世は夢」 カルデロン作 高橋正武訳 (岩波文庫)
幽閉中に夢のような1日を過ごして、人生を悟ったセヒスムンド王子の物語です。
17世紀スペインを代表する哲学劇です。
恥ずかしながら、カルデロンという名前を、私は知りませんでした。
だから、2011年11月の一括重版で、復刊されたときも、ノーチェックでした。
カルデロンは、スペイン文学の黄金期の、最後を飾る大劇作家です。
「人の世は夢」と「サラメアの村長」は、外せない作品だそうです。
岩波文庫のこの本は、ベスト・カップリング。訳は分かりやすかったです。
父王が星占いで、王座を息子に奪われると知ったため、王子は幽閉されて育ちました。
あるとき父王は、王子セヒスムンドの性格を、試してみたいと考えます。
そして王子は、麻薬で眠らされているうちに、ひそかに王宮へ連れて行かれます。
きらびやかな宮殿で目覚めたセヒスムンドは、一変した自分の境遇に仰天しました。
そして、抑圧されてきた怒りのため、凶暴性を発揮し、早々と父王に見放されます。
翌朝、再び牢屋で目覚めたセヒスムンドは、人生について悟ります。
この場面、なかなか良いです。
「人の世とは、何だ? 狂気だ。人の世とは、何だ? まぼろしだ。影だ。幻影だ。
いかなる大きな幸福とても、取るに足りない。人の一生は、まさに夢。
夢は所詮が夢なのだ。」(P82)
「だから人生はむなしい」と、ならないところが良い。彼は、こう考えます。
幸福なんて、一瞬で消える。それだったら、いっそのこと、善を行おう、と。
このあと、牢中のセヒスムンドの身に、意外な知らせがあり、予想外の展開に…
面白いし、色々と考えさせられます。とてもよくできた劇です。
併録されている「サラメアの村長」は、かつてのスペインの様子を伝える歴史劇。
こちらも、文句無く面白い。
文庫本ではありませんが、平凡社ライブラリーでも、カルデロンが読めるようです。
宗教劇の代表作「驚異の魔術師」と、喜劇の代表作「淑女」の二編を収録。
カルデロンは、生涯に120の喜劇と、80の聖体神秘劇を作ったのだそうです。
我々が、こうして読むことのできるのは、そのうちのほんのわずかな部分なのですね。
さいごに。(娘の突然の高熱)
先週末、突然、娘に高熱が出て、38度以上に体温が上がりました。
当番医に駆け込むと、2時間待ち。夕食を食べてから、出直しました。
幸い、インフルエンザではありませんでした。
しかし、一昨日から、じんましんができて、体中が蚊に刺されたみたいです。
幽閉中に夢のような1日を過ごして、人生を悟ったセヒスムンド王子の物語です。
17世紀スペインを代表する哲学劇です。
恥ずかしながら、カルデロンという名前を、私は知りませんでした。
だから、2011年11月の一括重版で、復刊されたときも、ノーチェックでした。
カルデロンは、スペイン文学の黄金期の、最後を飾る大劇作家です。
「人の世は夢」と「サラメアの村長」は、外せない作品だそうです。
岩波文庫のこの本は、ベスト・カップリング。訳は分かりやすかったです。
父王が星占いで、王座を息子に奪われると知ったため、王子は幽閉されて育ちました。
あるとき父王は、王子セヒスムンドの性格を、試してみたいと考えます。
そして王子は、麻薬で眠らされているうちに、ひそかに王宮へ連れて行かれます。
きらびやかな宮殿で目覚めたセヒスムンドは、一変した自分の境遇に仰天しました。
そして、抑圧されてきた怒りのため、凶暴性を発揮し、早々と父王に見放されます。
翌朝、再び牢屋で目覚めたセヒスムンドは、人生について悟ります。
この場面、なかなか良いです。
「人の世とは、何だ? 狂気だ。人の世とは、何だ? まぼろしだ。影だ。幻影だ。
いかなる大きな幸福とても、取るに足りない。人の一生は、まさに夢。
夢は所詮が夢なのだ。」(P82)
「だから人生はむなしい」と、ならないところが良い。彼は、こう考えます。
幸福なんて、一瞬で消える。それだったら、いっそのこと、善を行おう、と。
このあと、牢中のセヒスムンドの身に、意外な知らせがあり、予想外の展開に…
面白いし、色々と考えさせられます。とてもよくできた劇です。
併録されている「サラメアの村長」は、かつてのスペインの様子を伝える歴史劇。
こちらも、文句無く面白い。
文庫本ではありませんが、平凡社ライブラリーでも、カルデロンが読めるようです。
宗教劇の代表作「驚異の魔術師」と、喜劇の代表作「淑女」の二編を収録。
カルデロンは、生涯に120の喜劇と、80の聖体神秘劇を作ったのだそうです。
我々が、こうして読むことのできるのは、そのうちのほんのわずかな部分なのですね。
さいごに。(娘の突然の高熱)
先週末、突然、娘に高熱が出て、38度以上に体温が上がりました。
当番医に駆け込むと、2時間待ち。夕食を食べてから、出直しました。
幸い、インフルエンザではありませんでした。
しかし、一昨日から、じんましんができて、体中が蚊に刺されたみたいです。
ペローの童話 [17世紀文学]
「長靴をはいた猫」 シャルル・ペロー作 澁澤龍彦訳 (河出文庫)
17世紀の童話作家ペローが、民間の伝承を素材にして作った童話集です。
19世紀のグリム童話に比べて、伝承が原型に近い形で残っています。
現在、岩波文庫・河出文庫等で読むことができます。
岩波文庫版は、完訳です。また、刊行時の挿し絵が所々に入っています。
私の本棚にあるのは、河出文庫版です。訳者は澁澤龍彦。
韻文の「グリゼリディス」は省かれ、韻文の「驢馬の皮」は散文になっています。
私は、この処置に賛成。すっきりして、読みやすくなりました。
ペローの童話には、馴染み深いものが、たくさんあります。
「眠れる森の美女」「赤頭巾ちゃん」「シンデレラ」「長靴をはいた猫」「青髭」…
ただし、そのいくつかは、我々が馴染んでいる話と少し違います。
たとえば「眠れる森の美女」には、奇妙な続きがあります。
王子さまの母親が、実は人食い鬼で…
また、「赤頭巾ちゃん」は、着物を脱いでオオカミのいるベッドに入ります。
そして、オオカミに食べられた所で終わり。
少女が男にだまされる話であることが、明瞭に伝わってきます。
それにしても、「赤頭巾」はウカツですよ。
「まあ、おばあさん、なんて長い耳をしていらっしゃるの!」とか、言ってるけど、
そこで気づけよ!
実は、河出文庫版には不満があります。それは、片山健の挿し絵の不気味さ。
どれもこれも変態的で、気持ち悪いです。
ただ、青髭の挿し絵は、気持ち悪すぎて、うまくマッチしていたりする。
カバーのイラストも、片山健のもの。
澁澤龍彦が、この絵をたいそう気に入って、彼の挿し絵を採用したとのことですが…
下品でいやらしい猫です! もっとかわいく描いてほしい。
ところで、「眠りの森の美女」も、「赤頭巾ちゃん」も、様々に解釈されています。
ドイツの哲学者フェッチャーの「だれがいばら姫を起こしたのか」は一読の価値あり。
眠りの森の美女(いばら姫)を、処女喪失の物語として、読み解いたりしています。
ただしこの本、ちくま文庫から出ていましたが、現在品切れ中。復刊を強く望みます。
同類の本で、日本人の書いた「灰かぶり姫の瞳」がありますが、これも品切れ中。
この手の本は一時ブームになりました。
その火付け役が、「本当は恐ろしいグリム童話」。現在も手に入ります。
読みやすいのですが、大衆受けを狙いすぎています。
さいごに。(目が回る)
日曜日に、娘を公園に連れて行って、一緒に遊んだ時のこと。
ブランコを20回ほどこいだら、目が回って気持ち悪くなってしまいました。
その後、追いかけっこで、ぐるぐる回っているうちに、再び目が回りました。
年のせいでしょうか、三半規管が弱っています。
気持ち悪くてしゃがんだ所を、娘に簡単に捕まえられた時は、情けなかったです。
17世紀の童話作家ペローが、民間の伝承を素材にして作った童話集です。
19世紀のグリム童話に比べて、伝承が原型に近い形で残っています。
現在、岩波文庫・河出文庫等で読むことができます。
岩波文庫版は、完訳です。また、刊行時の挿し絵が所々に入っています。
私の本棚にあるのは、河出文庫版です。訳者は澁澤龍彦。
韻文の「グリゼリディス」は省かれ、韻文の「驢馬の皮」は散文になっています。
私は、この処置に賛成。すっきりして、読みやすくなりました。
ペローの童話には、馴染み深いものが、たくさんあります。
「眠れる森の美女」「赤頭巾ちゃん」「シンデレラ」「長靴をはいた猫」「青髭」…
ただし、そのいくつかは、我々が馴染んでいる話と少し違います。
たとえば「眠れる森の美女」には、奇妙な続きがあります。
王子さまの母親が、実は人食い鬼で…
また、「赤頭巾ちゃん」は、着物を脱いでオオカミのいるベッドに入ります。
そして、オオカミに食べられた所で終わり。
少女が男にだまされる話であることが、明瞭に伝わってきます。
それにしても、「赤頭巾」はウカツですよ。
「まあ、おばあさん、なんて長い耳をしていらっしゃるの!」とか、言ってるけど、
そこで気づけよ!
実は、河出文庫版には不満があります。それは、片山健の挿し絵の不気味さ。
どれもこれも変態的で、気持ち悪いです。
ただ、青髭の挿し絵は、気持ち悪すぎて、うまくマッチしていたりする。
カバーのイラストも、片山健のもの。
澁澤龍彦が、この絵をたいそう気に入って、彼の挿し絵を採用したとのことですが…
下品でいやらしい猫です! もっとかわいく描いてほしい。
ところで、「眠りの森の美女」も、「赤頭巾ちゃん」も、様々に解釈されています。
ドイツの哲学者フェッチャーの「だれがいばら姫を起こしたのか」は一読の価値あり。
眠りの森の美女(いばら姫)を、処女喪失の物語として、読み解いたりしています。
ただしこの本、ちくま文庫から出ていましたが、現在品切れ中。復刊を強く望みます。
だれが、いばら姫を起こしたのか―グリム童話をひっかきまわす (ちくま文庫)
- 作者: イーリング フェッチャー
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1991/09
- メディア: 文庫
同類の本で、日本人の書いた「灰かぶり姫の瞳」がありますが、これも品切れ中。
誰も書かなかった灰かぶり姫(シンデレラ)の瞳―25の童話の驚くべき真相 (幻冬舎文庫)
- 作者: 梁瀬 光世
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1998/10
- メディア: 文庫
この手の本は一時ブームになりました。
その火付け役が、「本当は恐ろしいグリム童話」。現在も手に入ります。
読みやすいのですが、大衆受けを狙いすぎています。
さいごに。(目が回る)
日曜日に、娘を公園に連れて行って、一緒に遊んだ時のこと。
ブランコを20回ほどこいだら、目が回って気持ち悪くなってしまいました。
その後、追いかけっこで、ぐるぐる回っているうちに、再び目が回りました。
年のせいでしょうか、三半規管が弱っています。
気持ち悪くてしゃがんだ所を、娘に簡単に捕まえられた時は、情けなかったです。
ドン・ジュアン [17世紀文学]
「ドン・ジュアン」 モリエール作 鈴木力衛訳 (岩波文庫)
女たらしのドン・ジュアンが、壮絶な最期を遂げるまでの喜劇です。
スペインの「ドン・ファン」伝説に、モリエール流の味つけがされています。
現在、「ドン・ジュアン」は、岩波文庫で読むことができます。
2年前に改版になりました。活字が大きくて読みやすいです。
第一幕で、妻のエルヴィールを捨てると、第二幕では、田舎娘を引っ掛けます。
しかも、二枚舌を使い、田舎娘二人に、結婚を約束するという最低ぶりです。
そうかと思うと、森の中では危険を冒して、劣勢の騎士の助太刀をしたりします。
騎士像がしゃべっても、動じない豪胆さも持っています。
ただの女たらしではありません。
ジョン・ジュアンは、なかなかつかみどころの無い男です。
モリエールの想像した人物の中で、最も複雑な性格だと言われています。
私は、この男は、神に挑戦した男だと思います。
騎士像に、「夕飯に来い」と誘うところに、それが象徴されています。
彼の人生は、神を怖れず、自分の力を試そうとしているように、見えます。
快楽の追求も、騎士の助太刀も、彼にとっては「力試し」なのでしょう。
しかし、神がそのような男を許すはずは無く、最後は…
彼の次の言葉には、いくばくかの真実があります。
「偽善は流行(はやり)の悪徳だし、
流行の悪徳ならなんでも美徳としてつうようするんだ。」(P121)
当時は、放蕩した挙句、猫の皮をかぶって、神に仕える人も多かったとか。
さいごに。
土日の旅行では、久々に金目鯛の刺身とか、おいしものを食べてきました。
1日目は雨で、私のカゼの症状も出て、ちょっとまいりましたが。
娘はいつも妻にべったりですが、お土産屋に入ると私の近くに来ます。
というのも、私は試食をつまみますが、妻は試食をつままないからです。
私といると、饅頭やせんべいの試食が食べられると、知っているのです。
女たらしのドン・ジュアンが、壮絶な最期を遂げるまでの喜劇です。
スペインの「ドン・ファン」伝説に、モリエール流の味つけがされています。
現在、「ドン・ジュアン」は、岩波文庫で読むことができます。
2年前に改版になりました。活字が大きくて読みやすいです。
第一幕で、妻のエルヴィールを捨てると、第二幕では、田舎娘を引っ掛けます。
しかも、二枚舌を使い、田舎娘二人に、結婚を約束するという最低ぶりです。
そうかと思うと、森の中では危険を冒して、劣勢の騎士の助太刀をしたりします。
騎士像がしゃべっても、動じない豪胆さも持っています。
ただの女たらしではありません。
ジョン・ジュアンは、なかなかつかみどころの無い男です。
モリエールの想像した人物の中で、最も複雑な性格だと言われています。
私は、この男は、神に挑戦した男だと思います。
騎士像に、「夕飯に来い」と誘うところに、それが象徴されています。
彼の人生は、神を怖れず、自分の力を試そうとしているように、見えます。
快楽の追求も、騎士の助太刀も、彼にとっては「力試し」なのでしょう。
しかし、神がそのような男を許すはずは無く、最後は…
彼の次の言葉には、いくばくかの真実があります。
「偽善は流行(はやり)の悪徳だし、
流行の悪徳ならなんでも美徳としてつうようするんだ。」(P121)
当時は、放蕩した挙句、猫の皮をかぶって、神に仕える人も多かったとか。
さいごに。
土日の旅行では、久々に金目鯛の刺身とか、おいしものを食べてきました。
1日目は雨で、私のカゼの症状も出て、ちょっとまいりましたが。
娘はいつも妻にべったりですが、お土産屋に入ると私の近くに来ます。
というのも、私は試食をつまみますが、妻は試食をつままないからです。
私といると、饅頭やせんべいの試食が食べられると、知っているのです。