闇の奥 [19世紀イギリス文学]
「闇の奥」 コンラッド作 黒原敏行訳 (光文社古典新訳文庫)
船乗りのマーロウが語る、若き日のアフリカ奥地での体験談です。
名作映画「地獄の黙示録」の、原作として有名です。
現在、岩波文庫と光文社古典新訳文庫で、読むことができます。
岩波文庫版を訳したのは、モーム作品の名訳で有名な中野好夫氏。
期待して読んだのですが、志なかばで撃沈しました!
薄っぺらな本ですが、活字が小さくて、訳も分かりにくかったです。
最近、古典新訳文庫から新訳が出て、評判も上々です。
実際に読んでみたら、とても読みやすかったです。
私の本棚に並べてあるのは、この本です。
この変な表紙を見ていると、目が回って、酔ってしまいそうになります。
コンラッドの文体も、読んでいて時々、酔ってしまいそうになります。
もともと原作者のコンラッドの文は、分かりづらいところがあります。
それは、語り手マーロウの、話のリズムに付いていけないからです。
例えば、話があちこち飛ぶ。突然、マーロウ自身の感想が入る。
現実のシーンが、前触れなしで回想シーンになる。
小難しい比喩が出る。直接話法と間接話法が、混在している…
しかし黒原訳は、マーロウの話のリズムを、うまく生かしています。
リズムに慣れると、分かりにくい文体が、魅力的に感じられます。
ぐにゃぐにゃと、複雑に絡みつくような文体は、ぐにゃぐにゃした
ゴンゴ川と、もつれあうジャングルを、イメージさせます。
闇の中に迷い込みそうになる文体は、アフリカ奥地という闇の世界に、
迷い込んでいくことを、イメージさせます。
そして、アフリカという闇の、さらにその奥地へ向かったマーロウは、
クルツという男の闇の、さらにその奥をのぞこうとしますが…
この体験談で、語り手マーロウは、何を言いたかったのでしょうか。
この物語で、作者コンラッドは、何を言いたかったのでしょうか。
それもまた、「闇の奥」という感じです。
さて、映画「地獄の黙示録」では、舞台がベトナムに変えられました。
ほかにも、多くのアレンジがあります。
原作から離れて、一つの独立した文学作品になっています。
この映画には、現在でも熱狂的なファンが、多くいます。
次のような解説本まで、出ているぐらいです。著者は立花隆氏です。
この映画では、ドアーズの「ジ・エンド」が、効果的に使われました。
まさに、絶妙な選曲です。
「ジ・エンド」が収録されているのは、「ハートに火をつけて」です。
これは、ドアーズの1枚目のアルバムです。
印象的なオルガンと、倒錯的な歌詞で、独特の美学を表現しています。
2枚目のアルバム「まぼろしの世界」も、すばらしい。
この2枚は必聴盤です。
さいごに。
東京電力が、何かと批判されていますが、しかし現在も近隣に残って、
命がけで作業に当たっている社員の方を思うと、たまらない気持ちです。
他にも、危険を顧みず放水を行った人、必死で救援活動をしている人、
眠らずに被災者の支援に当たっている人 … 本当に頭が下がります。
また何と言っても、被災地の方々の苦労を思いますと、心が痛みます。
我が家では、わずかながら、赤十字などに募金をしました。
あとは、毎日の自分の役割を、地道にこなしていきたいです。
船乗りのマーロウが語る、若き日のアフリカ奥地での体験談です。
名作映画「地獄の黙示録」の、原作として有名です。
現在、岩波文庫と光文社古典新訳文庫で、読むことができます。
岩波文庫版を訳したのは、モーム作品の名訳で有名な中野好夫氏。
期待して読んだのですが、志なかばで撃沈しました!
薄っぺらな本ですが、活字が小さくて、訳も分かりにくかったです。
最近、古典新訳文庫から新訳が出て、評判も上々です。
実際に読んでみたら、とても読みやすかったです。
私の本棚に並べてあるのは、この本です。
この変な表紙を見ていると、目が回って、酔ってしまいそうになります。
コンラッドの文体も、読んでいて時々、酔ってしまいそうになります。
もともと原作者のコンラッドの文は、分かりづらいところがあります。
それは、語り手マーロウの、話のリズムに付いていけないからです。
例えば、話があちこち飛ぶ。突然、マーロウ自身の感想が入る。
現実のシーンが、前触れなしで回想シーンになる。
小難しい比喩が出る。直接話法と間接話法が、混在している…
しかし黒原訳は、マーロウの話のリズムを、うまく生かしています。
リズムに慣れると、分かりにくい文体が、魅力的に感じられます。
ぐにゃぐにゃと、複雑に絡みつくような文体は、ぐにゃぐにゃした
ゴンゴ川と、もつれあうジャングルを、イメージさせます。
闇の中に迷い込みそうになる文体は、アフリカ奥地という闇の世界に、
迷い込んでいくことを、イメージさせます。
そして、アフリカという闇の、さらにその奥地へ向かったマーロウは、
クルツという男の闇の、さらにその奥をのぞこうとしますが…
この体験談で、語り手マーロウは、何を言いたかったのでしょうか。
この物語で、作者コンラッドは、何を言いたかったのでしょうか。
それもまた、「闇の奥」という感じです。
さて、映画「地獄の黙示録」では、舞台がベトナムに変えられました。
ほかにも、多くのアレンジがあります。
原作から離れて、一つの独立した文学作品になっています。
この映画には、現在でも熱狂的なファンが、多くいます。
次のような解説本まで、出ているぐらいです。著者は立花隆氏です。
この映画では、ドアーズの「ジ・エンド」が、効果的に使われました。
まさに、絶妙な選曲です。
「ジ・エンド」が収録されているのは、「ハートに火をつけて」です。
これは、ドアーズの1枚目のアルバムです。
印象的なオルガンと、倒錯的な歌詞で、独特の美学を表現しています。
2枚目のアルバム「まぼろしの世界」も、すばらしい。
この2枚は必聴盤です。
さいごに。
東京電力が、何かと批判されていますが、しかし現在も近隣に残って、
命がけで作業に当たっている社員の方を思うと、たまらない気持ちです。
他にも、危険を顧みず放水を行った人、必死で救援活動をしている人、
眠らずに被災者の支援に当たっている人 … 本当に頭が下がります。
また何と言っても、被災地の方々の苦労を思いますと、心が痛みます。
我が家では、わずかながら、赤十字などに募金をしました。
あとは、毎日の自分の役割を、地道にこなしていきたいです。
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