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コンスタンティノープルの陥落 [日本の現代文学]

 「コンスタンティノープルの陥落」塩野七生(新潮文庫)


 1123年にわたって栄えた東ローマ帝国の首都が、陥落する場面を描いた物語です。
 塩野七生の初期の名作として知られています。

 現在、新潮文庫から出ています。


コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

コンスタンティノープルの陥落 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1991/04
  • メディア: 文庫



 この本は10年近く前に、妻に勧められて、初めて読んだ塩野作品です。
 すごい作品だと思いました。

 まるで、この歴史的事件が、目の前に展開しているかのような錯覚を覚えました。
 この目で実際に見ているかのように、当時の様子がよく理解できました。

 視点は、ビザンチン帝国側とオスマン・トルコ側だけではありません。
 ローマやジェノヴァやヴェネツィアなど、関連する各国に及びます。

 それでいて、ばらばらな印象は、全くありません。
 全ての目が、この大事件に注がれ、帝国の滅亡を、生々しく描ききっています。

 しかも、登場人物の多くは、実在の人物とのこと。
 つまり、ほとんど史実に基づいているのです。

 どんな歴史の本も、こんなに分かりやすく、説明してくれません。
 作者塩野の、資料検証の緻密さと、筆力のすごさを、感じました。

 さて、肝心な攻防戦です。興奮します!
 金角湾にトルコ船を入れないため、帝国側はどんな策に出たか!
 一方、金角湾に船を入れるため、トルコ側はどんな策に出たか! 

 命をかけて帝国を守る、コンスタンティヌス11世。
 野望のためには決して妥協しない、マホメッド2世。
 どちらも偉大で、どちらもかっこいいです。

 さて、本書は三部作のひとつです。
 こののちに、「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」と続きます。


ロードス島攻防記 (新潮文庫)

ロードス島攻防記 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1991/05
  • メディア: 文庫




レパントの海戦 (新潮文庫)

レパントの海戦 (新潮文庫)

  • 作者: 塩野 七生
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1991/06
  • メディア: 文庫



 さいごに。

 娘は40度近くの熱が出ました。もう、夏祭りどころじゃありません。
 昨日の朝には36度に下がったものの、夜には再び38度近くに上昇。

 金曜日にはキャンプに行く予定で、娘はとても楽しみにしています。
 長引かなければいいのですが。

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コメント 2

柚季

ike-pyonさん、こんにちは。
塩野作品は一度読むとハマってしまいますね。
この3作品もいつか読もうと思いつつ、本棚に眠っています(笑)
by 柚季 (2011-08-01 13:35) 

ike-pyon

柚木さん、niceとコメントをありがとうございます。
塩野作品は、本当にはまりますね。
今読んでいる「わが友マキアヴェッリ」も、とても面白いです。
by ike-pyon (2011-08-02 04:08) 

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