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吾輩は猫である [日本の近代文学]

 「吾輩は猫である」 夏目漱石 (角川文庫)


 「動物農場」のほか、動物を主人公にした作品は色々あります。
 しかし私のオススメは、なんと言っても「吾輩は猫である」です。 

 名の無い一匹の猫の視点で、人間世界をユーモラスに描いた小説です。
 夏目漱石の処女作として有名です。

 名作中の名作ですから、あらゆる出版社から出されています。
 現在、新潮文庫、岩波文庫、角川文庫、集英社文庫、文春文庫などから出ています。

 私は20年近く前に、ちくま文庫の夏目漱石全集で読みました。
 当時は、「漱石ぐらいは全集で読みたいものだ」と思ったのですが…

 しかし、漱石とはいえ、中にはさほど好きではない作品もあります。
 例えば、2巻の初期短篇の一部、4巻の「抗夫」、10巻の評論などです。


夏目漱石全集〈1〉 (ちくま文庫)

夏目漱石全集〈1〉 (ちくま文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1987/09
  • メディア: 文庫



 もちろん、全集を読むことは、その作家を深く知る上で、意味があると思います。
 しかし、全集を本棚に並べておくことは、私はあまり好きではありません。

 今では、ちくま文庫版の全集は、押入れの中で眠っています。
 そして、漱石のお気に入りの作品だけが、お気に入りの文庫で、本棚に並んでいます。 

 私にとって、「吾輩は猫である」の決定版は、角川文庫版です。
 角川文庫版だけに、初版本の表紙イラストや扉絵などが、収められているからです。
 また、数枚の挿し絵も差し込まれていて、当時の雰囲気が味わえる本になっています。

 角川文庫版の最後には、漱石自身の「処女作追懐談」があります。
 こういう付録こそ、本当に価値がある。

 やや活字が小さくて読みにくいのが難点。ぜひ改版を出してほしい。
 なお、カバーはリンクのものとは違い、美しいイラストになっています。


吾輩は猫である (角川文庫)

吾輩は猫である (角川文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1962/09
  • メディア: 文庫



 現在出ている文庫の中で、一番活字が大きくて読みやすいのは、新潮文庫版です。
 リンクの本は期間限定版で、実際のカバーは、ノスタルジックな猫のイラストです。


吾輩は猫である (新潮文庫)

吾輩は猫である (新潮文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫



 岩波文庫も捨てがたいです。
 このカバーを見ると、全作品を岩波文庫で揃えたくなるような誘惑にかられます。

 岩波文庫は、漱石の評論や俳句やさらに書簡までも出しています。さすが。
 ちくま文庫版の全集よりも、徹底しています。
 ちなみに岩波書店は、漱石没後いちはやく全集を出して、躍進した出版社です。


吾輩は猫である (岩波文庫)

吾輩は猫である (岩波文庫)

  • 作者: 夏目 漱石
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1990/04/16
  • メディア: 文庫



 さて、久しぶりに「吾輩は猫である」を、パラパラめくってみたら…
 おもしろい、おもしろい。結局最初から読み返しています。

 ドラマチックな展開は無いものの、クスリと笑えるような所が多いです。
 特に、迷亭がいい味を出しています。
 迷亭が登場し、会話が始まった途端、物語がキラキラ輝きだします。

 トチメンボーの話、首くくりの松の話、男爵の嘘、失恋話などは、傑作です。
 毎日、ちびりちびりと、味わいながら読みたいです。

 さいごに。(母の日、妻に)

 母の日、妻に、「生活の木」のコーディアルを贈りました。
 ローズとローズヒップのセットです。

 「生活の木」は、妻が大好きなお店です。
 (リンクはイングリッシュ・エルダーフラワーのコーディアル)




 夫婦仲検定というやつを、やってみました。
 私は、かろうじて合格でした。
 → http://minna.cert.yahoo.co.jp/cjwkg/364866

nice!(1)  コメント(3) 

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コメント 3

サンフランシスコ人

市川崑の「吾輩は猫である」.....7/12 ナショナル・ギャラリー (ワシントンD.C.にある国立美術館)で上映....

http://www.nga.gov/calendar/film-programs/animals-japanese-cinema/i-am-a-cat.html

I Am a Cat

July 12 at 12:00
by サンフランシスコ人 (2019-06-19 06:38) 

ike-pyon

ナショナル・ギャラリーですか。
さすが、漱石ですね。
by ike-pyon (2019-06-19 19:53) 

サンフランシスコ人

「ナショナル・ギャラリーですか...」

ナショナル・ギャラリー・オブ・アート (ワシントンD.C.にある国立美術館).....

http://www.nga.gov/visit/tours-and-guides/tours/self-guided-tours.html

"English, Español, Français, Pусский, 中文, and 日本語."

http://www.nga.gov/content/dam/ngaweb/visit/tours and guides/PDFs/nga-map-japanese.pdf
by サンフランシスコ人 (2019-06-27 02:09) 

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