チェーホフ短編集 [19世紀ロシア文学]
「チェーホフ短篇集」 チェーホフ作 松下裕編訳 (ちくま文庫)
男女の恋をテーマにした短編集で、12編の作品を収録しています。
名作「犬をつれた奥さん」「かわいいひと」などが、入っています。
現在、ちくま文庫のほか、新潮文庫、岩波文庫などから出ています。
私が一番読みやすかったのは、ちくま文庫の松下訳です。
例によって、神西訳は名訳と言われています。岩波文庫から出ています。
新潮文庫の小笠原訳も分かりやすい。名作「谷間」も収録されています。
ちくま文庫版の12編中で、私が一番気に入ったのは、「犬をつれた奥さん」。
妻子ある中年男と、美しい人妻との、恋の物語です。
こう言うと、単なる不倫の話だろ、と思われそうですが、そうではありません。
テーマは、「本当の愛」・「本当の生活」です。
二重生活を送りながら、グーロフは不思議に思うのです。
愛人とひそかに営まれる生活にこそ、自分の生活の核心があるのだ。
そして、妻と公然と営む生活は、その隠れみのにしか過ぎないと…
甘く切ない物語の中で、人生というものの不思議さを、描き出しています。
実に、チェーホフらしい作品です。
また、「かわいいひと」も、「犬をつれた奥さん」同様、作者の代表的短編です。
常に誰かしらを愛せずにはいられない女性、オーレニカの物語です。
悪女を描いた「アリアードナ」は、娼婦マノンを連想させる作品で面白い。
ほか、希望と幻滅を描いた「くちづけ」と「国語の教師」も、捨てがたい作品です。
と、なかなか読みごたえのある作品集でした。
さいごに。(うちの生意気な娘)
「いつまで、こうやって、お前はパパを、相手にしてくれるのかな」
と、先日ぽろりと、娘の前で言ってしまいました。
それからというもの、娘は大いばりです。
「パパ、遊んで!」それから「遊んでくれなかったら、もう遊んであげないよ!」
ああ、憎らしい、憎らしい。
男女の恋をテーマにした短編集で、12編の作品を収録しています。
名作「犬をつれた奥さん」「かわいいひと」などが、入っています。
現在、ちくま文庫のほか、新潮文庫、岩波文庫などから出ています。
私が一番読みやすかったのは、ちくま文庫の松下訳です。
例によって、神西訳は名訳と言われています。岩波文庫から出ています。
新潮文庫の小笠原訳も分かりやすい。名作「谷間」も収録されています。
ちくま文庫版の12編中で、私が一番気に入ったのは、「犬をつれた奥さん」。
妻子ある中年男と、美しい人妻との、恋の物語です。
こう言うと、単なる不倫の話だろ、と思われそうですが、そうではありません。
テーマは、「本当の愛」・「本当の生活」です。
二重生活を送りながら、グーロフは不思議に思うのです。
愛人とひそかに営まれる生活にこそ、自分の生活の核心があるのだ。
そして、妻と公然と営む生活は、その隠れみのにしか過ぎないと…
甘く切ない物語の中で、人生というものの不思議さを、描き出しています。
実に、チェーホフらしい作品です。
また、「かわいいひと」も、「犬をつれた奥さん」同様、作者の代表的短編です。
常に誰かしらを愛せずにはいられない女性、オーレニカの物語です。
悪女を描いた「アリアードナ」は、娼婦マノンを連想させる作品で面白い。
ほか、希望と幻滅を描いた「くちづけ」と「国語の教師」も、捨てがたい作品です。
と、なかなか読みごたえのある作品集でした。
さいごに。(うちの生意気な娘)
「いつまで、こうやって、お前はパパを、相手にしてくれるのかな」
と、先日ぽろりと、娘の前で言ってしまいました。
それからというもの、娘は大いばりです。
「パパ、遊んで!」それから「遊んでくれなかったら、もう遊んであげないよ!」
ああ、憎らしい、憎らしい。
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