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19世紀ロシア文学のベスト20を選びました [19世紀ロシア文学]

 「文学全集 第Ⅲ集 19世紀ロシア編」


 文庫本で自分だけの文学全集をそろえること。
 それが、このブログ「文庫で読む文学全集」の最終的な目標です。

 すでに、「19世紀フランス編」と「19世紀イギリス編」は、完成済みです。
 「19世紀フランス編」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-10-23 
 「19世紀イギリス編」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-08-04

 2012年は「19世紀ロシアの年」と、勝手に決めて取り組んできました。
 そしてようやく今、「第Ⅲ集 19世紀ロシア文学編」が完成します。
 第Ⅰ集、第Ⅱ集同様、20作品に絞ります。

 さて、19世紀ロシアの感想を、ひとことで表すと…
 「ドストとトルと、そのほかの仲間たちの時代」。

 ドストエフスキーとトルストイ。
 この時代に限らず、ロシアといえば、この二人でしょう。

 ベスト20を選ぶ第一歩は、この二大巨匠の作品を絞ることです。
 これが、大きな問題です。

 まずは、ドストエフスキー。五大長編は外せないでしょう。
 「罪と罰」「白痴」「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」。

 おっと! この時点で前回までの、暗黙のルールを破っています。
 収録は最高で一人3作。前回、ディケンズでさえも3作に絞りました。
 でも、しかたありません。なんたって、ドストエフスキーですから。

 しかも、ドストの「虐げられた人」と「賭博者」も、全集に入れたい。
 わがままでしょうか? いいえ。なんたって、ドストエフスキーですから。

 そもそもドストの作品で、外していい作品なんかあるのでしょうか。
 「死の家の記録」と「永遠の夫」だけは、涙をのんで外しましょう。
 よって、ドストエフスキーから7作を選択。

 次に、トルストイ。こちらは案外早く、けりがつきました。
 「戦争と平和」「アンナ・カレーニナ」「復活」。

 「コサック」「イワン・イリイチの死」など、捨てがたい中篇もありますが、
 ここはバッサリと切って、代表的な長編3作で決定。

 これで、3ドスト+2トル=10ドストル。二人で半分を占めてしまいました。
 残りの10作品を、「そのほかの仲間たち」で分け合って…

 結局、19世紀ロシア文学のベスト20は、以下のようになりました。
 (  )内はその作品の、ロシアでの出版年です。
 
 1 「オネーギン」プーシキン(1825年)岩波¥630 
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-10-05
 2 「大尉の娘」プーシキン(1836年)岩波¥819
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-09-19 
 3 「検察官」ゴーゴリ(1836年)古典新訳¥680 
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2010-05-11
 4 「平凡物語」ゴンチャロフ(1848年)岩波¥882+987
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-10-16 
 5 「断崖」ゴンチャロフ(1869年)岩波¥882+1134+987+945+987
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-11-17 
 6 「父と子」ツルゲーネフ(1862年)新潮¥540
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-03-24
 7 「虐げられた人々」ドストエフスキー(1861年)新潮¥860 
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-05-03 
 8 「賭博者」ドストエフスキー(1866年)新潮¥546
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-01-14 
 9 「罪と罰」ドストエフスキー(1866年)新潮¥780+820
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-09
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-11 
10 「白痴」ドストエフスキー(1868年)河出¥788+998+987
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-12-09
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-01-02 
11 「悪霊」ドストエフスキー(1872年)新潮¥882+987
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-11-01-1
12 「未成年」ドストエフスキー(1875年)新潮¥820+820
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-03-18 
13 「カラマーゾフの兄弟」ドストエフスキー(1880年)新潮¥882+830+882
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-10-23 
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2011-10-25 
14 「戦争と平和」トルストイ(1869年)新潮¥882+935+935+882
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-07 
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-07-28 
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-08-01 
15 「アンナ・カレーニナ」トルストイ(1877年)古典新訳¥1020+900+1000+800
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-16 
       http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-06-19 
16 「復活」トルストイ(1899年)新潮¥704+704
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-09-12  
17 「紅い花」ガルシン(1883年)岩波¥504
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-10-21 
18 「ワーニャ伯父さん」チェーホフ(1900年)古典新訳¥760
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-03
19 「桜の園」チェーホフ(1904年)古典新訳¥920
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-11-23
20 「どん底」ゴーリキイ(1902年)岩波文庫¥525
    → http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2012-12-18

 チェーホフは19世紀の人と認識して、1904年の「桜の園」も収録。
 同じくゴーリキーも19世紀の人。1902年の「どん底」も収録。

 さて、ゴーリキーのあと、特に1917年の革命後、ロシア文学は、
 その魅力を急速に失いました。少なくとも、私にはそう思えます。

 権力に抵抗していた時期の作品には、パワーがありました。
 逆に、権力に従属すると、パワーは失われ、魅力も半減するようです。

 以上、20作で、文庫本39冊、32,826円でした。
 3冊以上の長編が多かったです。

 「どうしてあの作品がないのか」という声が、聞こえてきそうです。
 それは、次回に。

 さいごに。(街でクリスマス気分)

 日曜日、JRで一駅先の、繁華街に出て、クリスマス気分を味わいました。
 大きなツリーを見たり、聖歌隊の合唱を聞いたり、スタンプラリーをやったり、
 チョコクロワッサンを食べたり、さらにプリンを食べたり、買い物をしたり…

 娘に、「何が一番楽しかった?」と聞いたら、「電車に乗ったこと」との答え。
 そこか! 確かに、娘が電車に乗るのは、珍しいことなのですが。

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