ガラスの鍵 [20世紀アメリカ文学]
「ガラスの鍵」 ハメット作 池田真紀子訳 (古典新訳文庫)
一賭博師がボスのために命がけで陰謀を暴く、ハードボイルド探偵小説です。
1931年に発表され、ハメット自身が最も愛した作品と言われています。
2010年に古典新訳文庫から出ました。訳はとても分かりやすかったです。
創元推理文庫の大久保訳は絶版ですが、硬質な文体で根強いファンがいます。
主人公ボーモントは賭博師で、マドヴィッグ家の食客として暮らしています。
マドヴィックは親友でありボスであり、その街の市政を握る実力者です。
ボーモントはマドヴィッグから、選挙で上院議員を後押しすると聞きました。
さらに上院議員の娘と結婚するとのこと。どこか陰謀の匂いがします。
その後、上院議員の長男が死体で発見されました。
そして、マドヴィックの犯行を匂わす手紙が、主要な人々に送られました。
上院議員の息子を殺したのは誰か? 陰謀を企んでいるのは誰か?
ボーモントは、マドヴィックの無実を信じて、この陰謀に立ち向かい・・・
冒頭の会話部分から、いっきに物語の世界に引き込まれました。
そして、最後までぐいぐいと引っ張られるように、読み続けました。
この物語の魅力は、主人公のボーモント。悪党ですが、魅力的な悪党です。
非情ですが独特の流儀を持っていて、親友のためなら命がけで行動します。
彼は賭博師で、生活は危なっかしいが、その行動はもっと危なっかしい。
必要とあれば、一人で敵陣に乗り込んでいくようなバカなことをします。
しかし、その行動の裏には冷徹な計算があります。
状況から正しい意味を見い出し、相手の2手も3手も先を読んでいます。
物語を盛り上げているのが、無駄をそぎ落としたハードボイルドの文体です。
登場人物の行動や言葉から、気持ちや狙いを読み取らなくてはなりません。
そのため、先の展開が読めないので、緊張感があります。
「え、そうなるの?」と驚くことが、しばしばでした。
さて、ハメットには「血の収穫」と「第三の男」という傑作があります。
しかし、私的には「ガラスの鍵」がベストでした。
「血の収穫」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23-1
「第三の男」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-19
さいごに。(夢で魔法は使えない?)
夢の中で夢だと分かっても魔法は使えないというのが、娘と妻の意見です。
理由は、夢だと分かった瞬間、現実に戻ってしまうから、とのこと。
そういえば先日、私は夢の中で夢だと分かって、宇宙に行こうとしました。
しかし、私はその瞬間に目覚めてしまいました。難しいものですね。
一賭博師がボスのために命がけで陰謀を暴く、ハードボイルド探偵小説です。
1931年に発表され、ハメット自身が最も愛した作品と言われています。
2010年に古典新訳文庫から出ました。訳はとても分かりやすかったです。
創元推理文庫の大久保訳は絶版ですが、硬質な文体で根強いファンがいます。
主人公ボーモントは賭博師で、マドヴィッグ家の食客として暮らしています。
マドヴィックは親友でありボスであり、その街の市政を握る実力者です。
ボーモントはマドヴィッグから、選挙で上院議員を後押しすると聞きました。
さらに上院議員の娘と結婚するとのこと。どこか陰謀の匂いがします。
その後、上院議員の長男が死体で発見されました。
そして、マドヴィックの犯行を匂わす手紙が、主要な人々に送られました。
上院議員の息子を殺したのは誰か? 陰謀を企んでいるのは誰か?
ボーモントは、マドヴィックの無実を信じて、この陰謀に立ち向かい・・・
冒頭の会話部分から、いっきに物語の世界に引き込まれました。
そして、最後までぐいぐいと引っ張られるように、読み続けました。
この物語の魅力は、主人公のボーモント。悪党ですが、魅力的な悪党です。
非情ですが独特の流儀を持っていて、親友のためなら命がけで行動します。
彼は賭博師で、生活は危なっかしいが、その行動はもっと危なっかしい。
必要とあれば、一人で敵陣に乗り込んでいくようなバカなことをします。
しかし、その行動の裏には冷徹な計算があります。
状況から正しい意味を見い出し、相手の2手も3手も先を読んでいます。
物語を盛り上げているのが、無駄をそぎ落としたハードボイルドの文体です。
登場人物の行動や言葉から、気持ちや狙いを読み取らなくてはなりません。
そのため、先の展開が読めないので、緊張感があります。
「え、そうなるの?」と驚くことが、しばしばでした。
さて、ハメットには「血の収穫」と「第三の男」という傑作があります。
しかし、私的には「ガラスの鍵」がベストでした。
「血の収穫」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-23-1
「第三の男」→ http://ike-pyon.blog.so-net.ne.jp/2016-05-19
さいごに。(夢で魔法は使えない?)
夢の中で夢だと分かっても魔法は使えないというのが、娘と妻の意見です。
理由は、夢だと分かった瞬間、現実に戻ってしまうから、とのこと。
そういえば先日、私は夢の中で夢だと分かって、宇宙に行こうとしました。
しかし、私はその瞬間に目覚めてしまいました。難しいものですね。
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