葡萄が目にしみる [日本の現代文学]
「葡萄が目にしみる」 林真理子 (角川文庫)
ブドウ作りの盛んな田舎町を舞台に、乃里子の思春期を描いた自伝的小説です。
直木賞候補となった作品で、現在も角川文庫から出ているロングセラー本です。
ブドウ農家の乃里子は、不美人で動作が鈍くて、あまりパッとしない女の子です。
友だちから「メスカバちゃん」と呼ばれたりしていて、強い劣等感を持っています。
一念発起して進学校に入ると、さまざまな個性ある男女と出会って・・・
初恋の先輩保坂への淡い思い、ラグビー部のスター選手岩永に感じる恋心・・・
この小説を読んだのは、今から20年近く前で、私は30歳ぐらいの頃でした。
人生の一番良い時期が過ぎ去って、失われた青春を懐かしく思い出す時期です。
「葡萄が目にしみる」は瑞々しくて少し切なくて、まったく期待通りの作品でした。
今でも、女子を主人公にした青春小説の中では、最高の作品だと思っています。
特に印象的だったのは第7章で、席替えの時に、岩永に啖呵を切る場面です。
「あんた失礼だよ」と言って、相手をたじろがせたところまでは良かったが・・・
彼らの不器用なやり取りの中に、青春期特有の純情さが見られるように思います。
作品全体が飾らず素朴で、素直に分かりやすく書かれている点が、好感が持てます。
そして、ラストの再会の場面! この場面が、じーんときます。
かつて読んだときは、ここで涙が出そうになってしまいました。
ところが、この場面が「甘すぎる」という批判があるらしいのです。
確かにこの偶然は出来すぎてはいますが、でも、小説なんだからいいではないか!
また読みたい小説です。そして、誰にでも自信をもっておススメできる小説です。
ところで、作者の代表作は「不機嫌の果実」でしょうか。こちらは不倫小説です。
NHKで「花子とアン」がやっていた頃、「白蓮れんれん」が話題になりました。
しかし、私が気になっているのは「六条御息所源氏がたり」。いずれも未読です。
さいごに。(大学図書館)
今年も、母校の大学祭に娘を連れて行きました。
もう4年生なので、娘は友達と合流して、勝手に行動してくれました。
そこで私は、大学図書館に入りました。なんと、27年ぶりです!
学生の頃はよく昼寝をしに来ました。定年になったら勉強しに来たいです。
ブドウ作りの盛んな田舎町を舞台に、乃里子の思春期を描いた自伝的小説です。
直木賞候補となった作品で、現在も角川文庫から出ているロングセラー本です。
ブドウ農家の乃里子は、不美人で動作が鈍くて、あまりパッとしない女の子です。
友だちから「メスカバちゃん」と呼ばれたりしていて、強い劣等感を持っています。
一念発起して進学校に入ると、さまざまな個性ある男女と出会って・・・
初恋の先輩保坂への淡い思い、ラグビー部のスター選手岩永に感じる恋心・・・
この小説を読んだのは、今から20年近く前で、私は30歳ぐらいの頃でした。
人生の一番良い時期が過ぎ去って、失われた青春を懐かしく思い出す時期です。
「葡萄が目にしみる」は瑞々しくて少し切なくて、まったく期待通りの作品でした。
今でも、女子を主人公にした青春小説の中では、最高の作品だと思っています。
特に印象的だったのは第7章で、席替えの時に、岩永に啖呵を切る場面です。
「あんた失礼だよ」と言って、相手をたじろがせたところまでは良かったが・・・
彼らの不器用なやり取りの中に、青春期特有の純情さが見られるように思います。
作品全体が飾らず素朴で、素直に分かりやすく書かれている点が、好感が持てます。
そして、ラストの再会の場面! この場面が、じーんときます。
かつて読んだときは、ここで涙が出そうになってしまいました。
ところが、この場面が「甘すぎる」という批判があるらしいのです。
確かにこの偶然は出来すぎてはいますが、でも、小説なんだからいいではないか!
また読みたい小説です。そして、誰にでも自信をもっておススメできる小説です。
ところで、作者の代表作は「不機嫌の果実」でしょうか。こちらは不倫小説です。
NHKで「花子とアン」がやっていた頃、「白蓮れんれん」が話題になりました。
しかし、私が気になっているのは「六条御息所源氏がたり」。いずれも未読です。
さいごに。(大学図書館)
今年も、母校の大学祭に娘を連れて行きました。
もう4年生なので、娘は友達と合流して、勝手に行動してくれました。
そこで私は、大学図書館に入りました。なんと、27年ぶりです!
学生の頃はよく昼寝をしに来ました。定年になったら勉強しに来たいです。
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