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史記・列伝1 [古代文学]

 「史記・列伝」 司馬遷著 小竹文夫・小竹武夫訳 (ちくま学芸文庫)


 列伝は、国に仕えて時代を動かした人物の一代記を、年代順にまとめたものです。
 ちくま学芸文庫から4分冊で出ています。1971年の訳です。


史記〈5〉―列伝〈1〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈5〉―列伝〈1〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/05
  • メディア: 文庫



史記〈6〉―列伝〈2〉 (ちくま学芸文庫)

史記〈6〉―列伝〈2〉 (ちくま学芸文庫)

  • 作者: 司馬 遷
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1995/06
  • メディア: 文庫



 史記は、本紀、表、書、世家、列伝から成っています。
 最後の列伝は全70巻です。史記の最も面白い部分だとも言われています。

 管仲と鮑叔(管鮑の交わり)、孫臏と龐涓の対決、勾践と夫差(臥薪嘗胆)、
 商鞅の変法、蘇秦と張儀(合従連衡)、孟嘗君とその食客(鶏鳴狗盗)・・・

 と、ちくま学芸文庫版「史記・列伝」の1巻目だけでも、見どころ満載です。
 読んでいて、「この話知ってる!」という、有名な逸話がたくさんありました。

 面白かったのは、蘇秦と張儀の二人の因縁です。
 高校時代の授業では、蘇秦の遊説の場面(合従策)だけしか学びませんでした。

 しかし、蘇秦の死後、その合従策を、旧友である張儀が連衡策で打ち破ります。
 そのことによって、張儀は秦の統一に、大きな貢献をしたのでした。

 恥ずかしながら、蘇秦の合従を学んで30年経た今、張儀の連衡策を知りました。
 それまで単独のエピソードだったものが、ようやく歴史の中でつながりました。

 そして、「史記・列伝」の2巻目に行くと・・・
 李斯、張耳と陳余、黥布、韓信、樊噲等、項羽と劉邦の戦いの英雄たちが登場!

 しかし、最も面白いのは、なんといっても「呂不韋」の巻です。
 こういうとんでもない悪党が、歴史を本当に面白くしてくれるのです。

 もともとは商人で、将来の投資のつもりで、秦王の子の「子楚」を支援しました。
 計略を用いて子楚を秦王の座に着かせ、自分の子を身ごもった女を譲って・・・

 私はてっきり、この始皇帝誕生秘話は、興味本位の伝承だと思っていました。
 まさか、正史である「史記」に、ここまではっきりと書いてあるとは!

 また、「李斯」の巻で存在感を示していたのは、李斯自身よりも「趙高」でした。
 その悪党ぶりは鮮やか。時代がこういう汚れ役を、求めていたのかもしれません。

 ところで、列伝は本紀よりも細切れになっていて、登場人物が多いです。
 似たような名前の人物が、次から次に現れて、色んな人物とつながっています。

 そのため、読んでいる途中で、頭の中がごちゃごちゃしてきました。
 再登場する人物については、何度も初出のページに戻って読み返しました。

 そういうわけで、少し読みにくくて、読み終わるまで時間がかかりました。
 邪道ですが、その巻を読む前に、ネット等で予備知識を仕入れた方がいいです。

 ちなみに私は、徳間文庫から出ている「史記小事典」を購入しました。
 邪道ですが、その「概要」をつかんで頭を整理してから、本文を読んでいます。


史記〈8〉『史記』小事典 (徳間文庫)

史記〈8〉『史記』小事典 (徳間文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2006/05
  • メディア: 文庫



 さいごに。(年賀状作成)

 2年前までは、娘のアップ写真を使って、私が一家の年賀状を作っていました。
 そんな「親バカ」年賀状は、妻から却下されて、今では別々に作成しています。

 郵便局の無料アプリ「はがきデザインキット」が、便利なので使っています。
 今年は娘も、自分だけの年賀状をデザインしていました。


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