アラビアンナイトを楽しむために [中世文学]
「アラビアンナイトを楽しむために」 阿刀田高 (新潮文庫)
イスラムの説話集「千夜一夜物語」について、分かりやすく解説した著書です。
「ギリシア神話」に次ぐ、阿刀田必殺の古典解説シリーズでが、現在絶版です。
ペルシャの王シャーリャルは、王妃の不義によって女人不信になりました。
毎夜、処女に夜伽をさせ、夜が明けると殺してしまいました。(ひどい!)
国に女人がいなくなり、大臣の娘シャーラザッドが王の夜伽に立候補しました。
シャーラザッドは枕元で面白い話をして、王は彼女を殺すことができず・・・
シャーラザッドの物語は1001夜続き、話は170話に及び、90の補遺があります。
物語は玉石混淆ですが、その中から阿刀田は12の物語を選んで紹介しています。
「アジブ」「幽霊屋敷」「紺屋」「絵の中の美姫」「狐つき」「ハサンの破産」
「人生は運か」等がとても面白かったです。
たとえば「絵の中の美姫」は、絵の中の女性に憧れて、探し求める物語です。
様々な困難を乗り越え、ようやくたどり着いた屋敷で見た女は・・・
いずれも語り口が素晴らしく、メリハリをつけてうまく紹介しています。
時々脱線してうんちくを傾けたりするので、読んでいて全く飽きません。
ところが、もともとの物語は冗長で、時として支離滅裂な展開になるそうです。
雑多な説話の寄せ集めであり、文学としては未熟な部分が多いのだと言います。
物語をたどっていくと、突然宝を発見したりとか、突然魔王が現れたりとか、
御都合主義な展開や、つじつま合わせの結末が、確かに目につきました。
しかし、逆にそういう不思議さが、「アラビアンナイト」の魅力だと思います。
まるで夢のように流れていく物語に、遠い異国への憧れをかき立てられました。
ところで私がこの本で最も驚いたことは、「シンドバッド」が無いところです。
それどころか、「アラジン」も「アリババ」も無いではありませんか。
有名どころはわざと外したようですが、やはり解説してほしかったです。
特に「シンドバッド」は、「オデュッセイア」と比較して語って欲しかった。
さて、次はぜひ岩波少年文庫版「アラビアン・ナイト」上下巻を読みたいです。
シンドバッドはじめ、有名な物語を中心に選んだ選集です。
さいごに。(女子トーク)
以前は、妻と私が話していると、娘が無意味に口をはさんできました。
「大人の会話に入ってくるな!」と言って、娘を叱ったものです。
最近は、妻と娘だけの女子トークが多くなりました。
私が何か言おうものなら、「女子の会話に入らないで!」と娘に叱られます。
イスラムの説話集「千夜一夜物語」について、分かりやすく解説した著書です。
「ギリシア神話」に次ぐ、阿刀田必殺の古典解説シリーズでが、現在絶版です。
ペルシャの王シャーリャルは、王妃の不義によって女人不信になりました。
毎夜、処女に夜伽をさせ、夜が明けると殺してしまいました。(ひどい!)
国に女人がいなくなり、大臣の娘シャーラザッドが王の夜伽に立候補しました。
シャーラザッドは枕元で面白い話をして、王は彼女を殺すことができず・・・
シャーラザッドの物語は1001夜続き、話は170話に及び、90の補遺があります。
物語は玉石混淆ですが、その中から阿刀田は12の物語を選んで紹介しています。
「アジブ」「幽霊屋敷」「紺屋」「絵の中の美姫」「狐つき」「ハサンの破産」
「人生は運か」等がとても面白かったです。
たとえば「絵の中の美姫」は、絵の中の女性に憧れて、探し求める物語です。
様々な困難を乗り越え、ようやくたどり着いた屋敷で見た女は・・・
いずれも語り口が素晴らしく、メリハリをつけてうまく紹介しています。
時々脱線してうんちくを傾けたりするので、読んでいて全く飽きません。
ところが、もともとの物語は冗長で、時として支離滅裂な展開になるそうです。
雑多な説話の寄せ集めであり、文学としては未熟な部分が多いのだと言います。
物語をたどっていくと、突然宝を発見したりとか、突然魔王が現れたりとか、
御都合主義な展開や、つじつま合わせの結末が、確かに目につきました。
しかし、逆にそういう不思議さが、「アラビアンナイト」の魅力だと思います。
まるで夢のように流れていく物語に、遠い異国への憧れをかき立てられました。
ところで私がこの本で最も驚いたことは、「シンドバッド」が無いところです。
それどころか、「アラジン」も「アリババ」も無いではありませんか。
有名どころはわざと外したようですが、やはり解説してほしかったです。
特に「シンドバッド」は、「オデュッセイア」と比較して語って欲しかった。
さて、次はぜひ岩波少年文庫版「アラビアン・ナイト」上下巻を読みたいです。
シンドバッドはじめ、有名な物語を中心に選んだ選集です。
さいごに。(女子トーク)
以前は、妻と私が話していると、娘が無意味に口をはさんできました。
「大人の会話に入ってくるな!」と言って、娘を叱ったものです。
最近は、妻と娘だけの女子トークが多くなりました。
私が何か言おうものなら、「女子の会話に入らないで!」と娘に叱られます。
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