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ドン・キホーテ2 [17世紀文学]

 「ドン・キホーテ(前篇二)」 セルバンテス作 牛島信明訳 (岩波文庫)


 自分を偉大な騎士だと妄想するドン・キホーテと、従者サンチョの冒険の物語です。
 四百年も昔に書かれ、今なお読み継がれている、スペイン文学の傑作中の傑作です。

 岩波文庫から全六冊で出ています。分かりやすくて、とても味わいのある訳です。
 2冊目の「前篇(二)」には、第22章から第34章までが収められています。


ドン・キホーテ〈前篇2〉 (岩波文庫)

ドン・キホーテ〈前篇2〉 (岩波文庫)

  • 作者: セルバンテス
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2001/01/16
  • メディア: 文庫



 旅するドン・キホーテとサンチョは、数珠つなぎにされた囚人たちに出会いました。
 ドン・キホーテは同情し、的外れな騎士道精神を発揮して、囚人たちを解放し・・・

 第二巻に入って、ドン・キホーテとサンチョのコンビは、ますます絶好調です。
 ばかばかしいことを、大まじめでやってしまうところが、実に味わい深いです。

 「偉大な騎士は皆、絶望と狂乱を経験した。だから自分も」と、ドン・キホーテは、
 ズボンを脱ぎ、下半身をあらわにして、宙返りをし・・・P124の挿し絵は笑えます。

 途中から、ドン・キホーテを故郷に帰そうとする司祭と床屋のコンビが登場します。
 このコンビが、ドン・キホーテとサンチョの旅を、いっそう面白くしてくれます。

 しかしながら、悪乗りしてドン・キホーテを笑いものにする司祭や床屋たちよりも、
 笑いもののドン・キホーテとサンチョの方が、ずっと立派に見えるから不思議です。

 さて、第24章では、謎の青年ガルデニオが登場して、物語に新しい展開があります。
 第28章ではドロテーアも出て来て、物語が重層的になり、一段と面白くなりました。

 ガルデニオはどうなるのか? ドロテーアはどうなるのか?
 この作中作が意外にも面白くて、ドン・キホーテたち以上に気になりました。

 まだ二冊目ですが、ここまで読んで思ったことが一つあります。それは・・・
 「ドン・キホーテほどの名作は、完訳を読まなければいけない」ということです。

 確かに冗長な部分はありますが、そこもそれなりに面白いです。
 また牛島訳は本当にすばらしいです。当時のスペインの空気まで伝わってきます。

 さいごに。(娘は大忙し)

 娘は中学に入ってから、部活動と、学校の宿題と、塾の宿題で、大忙しです。
 最近は、夜中の12時近くまで宿題をやっていることが、たまにあります。

 そういうときは、睡眠時間が足りなくて眠そうなので、少し心配になります。
 少しずつ慣れていって、宿題を効率よくこなせるようになるといいのですが。

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