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コン・ティキ号探検記 [20世紀その他文学]

 「コン・ティキ号探検記」 T・へイエルダール作 水口志計夫訳 (河出文庫)


 自説を証明するため、ペルーからポリネシアの島へイカダで航海した時の記録です。
 1948年に出た本書は世界中で読まれ、ベストセラーとなり、映画にもなりました。


コン・ティキ号探検記 (河出文庫)

コン・ティキ号探検記 (河出文庫)

  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2013/05/08
  • メディア: 文庫



 ヘイエルダールは新妻と、南太平洋のファツ・ヒヴァに滞在したとき気づきました。
 ジャングルの巨大な石像は、南米の失われた文明の石像に、とてもよく似ている!

 ポリネシア人は南米から渡って来たのだろう。島の伝説もそれを裏付けています。
 太陽の子ティキは、海の向こうの大きな国から、祖先をこの島に連れて来たと言う。

 また、ペルーの白い神の伝説も、それを裏付けているように見えます。
 インカ族に様々な技術を伝えた白い神は、海を渡って西の方へ去っていったと言う。

 しかし、多くの学者たちは懐疑的でした。当時の航海手段はイカダだったからです。
 ヘイエルダールは自説を証明するため、冒険に出ることにしました。

 「自分で彼らと同じ種類のイカダを作って、太平洋を横断しようと思うんだ」
 「君はどうかしている!」

 仲間集め、資金集め、バルサ材の調達、食料や備品の調達、イカダの建造・・・
 気まぐれな風、ジンベイザメ、鯨の接近、乗組員の落下、大波と嵐、暗礁・・・

 「バルサ材は水を吸って沈むのではないか?」「綱は擦り切れるのではないか?」
 多くの懐疑的な見方がありましたが、6人の乗組員には、固い決意がありました。

 「イカダがバラバラになっても、それぞれの丸太に乗ってポリネシアに向かおう」
 そして、この意志と彼らの信念が、冒険を成功に導いたのでした。

 中学生の時、英語の授業で、「コン・ティキ号の冒険」を読みました。
 彼らの意志力に感銘を受けたあのころから、現在、40年ほどがたっていました。

 何年か前、映画「コン・ティキ」が話題になったとき、この本が復刊されました。
 映画を意識した限定カバーがカッコ良かったので、当時迷わず購入しました。

 長らく積ん読状態だった本を、コロナで時間ができたので、手に取ってみました。
 自宅で閉じこもり状態のとき、冒険の本は、サイコーの気分転換になりますね。

 「空中の新鮮な潮の香とわれわれを取り巻く青い清らかさが、身も心も洗い清めて
 くれるかのようだった。筏の上のわれわれにとっては、文明人の大問題は偽りであ
 り、幻であり、人間の心の単なる見当違いの生産物のように見えた。」(P159)

 こんな文章を読むと、コロナから逃れ、海の彼方に旅立ってしまいたくなります。
 この探検記は、旅の過酷さよりも、楽しさの方を、多く伝えてくれました。

 ヘイエルダールの本は、「アク・アク 孤島イースター島の秘密」もあります。
 この本も家にあります。20年以上前に購入したので、日焼けで真っ黒でした。

 イースター島のことは、「コン・ティキ号探検記」にも、詳しく書かれています。
 赤い帽子をかぶったモアイを、いつかこの目で見てみたいです。


アク・アク―孤島イースター島の秘密 (現代教養文庫)

アク・アク―孤島イースター島の秘密 (現代教養文庫)

  • 出版社/メーカー: 社会思想社
  • 発売日: 2020/04/19
  • メディア: 文庫



 さいごに。(久々のGW)

 どこにも出かけていません。しかし仕事が無いおかげで、充実していました。
 第一に、これまで読む機会のなかった本を、たくさん読むことができました。

 第二に、レザークラフトを復活しました。作品はまだ製作中ですが。
 そして第三に、ゆっくり休めました! やはりGWは、こうでなくては。

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