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大地(三) [20世紀アメリカ文学]

 「大地(三)」 パール・バック作 小野寺健訳 (岩波文庫)


 軍閥の巨頭にのし上がった王虎と、その息子で農業を愛する王元の物語です。
 前半は第二部「息子たち」の続きで、後半から第三部「崩壊した家」に入ります。


大地 (3) (岩波文庫)

大地 (3) (岩波文庫)

  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1997/03/17
  • メディア: 文庫



 二万の軍を持つ巨頭となった王虎(ワン・フー)は、さらに領土を広げました。 
 遠征から帰ると、二人の妻が赤ん坊を抱いていました。男の子と女の子です。

 息子ができてから、王虎の野心はすべて、後継者である息子のためとなりました。
 ところが息子は軍事にはまったく興味を示さず、野良仕事をしたいようなのです。

 あるとき王虎は息子の顔立ちを見て、これは祖母の阿蘭ゆずりだと気づきました。
 そして息子は、かつて阿蘭が住んでいた土の家で暮らしたい、と言い出すのです。

 息子は農作業を学びたかったものの、南部の軍事学校に入れられました。
 そして久々に帰ってきた息子は、革命軍の服を着ていて・・・

 息子に期待する父、父が疎ましい息子。息子を愛する父、父から離れたがる息子。
 「大地(三)」では、父と息子の世代間の隔絶が、大きなテーマとなっています。

 興味深いのは、息子が祖母の阿蘭の生まれ変わりのようにも読み取れる点です。
 三代目にして王家は先祖がえりをし、息子はまた農作業を始めて・・・

 さて、この巻の後半から、第四部「崩壊した家」。まったく違う展開をします。
 息子の王元(ワン・ユアン)は都会に出て、妹の愛蘭(アイラン)と暮らし・・・

 南部では革命軍の勢力が日に日に増していきます。社会はどうなってしまうのか?
 王元には今一度、百姓として人生をやり直してほしいのですが、どうなることやら。

 ところで、第一巻は、最も味わい深い巻でした。第二巻は、最も面白い巻でした。
 しかし第三巻は、ただのつなぎのようなのです。次巻の第四巻に期待します。

 さいごに。(スランプ)

 娘は春先の大会で140センチのベストタイを跳んでから、壁にぶつかっています。
 踏切がうまくいかなくなって、体がふわっと浮きません。

 それでも先日の大会では、なんとか3回目で140センチをクリアしました。
 これが少しずつ自信になっていけばいいのですが・・・

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