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黒蜥蜴 [日本の近代文学]

 「黒蜥蜴」 江戸川乱歩 (創元推理文庫)


 美しき女盗賊「黒蜥蜴」と、名探偵明智小五郎の対決を描いた、傑作推理小説です。
 三島由紀夫が脚本化し、1968年に三輪明宏(丸山明宏)主演で映画化されました。

 岩波文庫、春陽堂文庫などからも出ていますが、オススメは創元推理文庫でしょう。
 連載時のすばらしい挿絵が、全点が復刻されています。読書の楽しさが倍増します。


黒蜥蜴 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

黒蜥蜴 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)

  • 作者: 江戸川 乱歩
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1993/05/12
  • メディア: 文庫



 暗黒街に君臨する貴婦人の左腕には、真っ黒なトカゲの入れ墨がありました。
 その刺青ゆえに「黒蜥蜴(クロトカゲ)」と呼ばれる彼女は、女盗賊だったのです。

 黒蜥蜴が狙いを定めたのは、世界的宝石商の岩瀬が持つダイヤ「エジプトの星」。
 「エジプトの星」を手に入れるため、岩瀬の一人娘である早苗の誘拐を試みました。

 黒蜥蜴からの犯罪予告を受け、岩瀬が護衛を頼んだのは、名探偵の明智小五郎です。
 岩瀬たちが泊まるホテルにいた緑川夫人は、実は黒蜥蜴の仮の姿だったのです・・・

 黒蜥蜴はいかにして早苗を誘拐し、明智はいかにして奪い返したか?
 黒蜥蜴が二度目に早苗を誘拐した奇想天外な方法とは? 明智はいかに動いたか? 

 逆転に次ぐ逆転。してやったりと思ったら、してやられていたり・・・
 敵同士張り合いながらも、相手をリスペクトし、やがて不思議な感情が芽生えます。

 この小説の最大の魅力は、なんと言っても女盗賊「黒蜥蜴」の妖しい魅力でしょう。
 時に非情で残虐、時に女らしい。黒蜥蜴の存在感は、明智小五郎を圧倒しています。

 「もう君を憎んでやしない。かわいそうにさえ思っている・・・」
 「あたし、あなたに負けましたわ。なにもかも」

 ラストシーンは忘れられません。
 黒蜥蜴は敵対してきた明智小五郎に、いったい何を頼んだのか?!
  
 この物語を舞台化したい、映画化したい、という気持ちはとてもよく分かります。
 映画では、黒蜥蜴の魅力がさらに際立つアレンジや演出が、されているようです。

黒蜥蜴映画.jpg 

 さいごに。(ビルボード・トップ100)

 最近よくユーチューブで、「ビルボード・トップ100」の視聴しています。
 私の青春時代だった80年代の、懐かしい洋楽がたくさん聞くことができて嬉しい。



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