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ガニメデの優しい巨人 [20世紀アメリカ文学]

 「ガニメデの優しい巨人」ジェイムズ・P・ホーガン作 池央耿訳(創元SF文庫)


 2500万年前のガニメアンとの遭遇と、人類誕生の謎の解明を描いたSF小説です。
 傑作「星を継ぐもの」の続編です。「巨人たちの星」シリーズの第二作です。


ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1981/07/31
  • メディア: 文庫



 あるときガニメデに、正体不明の飛行物体が接近して、接触を求めてきました。
 それは、2500万年前に太陽系から姿を消したはずの巨人ガニメアンだったのです。

 彼らは、今は無き惑星ミネルヴァから他の恒星へ旅立っていた科学者たちでした。
 実験が失敗して帰還する時、時空の狭間に落ち込んではるか未来にたどり着いたのです。

 「行きはどのくらいかかったかね?」
 「太陽の動きから計算して、十二,一年です。」
 「で、帰りは二千五百万年かかったというのか?」
 「そうです。超高速で飛ばざるを得ませんでしたから。」

 宇宙船の推進力は、人工的に局所の時空の歪みを起こすことで得られると言います。
 そしてすべてを制御しているのがコンピュータのゾラック、人工知能です。

 やがてガニメアンたちは地球にやってきて、地球人たちとの交流が始まりました。
 ところがやがて彼らは、先祖が移住したと思われる星を目指して去っていき・・・

 ガニメアンたちが去って行った本当の理由は? 彼らが人類の進化に与えた影響は?
 彼らの先祖は本当に移住したのか? ミネルヴァではいったい何があったのか?

 物語は実に単純です。ガニメアンがやってきて、また去って行った。それだけです。
 しかし、その間にさまざまな謎が解明されていきます。そこが読みどころです。

 「人類が直面した困難は並たいていのものではありませんでした。でも、人類は常に
 その困難と闘って、最期には見事に打ち勝ってきました。正直に言って、わたしたち
 の目にはそれが何やら極めて重要な意味を含むことのように映るのです」(P181)

 「幾千年もの長きにわたって想像を絶する困難と闘い、厚く高い障害を乗り越えた人
 類は、今やっと不幸な過去と袂を別ち、知性の輝きに満ちた繁栄の端緒についたばか
 りなのだ。」(P293)

 と、こういう部分に、作者ホーガンの一番言いたいことが、あるような気がします。
 何があっても諦めない、何事にも屈しない人々が、この作品のテーマなのではないか?

 さて、この作品でもまだ多くの謎が残されています。
 これに続く「巨人たちの星」で、残された謎が解明されると言います。楽しみです。


巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

巨人たちの星 (創元SF文庫 (663-3))

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 1983/05/27
  • メディア: 文庫



 さいごに。(年とともに・・・)

 2~3週間ほど前から、左手の指先が痺れています。そして、首を傾けると痛い。
 医者でレントゲンを撮ったら、頸骨が狭まって、神経に触っているようなのです。

 年をとると、しだいに、これまでにない症状が出て来るものですね。
 これからは、さまざまな病気に、仲良く付き合っていかなければなりません。

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