輝く星々のかなたへ! [20世紀アメリカ文学]
「輝く星々のかなたへ! / 月世界の無法者 キャプテン・フューチャー全集5」
エドモンド・ハミルトン作 野田昌宏訳 (創元SF文庫)
フューチャーメンが宇宙を舞台に冒険する、スペース・オペラの全集の第五弾です。
「輝く星々のかなたへ!」は、銀河系の中心の「物質生成の場」へ向かう物語です。
太陽系内最小の惑星水星は、大気と水が不足し、最後の時を迎えようとしています。
他の惑星への避難を政府から命じられたことにより、各地で暴動が起きました。
キャプテン・フューチャーは、水星に空気と水をもたらすことを約束しました。
そしてフューチャーメンは、銀河の中心にあるという物質生成の場を目指しました。
物質生成の場では、銀河内の星々のすべての放射線を、物質化させていると言います。
停滞力場に守られた振動ドライブを作動させ、コメットを光速の2000倍で飛ばし・・・
物質生成の場を守る「見張り」とは何か? それはただの伝説か?
物質生成の場にたどりついた者はいたのか? フューチャーメンはたどりつけるのか?
中学生だった私がこの物語で一番ワクワクしたのは、「物質生成の場」という存在です。
そこでは、放射線エネルギーが電子と陽子に変わって、四方に放散されると言います!
「〈物質生成の場〉は銀河の中心部、ちょうど射手座の方角にある厚い星雲のあたりに
存在する。そこからは、新しく生まれた物質が宇宙塵流となって流れ出していて・・・」
(P31)
中学生だった私は、「それ、ほんとか?」などとは考えませんでした。
エネルギーが物質化する不思議な場所、そう考えるだけで楽しくなってきました。
太陽系を離れて、はるかかなた銀河の中心を目指す、というのもロマンがありました。
読みながら、自分も一緒に〈物質生成の秘密〉を探索しているような気になりました。
ところで、命がけの冒険の果て、月に戻ったフューチャーメンを待っていたのは?
続く「月世界の無法者」では、なんとキャプテン・フューチャーが指名手配に!
フューチャーメンの留守をいいことに、月面でラジウムを採掘する者たちが・・・
彼らが太陽系政庁の政府主席カシューに会ったとき、そこにはすでに罠が・・・
おいおい、そりゃ無いだろう、と言いたくなる展開です。
月に戻って月人と合流しますが、絶体絶命に陥って・・・
この物語には不自然さを感じます。キャプテン・フューチャーが指名手配だなんて!
冷静沈着な彼自身も、さすがに最後にはただの人間になって、怒りを爆発させます。
そういう意味で、「月世界の無法者」は、やや異色作と言っていいでしょう。
フューチャーメンが、意外と月世界の知識が少なかったという点も気になりました。
さて、第六集に収録の「惑星タラスト救出せよ」もまた、忘れられない名作です。
時空と次元を超越した傑作です。ぜひ紹介したいです。
さいごに。(キャプテンフューチャーDVDボックス)
かつてNHKで放送されていた全52話が、なんとDVDで出ていたのです。
近所のツタヤの在庫を検索しましたが、ありませんでした。(ま、そうだろうな)
ツタヤディスカスでも、扱っていませんでした。
値段は7000円ほど。さすがに買う気にはなれません。
エドモンド・ハミルトン作 野田昌宏訳 (創元SF文庫)
フューチャーメンが宇宙を舞台に冒険する、スペース・オペラの全集の第五弾です。
「輝く星々のかなたへ!」は、銀河系の中心の「物質生成の場」へ向かう物語です。
輝く星々のかなたへ!/月世界の無法者 <キャプテン・フューチャー全集5> (創元SF文庫)
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2005/02/11
- メディア: 文庫
太陽系内最小の惑星水星は、大気と水が不足し、最後の時を迎えようとしています。
他の惑星への避難を政府から命じられたことにより、各地で暴動が起きました。
キャプテン・フューチャーは、水星に空気と水をもたらすことを約束しました。
そしてフューチャーメンは、銀河の中心にあるという物質生成の場を目指しました。
物質生成の場では、銀河内の星々のすべての放射線を、物質化させていると言います。
停滞力場に守られた振動ドライブを作動させ、コメットを光速の2000倍で飛ばし・・・
物質生成の場を守る「見張り」とは何か? それはただの伝説か?
物質生成の場にたどりついた者はいたのか? フューチャーメンはたどりつけるのか?
中学生だった私がこの物語で一番ワクワクしたのは、「物質生成の場」という存在です。
そこでは、放射線エネルギーが電子と陽子に変わって、四方に放散されると言います!
「〈物質生成の場〉は銀河の中心部、ちょうど射手座の方角にある厚い星雲のあたりに
存在する。そこからは、新しく生まれた物質が宇宙塵流となって流れ出していて・・・」
(P31)
中学生だった私は、「それ、ほんとか?」などとは考えませんでした。
エネルギーが物質化する不思議な場所、そう考えるだけで楽しくなってきました。
太陽系を離れて、はるかかなた銀河の中心を目指す、というのもロマンがありました。
読みながら、自分も一緒に〈物質生成の秘密〉を探索しているような気になりました。
ところで、命がけの冒険の果て、月に戻ったフューチャーメンを待っていたのは?
続く「月世界の無法者」では、なんとキャプテン・フューチャーが指名手配に!
フューチャーメンの留守をいいことに、月面でラジウムを採掘する者たちが・・・
彼らが太陽系政庁の政府主席カシューに会ったとき、そこにはすでに罠が・・・
おいおい、そりゃ無いだろう、と言いたくなる展開です。
月に戻って月人と合流しますが、絶体絶命に陥って・・・
この物語には不自然さを感じます。キャプテン・フューチャーが指名手配だなんて!
冷静沈着な彼自身も、さすがに最後にはただの人間になって、怒りを爆発させます。
そういう意味で、「月世界の無法者」は、やや異色作と言っていいでしょう。
フューチャーメンが、意外と月世界の知識が少なかったという点も気になりました。
さて、第六集に収録の「惑星タラスト救出せよ」もまた、忘れられない名作です。
時空と次元を超越した傑作です。ぜひ紹介したいです。
さいごに。(キャプテンフューチャーDVDボックス)
かつてNHKで放送されていた全52話が、なんとDVDで出ていたのです。
近所のツタヤの在庫を検索しましたが、ありませんでした。(ま、そうだろうな)
ツタヤディスカスでも、扱っていませんでした。
値段は7000円ほど。さすがに買う気にはなれません。
キャプテン・フューチャー コンプリート DVD-BOX (全52話, 1300分) エドモンド・ハミルトン アニメ [DVD] [Import] [PAL, 再生環境をご確認ください]
- 出版社/メーカー: AB Vidéo
- 発売日: 2021/07/21
- メディア: DVD
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