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まんがで読破 ユリシーズ [20世紀イギリス文学]

 「まんがで読破 ユリシーズ」 ジェイムズ・ジョイス作 (イースト・プレス)


 1904年6月16日のダブリンでの一日を、さまざまな文体を駆使して描いた小説です。
 文庫本で4巻、1500ページを超える大長編を、まんが1巻で要約しています。


ユリシーズ (まんがで読破)

ユリシーズ (まんがで読破)

  • 出版社/メーカー: イースト・プレス
  • 発売日: 2009/04/28
  • メディア: 文庫



 マンガの力はすごいですね。驚くほど分かりやすくて、すらすらと読み進められます。
 それでいて、大きな省略はありません。18章すべてが描かれていました。

 たとえば3章の「プロテウス」などは、カットされているものと思っていました。
 しかし、わずか9ページとなったものの、分かりやすくまとめられていました。

 11章「セイレーン」の、ブルームのおならのシーンも、ちゃんとあるし。
 13章「ナウシカー」の、きわどいシーンも、しっかりと描かれているし。

 8章や9章は、「そうだったのか!」という、大きな発見がありました。
 この辺りは、小説では、なにがなんだかまったく分からなかったので。

 また、15章「キルケー」は、マンガでもなにがなんだか分かりませんでした。
 幻覚が頻繁に現れるせいです。小説はこれから読みます。先が思いやられます。

 「まんがで読破」版で、ひとつ気になる点は、バランスの悪さでしょうか。
 文庫本で真ん中に当たる13章「ナウシカー」が、本書では四分の三の位置です。

 つまり、前半に280ページ費やしながら、後半90ページほどを駆け足で進みます。
 後半は、少しざつのように感じました。

 しかし、バランスが悪いと言えば、原作もまた、時間的なバランスが悪かったです。
 残り半分を残して、すでに午後8時。一日のほとんど終わっているではありませんか。

 ところで私は、難解な物語を分かりやすくした点で、本書の意味は大きいと思います。
 しかし一方で、マンガ化したことによって、まったく違う作品になったとも思います。

 「ユリシーズ」という小説は、分かりにくくてヘンテコなところに特徴があります。
 分かりやすくなったということは、「ユリシーズ」でなくなったということです。

 マンガはあくまでそのストーリーを追うだけの参考書です。
 さあ、集英社文庫版で、本物の「ユリシーズ」を味わおう。あと2巻!

 さいごに。(時代がムーに追いついてきた)

 先日、「NASAがUFO等を調査する研究チームを秋に立ち上げる」と発表しました。
 調査は、およそ9か月間行われ、結果は一般公開される(!)ということです。

 少しずつ極秘情報をオープンにしてくれそうで、とても楽しみです。
 ようやく時代が「超ムーの世界」に追いついてきたな。

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