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オペラ座の怪人2 [20世紀フランス文学]

 「オペラ座の怪人」 ガストン・ルルー作 平岡敦訳 (光文社古典新訳文庫)


 オペラ座に住みつく怪人エリックと、オペラ座の歌手クリスティーヌの物語です。
 1910年の刊行以来、世界中で読まれ続けています。今回は後半部の紹介です。


オペラ座の怪人 (光文社古典新訳文庫)

オペラ座の怪人 (光文社古典新訳文庫)

  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/09/26
  • メディア: Kindle版



 「ファウスト」の舞台で、クリスティーヌは神々しいまでの歌声を披露しました。
 しかしその歌の途中で、照明が一瞬消え、彼女の姿も忽然と消えてしまいました。

 いったい何が起こったのか? 誰も理解できず、会場は騒然としました。
 ラウールだけは、怪人のしわざだと考えますが、誰にも相手にされません。

 そこへ、謎のペルシャ人が登場して、エリックのもとに案内すると言いました。
 ラウールはペルシャ人に導かれ、秘密の抜け穴を通って、奈落の底へ降りました。

 怪人はオペラ座の地下を知り尽くし、自分だけの王国を作り上げていたのです。
 クリスティーヌを救うため、怪人に気づかれずに、その住処に向かいますが・・・

 謎のペルシャ人と怪人は、どういう関係なのか?
 ラウールは、クリスティーヌを助け出すことができるのか?

 後半は、いっきに冒険小説っぽくなりました。
 手に汗握る展開で、読み始めたらなかなか本を置けません。

 ラストも良かったです。とても余韻が残りました。
 欲を言えば、怪人の最期がもう少し詳しく描かれていると良かったです。

 さて、少し残念に思ったのは、後半の主役をペルシャ人に奪われてしまった点です。
 前半でクリスティーヌへの愛が強調されている割に、ラウールは活躍していません。

 おそらく同意見の人が多いのでしょう。映画版ではペルシャ人は出てこないので。
 ちなみに、ミュージカル版や映画版では、まったく違うアレンジがされています。

 ところで、オペラ座の地下世界は、まるで見てきたようにリアルに描かれています。
 それもそのはず、作者は新聞記者で、綿密な取材をした上で書いたのだそうです。

 映画において、ボートに乗る怪人とヒロインが、奈落の湖を進む場面は印象的です。
 この場面はすばらしいので、ぜひ動画で見ていただきたいです。



 さいごに。(知らぬ間に)

 「オペラ座の怪人」を読んでいるとき、頭の中でテーマソングが回っていました。
 回るだけならいいのですが、時々知らず知らず、口ずさんでいたのです。

 「ディーディディディディディー、ディディー・・・」
 娘に「パパ、お風呂で何言ってるの」と言われて、初めてそれに気づいたのです。

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