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自分の中に毒を持て [読書・ライフスタイル]

 「自分の中に毒を持て」 岡本太郎 (青春文庫)


 「もし迷ったら危険な道を進め」という、岡本太郎一流の人生論を説いた著作です。
 1993年刊行。著者は、1970年大阪万博で「太陽の塔」を作ったことで有名です。


自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)

自分の中に毒を持て<新装版> (青春文庫)

  • 作者: 岡本 太郎
  • 出版社/メーカー: 青春出版社
  • 発売日: 2017/12/09
  • メディア: 文庫



 自分の前に、安全な道と危険な道があったら、迷わず危険な道を選ぶべきなのです。
 危険な道は、本当は自分が行きたい道なのだから、それに賭けてみるべきなのです。

 岡本太郎も、危険な道を選び、人から好かれない絵を描いて、己を貫いてきました。
 最大の敵は自分自身。自分に甘えず、自分と対決し、本当の生き方をするべきです。

 「ほんとうに生きるということは、自分で自分を崖から突き落とし、自分自身と闘っ
 て、運命をきりひらいていくことなんだ。」(P33)

 また岡本は、出る釘になれと言います。叩かれても叩かれても自分を突き出す釘に。
 打ち砕かれることを恐れず、ひたすら純粋に突き出すことで、誇りを取り戻し・・・

 岡本太郎節、炸裂! 前半は特に、エネルギッシュなメッセージに溢れています。
 しかし、最も興味深かったのは、終盤の「爆発」について語っている箇所です。

 「ぼくが芸術というのは生きることそのものである。人間として最も強烈に生きる者、
 無条件に生命をつき出し爆発する。その生き方こそが芸術なのだということを強調し
 たい。 ”芸術は爆発だ” 」(P214)

 「全身全霊が宇宙に向かって無条件にパーッとひらくこと。それが『爆発』だ。人生
 は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発しつづけるべきだ。いのちのほんとうの在
 り方だ。」(P216)

 また、最も印象に残っているのは、パリで同棲していた女たちについての記述です。
 抽象的表現が多い本書の中で、女たちとのことは、具体的で分かりやすかったです。

 特に、ウィーン出身のショーダンサー、ステファニーとの別れの場面がすばらしい。
 ドイツとフランスとの戦争が激しくなり、彼女はパリにいられなくなって・・・

 ところで、第三章で語られる結婚観は、「自由への道」のマチウそっくりです。
 人間には自由が必要だが、結婚は手かせ足かせにしかならない、と言っています。

 そういえば、サルトル(1905年生)と岡本太郎(1911年生)は、ほぼ同時代人です。
 岡本がパリに留学していた1930年代、もしかしたら出会っていたかもしれませんね。

 さいごに。(ライン友達登録)

 50代のおじさん二人がラインの友達になろうとしました。そのうちの一人は私です。
 ところが、私も相手もスマホにうとくて、どうやっても自分のQRが出ないのです。

 さんざん試したあげく、結局諦めました。家に帰って妻に聞いたら、笑われました。
 翌日試して「やっとできた」と思ったら、いきなり相手をブロックしてしまい・・・

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