幽霊列車 [日本の現代文学]
「幽霊列車」 赤川次郎 (文春文庫)
列車の乗客が消えた表題作など、中年警部と女子大生が事件を解決する短編集です。
1976年刊行の「幽霊列車」は赤川のデビュー作で、「幽霊シリーズ」の第一作です。
岩湯谷駅で乗車した8人が、次の大湯谷駅に着いたときには全員消えていました。
この幽霊列車事件の謎を解くため、40歳の宇野警部は客を装い、調査を始めました。
推理オタクの21歳の女子大生永井夕子と出会い、一緒に事件を追いかけますが・・・
走る列車から、どのようにして乗客はいなくなったのか? なぜいなくなったのか?
以上の表題作「幽霊列車」は、赤川次郎の記念すべきデビュー作です。
そして本書は、宇野警部と夕子が初めて出会う作品です。のちにシリーズ化します。
デビュー作の割には完成度が高く、文章のテンポもよくて、とても面白かったです。
トリックもなかなか凝っていました。また、謎が解明されていく場面もうまいです。
内容にはたいへん満足しました。しかし、その一方で違和感を覚えたのも確かです。
冴えない中年警部が、美人女子大生に気に入られ、関係まで持ってしまうのはなぜ?
さて、この短編集には、「幽霊列車」を含めて全5作が収録されています。
どの作品も、良い意味でも悪い意味でも娯楽小説です。とても上質な娯楽小説です。
もっとも面白かったのは「善人村の村祭」です。推理小説というより冒険小説です。
宇野警部と永井夕子が偶然訪れた「善人村」では、元日に年に一度の祭があります。
村人たちはとても親切で、ふたりは至れり尽くせりの歓迎を受けました。
村長の屋敷に泊まると、その妖艶な妻が裸になって、宇野の床に入ってきて・・・
ふたりは危機に陥って、初めて行き過ぎた歓迎ぶりの意味に気付きました。
「正月のお祭のために私たちが必要だったのね。〇〇〇〇として」(P354)
「善人村」ではるか昔から続けられてきた祭とは、どのようなものだったのか?
宇野警部と夕子は、その祭においていったいどのような役割を担っていたのか?
特に村長の妻の絢路夫人が、良い味を出していました。この人をぜひ映像で見たい。
また、善人ばかりの村の秘密が明かされていくところが、とてもスリリングでした。
ところで、私は先ほど収録されている作品を、良くも悪くも娯楽小説と評しました。
というのも「幽霊列車」以外の作品は、推理小説としては物足りなかったからです。
しかし、赤川作品にはほかに「マリオネットの罠」という高評価の作品があります。
機会があったらぜひ読んでみたいです。
さいごに。(エンドレスエイト)
Uネクストに31日間お試しで入り、「涼宮ハルヒの憂鬱」(全24話)を見ています。
その中の「エンドレスエイト」というエピソードは、同じ話を8回繰り返すのです。
2回目から7回目の6回は見る意味がありません。ファンは怒ったのではないか?
もしお金を払って見ていたのなら、私も怒ったと思います。無料で良かった。
列車の乗客が消えた表題作など、中年警部と女子大生が事件を解決する短編集です。
1976年刊行の「幽霊列車」は赤川のデビュー作で、「幽霊シリーズ」の第一作です。
岩湯谷駅で乗車した8人が、次の大湯谷駅に着いたときには全員消えていました。
この幽霊列車事件の謎を解くため、40歳の宇野警部は客を装い、調査を始めました。
推理オタクの21歳の女子大生永井夕子と出会い、一緒に事件を追いかけますが・・・
走る列車から、どのようにして乗客はいなくなったのか? なぜいなくなったのか?
以上の表題作「幽霊列車」は、赤川次郎の記念すべきデビュー作です。
そして本書は、宇野警部と夕子が初めて出会う作品です。のちにシリーズ化します。
デビュー作の割には完成度が高く、文章のテンポもよくて、とても面白かったです。
トリックもなかなか凝っていました。また、謎が解明されていく場面もうまいです。
内容にはたいへん満足しました。しかし、その一方で違和感を覚えたのも確かです。
冴えない中年警部が、美人女子大生に気に入られ、関係まで持ってしまうのはなぜ?
さて、この短編集には、「幽霊列車」を含めて全5作が収録されています。
どの作品も、良い意味でも悪い意味でも娯楽小説です。とても上質な娯楽小説です。
もっとも面白かったのは「善人村の村祭」です。推理小説というより冒険小説です。
宇野警部と永井夕子が偶然訪れた「善人村」では、元日に年に一度の祭があります。
村人たちはとても親切で、ふたりは至れり尽くせりの歓迎を受けました。
村長の屋敷に泊まると、その妖艶な妻が裸になって、宇野の床に入ってきて・・・
ふたりは危機に陥って、初めて行き過ぎた歓迎ぶりの意味に気付きました。
「正月のお祭のために私たちが必要だったのね。〇〇〇〇として」(P354)
「善人村」ではるか昔から続けられてきた祭とは、どのようなものだったのか?
宇野警部と夕子は、その祭においていったいどのような役割を担っていたのか?
特に村長の妻の絢路夫人が、良い味を出していました。この人をぜひ映像で見たい。
また、善人ばかりの村の秘密が明かされていくところが、とてもスリリングでした。
ところで、私は先ほど収録されている作品を、良くも悪くも娯楽小説と評しました。
というのも「幽霊列車」以外の作品は、推理小説としては物足りなかったからです。
しかし、赤川作品にはほかに「マリオネットの罠」という高評価の作品があります。
機会があったらぜひ読んでみたいです。
さいごに。(エンドレスエイト)
Uネクストに31日間お試しで入り、「涼宮ハルヒの憂鬱」(全24話)を見ています。
その中の「エンドレスエイト」というエピソードは、同じ話を8回繰り返すのです。
2回目から7回目の6回は見る意味がありません。ファンは怒ったのではないか?
もしお金を払って見ていたのなら、私も怒ったと思います。無料で良かった。
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