知的創造のヒント [読書・ライフスタイル]
「知的創造のヒント」 外山滋比古 (講談社現代新書)
著者自身が行っている、知的創造のためのトレーニング法について紹介した著書です。
1977年に出た講談社新書版は絶版ですが、ちくま文庫に入って読み継がれています。
グライダーが空を飛ぶことができるのは、誰かが引っ張ってくれるおかげなのです。
落ちそうになったらまた引っ張る。教育は、グライダー効果を狙っているようです。
彼らに「さあ自由に飛んでみよ」と言ったら、優秀な人ほど途方にくれるでしょう。
しかし、我々は落ちるリスクを冒してでも、自分のエンジンで飛ぶ必要があります。
というように、いつもの外山節で始まります。外山一流の比喩が際立ちます。
さまざまな比喩を用いて、「創造すること」の大切さとその方法を教えてくれます。
私たちは、面白いアイディアがあると、それを借りてきて真似しようとしがちです。
しかし借りてきたアイディアは、花の咲いている枝を切って来たようなものです。
切り花には根がないから、たちまち枯れてしまいます。学校教育もまた同じです。
アイディアは、人間の心という土壌の中で芽を出した植物でなければなりません。
そういうアイディアは、出来上がるまでしばらく寝かせておくことが大事です。
「その間に種子は精神の土壌の中で爆発的発芽の瞬間を準備する。」と言います。
ほかたいへん参考になることが多いです。私は本書で外山滋比古にはまりました。
ただし、1983年刊行のロングセラー「思考の整理学」と、一部内容がかぶります。
「思考の生理学」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2022-10-09
本書でもっとも印象に残っているのが、冒頭の「啐啄(そったく)の機」の話です。
それは、孵化した卵を親鳥が外からつつくのと、雛が殻を破る呼吸が合うことです。
自然の摂理は精巧で、親鳥は早くも遅くもない絶妙なタイミングで卵をつつきます。
アイディアもまた、充分な時間をかけて温め、ちょうどよい時期に生み出すのです。
7章では、本は面白いところでわざと離れる、という読書法を紹介しています。
あえて読みさすことで先が気になり、次回本に入り込みやすくなると言うのです。
ただし、これはいつでも本が読める人の方法でしょう、と私はツッコミたいです。
私事ですが最近やたらと忙しくて、読みかけの本たちが気になって気になって・・・
3月じゅうに、「ミドルマーチ」は全4巻すべてを読み終えておくべきでした。
まったく本が読めていないので、今回も、大学時代に読んだ本書を紹介しています。
さて外山には、同じ講談社現代新書から出た「読書の方法」という著書もあります。
読書には、既知を読むアルファー読みと未知を読むベーター読みがあると言います。
さらに、既知のものを指すアルファー語と未知のものを指すベーター語があって・・・
と続きますが、そのように小難しい分類をする意味が、私には分かりませんでした。
さいごに。(先週の読書は0ページ)
4月も2週目に入って、忙しさが倍増しました。まるで冗談のように忙しいです。
もちろん、本なんて読めません。この1週間の読書は0ページです。ああ・・・
世の中には「本なんて読まない」という人もいます。そういう人が少し羨ましい。
ドロシアとラディスローがこの先どうなるのか、気になって仕方がありません。
著者自身が行っている、知的創造のためのトレーニング法について紹介した著書です。
1977年に出た講談社新書版は絶版ですが、ちくま文庫に入って読み継がれています。
グライダーが空を飛ぶことができるのは、誰かが引っ張ってくれるおかげなのです。
落ちそうになったらまた引っ張る。教育は、グライダー効果を狙っているようです。
彼らに「さあ自由に飛んでみよ」と言ったら、優秀な人ほど途方にくれるでしょう。
しかし、我々は落ちるリスクを冒してでも、自分のエンジンで飛ぶ必要があります。
というように、いつもの外山節で始まります。外山一流の比喩が際立ちます。
さまざまな比喩を用いて、「創造すること」の大切さとその方法を教えてくれます。
私たちは、面白いアイディアがあると、それを借りてきて真似しようとしがちです。
しかし借りてきたアイディアは、花の咲いている枝を切って来たようなものです。
切り花には根がないから、たちまち枯れてしまいます。学校教育もまた同じです。
アイディアは、人間の心という土壌の中で芽を出した植物でなければなりません。
そういうアイディアは、出来上がるまでしばらく寝かせておくことが大事です。
「その間に種子は精神の土壌の中で爆発的発芽の瞬間を準備する。」と言います。
ほかたいへん参考になることが多いです。私は本書で外山滋比古にはまりました。
ただし、1983年刊行のロングセラー「思考の整理学」と、一部内容がかぶります。
「思考の生理学」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2022-10-09
本書でもっとも印象に残っているのが、冒頭の「啐啄(そったく)の機」の話です。
それは、孵化した卵を親鳥が外からつつくのと、雛が殻を破る呼吸が合うことです。
自然の摂理は精巧で、親鳥は早くも遅くもない絶妙なタイミングで卵をつつきます。
アイディアもまた、充分な時間をかけて温め、ちょうどよい時期に生み出すのです。
7章では、本は面白いところでわざと離れる、という読書法を紹介しています。
あえて読みさすことで先が気になり、次回本に入り込みやすくなると言うのです。
ただし、これはいつでも本が読める人の方法でしょう、と私はツッコミたいです。
私事ですが最近やたらと忙しくて、読みかけの本たちが気になって気になって・・・
3月じゅうに、「ミドルマーチ」は全4巻すべてを読み終えておくべきでした。
まったく本が読めていないので、今回も、大学時代に読んだ本書を紹介しています。
さて外山には、同じ講談社現代新書から出た「読書の方法」という著書もあります。
読書には、既知を読むアルファー読みと未知を読むベーター読みがあると言います。
さらに、既知のものを指すアルファー語と未知のものを指すベーター語があって・・・
と続きますが、そのように小難しい分類をする意味が、私には分かりませんでした。
さいごに。(先週の読書は0ページ)
4月も2週目に入って、忙しさが倍増しました。まるで冗談のように忙しいです。
もちろん、本なんて読めません。この1週間の読書は0ページです。ああ・・・
世の中には「本なんて読まない」という人もいます。そういう人が少し羨ましい。
ドロシアとラディスローがこの先どうなるのか、気になって仕方がありません。