日本沈没 [日本の現代文学]
「日本沈没」 小松左京 (小学館文庫)
大規模な地殻変動で沈没していく日本と、災害に立ち向かう国民を描いた小説です。
1973年に刊行され大ベストセラーとなりました。映画もパニック映画の傑作です。
日本では小中規模の地震が頻発し、小笠原諸島の小島が一夜で海底に沈みました。
海底調査で、操縦士の小野寺と、地球物理学者の田所は、乱泥流を見つけました。
田所は、日本が沈没する可能性に気づきますが、他の学者から相手にされません。
しかし、黒幕的存在の渡老人の指示で、首相は極秘で「D計画」を立ち上げました。
巨大地震や火山の噴火などが起こり、田所は計算で早くて2年と割り出して・・・
国民を脱出させるための「D計画」は、俊才の中田を中心に進められていたが・・・
さて、2020年4月現在、コロナウィルス感染者は、世界で100万人を超えています。
イベントは自粛、学校は休校、マスクは品切れ、渡航は制限、株価はパニック安。
こういう状況の中、国のかじ取りをする人々は、日夜難しい選択を迫られています。
この本を読んでいる間、日本沈没とコロナウィルスが二重写しで見えていました。
「われわれの直面する未来には、過去の歴史の延長からある程度類推できる部分も
かなりある。しかし、未来の歴史の中には、単なる過去の歴史の延長によっては、
決して類推できない未知の、暗黒の部分もあるのだ。――過去において、そんなこ
とが一度も起こらなかったといって、それが未来にも決して起こらないとは、誰が
いい得よう!」(上・田所博士の言葉)
それにしても、2年以内に日本が沈没すると知ったら、いったい何ができるか。
できることはとても限られています。自分だったら、その中で全力を尽くせるか?
「日本救援」を叫びながら、各国の首脳陣は、それぞれ思惑をもって行動します。
一方、不眠不休で働く「D計画」の面々。特に、小野寺と中田がカッコいい!
ところで、特に興味深かったのは、沈没後の日本民族の在り方です。
福原教授らが、命を削って出した結論は、次の4つでした。
①民族の一部がどこかに新しい国を作る。②世界中に分散してその国に帰化する。
③どこにも受け入れられず流浪する。④そして、究極の選択・・・
人々が脱出していく中で、渡老人や田所博士が選択した道は?
最後に明かされる、田所博士が日本人に呼びかけたかったことは?
「日本人は、人間だけが日本人というわけではありません。日本人というものは
・・・この四つの島、この自然、この山や川、この森や草や生き物、町や村や、
先人の住み残した遺跡と一体なんです。」(下・田所博士の言葉)
中盤からは怒涛の展開でした。一度読み始めたら、なかなか本を置けません。
私は遅すぎました。もっと早くに、この本を読んでおくべきでした。
私が小学生の頃、日曜日の20時からドラマ「日本沈没」を見るのが楽しみでした。
あの頃すでにこの本は、大ベストセラーとなっていました。
余談ですが「日本沈没」は、刊行の翌年に日本推理作家協会賞を受賞しています。
推理小説としては、タイトルがいきなりネタバレなんですけどね。
なお、作者が本当に書きたかったのは、沈没後の日本人の在り方なのだそうです。
続編が出たのはようやく2006年。谷甲州との共著でした。私はまだ読んでません。
また、一色登希彦によるコミック版も出ています。
さいごに。(布マスク、注文してから1か月以上)
妻が、ネットで布マスクを注文したのは2月の下旬で、当時3週間待ちでした。
ところが、いつまで待っても届かず、ようやく4月になってから届いたのです。
すでにもう待ちきれずに、家で布マスクを手作りした後でした。
無かったら自分で作る。そういう昔ながらの姿勢がだいじですね。
大規模な地殻変動で沈没していく日本と、災害に立ち向かう国民を描いた小説です。
1973年に刊行され大ベストセラーとなりました。映画もパニック映画の傑作です。
日本では小中規模の地震が頻発し、小笠原諸島の小島が一夜で海底に沈みました。
海底調査で、操縦士の小野寺と、地球物理学者の田所は、乱泥流を見つけました。
田所は、日本が沈没する可能性に気づきますが、他の学者から相手にされません。
しかし、黒幕的存在の渡老人の指示で、首相は極秘で「D計画」を立ち上げました。
巨大地震や火山の噴火などが起こり、田所は計算で早くて2年と割り出して・・・
国民を脱出させるための「D計画」は、俊才の中田を中心に進められていたが・・・
さて、2020年4月現在、コロナウィルス感染者は、世界で100万人を超えています。
イベントは自粛、学校は休校、マスクは品切れ、渡航は制限、株価はパニック安。
こういう状況の中、国のかじ取りをする人々は、日夜難しい選択を迫られています。
この本を読んでいる間、日本沈没とコロナウィルスが二重写しで見えていました。
「われわれの直面する未来には、過去の歴史の延長からある程度類推できる部分も
かなりある。しかし、未来の歴史の中には、単なる過去の歴史の延長によっては、
決して類推できない未知の、暗黒の部分もあるのだ。――過去において、そんなこ
とが一度も起こらなかったといって、それが未来にも決して起こらないとは、誰が
いい得よう!」(上・田所博士の言葉)
それにしても、2年以内に日本が沈没すると知ったら、いったい何ができるか。
できることはとても限られています。自分だったら、その中で全力を尽くせるか?
「日本救援」を叫びながら、各国の首脳陣は、それぞれ思惑をもって行動します。
一方、不眠不休で働く「D計画」の面々。特に、小野寺と中田がカッコいい!
ところで、特に興味深かったのは、沈没後の日本民族の在り方です。
福原教授らが、命を削って出した結論は、次の4つでした。
①民族の一部がどこかに新しい国を作る。②世界中に分散してその国に帰化する。
③どこにも受け入れられず流浪する。④そして、究極の選択・・・
人々が脱出していく中で、渡老人や田所博士が選択した道は?
最後に明かされる、田所博士が日本人に呼びかけたかったことは?
「日本人は、人間だけが日本人というわけではありません。日本人というものは
・・・この四つの島、この自然、この山や川、この森や草や生き物、町や村や、
先人の住み残した遺跡と一体なんです。」(下・田所博士の言葉)
中盤からは怒涛の展開でした。一度読み始めたら、なかなか本を置けません。
私は遅すぎました。もっと早くに、この本を読んでおくべきでした。
私が小学生の頃、日曜日の20時からドラマ「日本沈没」を見るのが楽しみでした。
あの頃すでにこの本は、大ベストセラーとなっていました。
余談ですが「日本沈没」は、刊行の翌年に日本推理作家協会賞を受賞しています。
推理小説としては、タイトルがいきなりネタバレなんですけどね。
なお、作者が本当に書きたかったのは、沈没後の日本人の在り方なのだそうです。
続編が出たのはようやく2006年。谷甲州との共著でした。私はまだ読んでません。
また、一色登希彦によるコミック版も出ています。
日本沈没 全15巻 (ビッグコミックス) [マーケットプレイス コミックセット]
- 作者: 小松 左京 一色 登希彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- メディア: コミック
さいごに。(布マスク、注文してから1か月以上)
妻が、ネットで布マスクを注文したのは2月の下旬で、当時3週間待ちでした。
ところが、いつまで待っても届かず、ようやく4月になってから届いたのです。
すでにもう待ちきれずに、家で布マスクを手作りした後でした。
無かったら自分で作る。そういう昔ながらの姿勢がだいじですね。
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