ロード・ジム2 [19世紀イギリス文学]
「ロード・ジム」 ジョセフ・コンラッド作 柴田元幸訳 (河出文庫)
海難事故で自分の弱さを露呈した船員が、英雄的行動を志して悲劇に至る物語です。
1900年刊のコンラッドの代表作です。河出文庫の柴田訳が格段に分かりやすいです。
マーロウ船長は、友人のスタインにジムの世話を頼み、ジムは奥地へ赴任しました。
ジムにとっては人生をやり直すチャンスであり、二度と戻らぬ覚悟でいました。
ジムは、流れ者のシェリーフ・アリの野営地を陥落させ、人々から信頼を得ました。
古い大砲二門を、小山の上に運び上げることは、ジム以外にはできないことでした。
族長ドラミンの息子ダリン・ワリスと親交を結び、また、美しい娘と結ばれました。
やがてジムは、現地において伝説的存在となり、「ロード・ジム」と呼ばれました。
ところが、ジムに恨みを抱いている者がいました。小悪党のコーネリアスです。
そこへ、ブラウンという悪党が流れてきたことによって、意外な展開が・・・
「事実というものは往々にして、この上なく狡猾に配置された言葉以上に謎めいて
いるものだ。」(P457)
なぜジムは、戦わなかったのか? なぜジムは、弁明しなかったのか?
誰の理解も期待しないジムの胸には、常にあの「飛び降り」があったのではないか?
「君はいつまでも、彼らにとって解きがたい謎であり続けるだろうよ。」(P411)
マーロウのこの言葉は、奇しくもその通りとなりました。
ジムの行動には、確かに理解しがたいものがあります。
愛する女性や自分を慕う人々のために、説明はするべきですよ。
逆に、ブラウンの卑劣で残虐な行動は、小気味いいほど分かりやすかったです。
コーネリアスの卑怯な行動も、好感が持てるぐらいに徹底していました。
皮肉なことに、現地人の中ではコーネリアスこそが、ジムの最大の理解者なのです。
実際コーネリアスは、ジムがブラウンに会いに来るという予言を的中させました。
「まっすぐここへ、あなた様と話をしに来ますよ。とにかく馬鹿みたいな男ですか
ら。会えばどれだけ馬鹿だか分かります。(中略)幼い子供みたいなのです。」
(P505)
考えてみると、ブラウンを簡単に信じたところなど、ただのお人よしの子供です。
しかし、その純粋さゆえに、読者はジムに魅了されるのかもしれません。
さて、コンラッドの作品ンいは、有名な「闇の奥」があります。
「闇の奥」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2011-03-19
また、「シークレット・エージェント」も古典新訳文庫から出ています。
さいごに。(与党支持の私が、野党候補者に投票する理由)
昨年の参院補選では、圧倒的優位の与党W氏を、Y氏が倒して話題になりました。
その直後、Y氏は2年も前に終わっている不倫を蒸し返され、総スカンを食いました。
しまいには、これまで二人三脚で歩んできた知事にさえ、見捨てられてしまいました。
私はここに納得できない! Y氏に同情票を1票!(あくまでも同情票)
海難事故で自分の弱さを露呈した船員が、英雄的行動を志して悲劇に至る物語です。
1900年刊のコンラッドの代表作です。河出文庫の柴田訳が格段に分かりやすいです。
マーロウ船長は、友人のスタインにジムの世話を頼み、ジムは奥地へ赴任しました。
ジムにとっては人生をやり直すチャンスであり、二度と戻らぬ覚悟でいました。
ジムは、流れ者のシェリーフ・アリの野営地を陥落させ、人々から信頼を得ました。
古い大砲二門を、小山の上に運び上げることは、ジム以外にはできないことでした。
族長ドラミンの息子ダリン・ワリスと親交を結び、また、美しい娘と結ばれました。
やがてジムは、現地において伝説的存在となり、「ロード・ジム」と呼ばれました。
ところが、ジムに恨みを抱いている者がいました。小悪党のコーネリアスです。
そこへ、ブラウンという悪党が流れてきたことによって、意外な展開が・・・
「事実というものは往々にして、この上なく狡猾に配置された言葉以上に謎めいて
いるものだ。」(P457)
なぜジムは、戦わなかったのか? なぜジムは、弁明しなかったのか?
誰の理解も期待しないジムの胸には、常にあの「飛び降り」があったのではないか?
「君はいつまでも、彼らにとって解きがたい謎であり続けるだろうよ。」(P411)
マーロウのこの言葉は、奇しくもその通りとなりました。
ジムの行動には、確かに理解しがたいものがあります。
愛する女性や自分を慕う人々のために、説明はするべきですよ。
逆に、ブラウンの卑劣で残虐な行動は、小気味いいほど分かりやすかったです。
コーネリアスの卑怯な行動も、好感が持てるぐらいに徹底していました。
皮肉なことに、現地人の中ではコーネリアスこそが、ジムの最大の理解者なのです。
実際コーネリアスは、ジムがブラウンに会いに来るという予言を的中させました。
「まっすぐここへ、あなた様と話をしに来ますよ。とにかく馬鹿みたいな男ですか
ら。会えばどれだけ馬鹿だか分かります。(中略)幼い子供みたいなのです。」
(P505)
考えてみると、ブラウンを簡単に信じたところなど、ただのお人よしの子供です。
しかし、その純粋さゆえに、読者はジムに魅了されるのかもしれません。
さて、コンラッドの作品ンいは、有名な「闇の奥」があります。
「闇の奥」→ https://ike-pyon.blog.ss-blog.jp/2011-03-19
また、「シークレット・エージェント」も古典新訳文庫から出ています。
さいごに。(与党支持の私が、野党候補者に投票する理由)
昨年の参院補選では、圧倒的優位の与党W氏を、Y氏が倒して話題になりました。
その直後、Y氏は2年も前に終わっている不倫を蒸し返され、総スカンを食いました。
しまいには、これまで二人三脚で歩んできた知事にさえ、見捨てられてしまいました。
私はここに納得できない! Y氏に同情票を1票!(あくまでも同情票)
2022-07-10 04:00
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