男の装い 基本編 [読書・ライフスタイル]
「男の装い 基本編」 落合正勝 (講談社文庫)
スーツ、シャツ、ネクタイ、靴、ブレザーなど、男が装う意味と方法を述べた本です。
落合正勝は服飾評論家として知られています。生前は「サライ」で連載していました。
「西洋の男たちと日本の男たちの決定的な相違は、服装とは何なのだという意識を、前
者は明確に持ち、後者は持っていないということだ。換言すれば、装う意味を知ってい
るかいないかだ。装う意味とは、服装によるアイデンティティの立証である。」(P8)
つまり、人は服装によって、自分が何者なのかを社会に発信する必要があるのです。
そのためには、装うものの意味と、その正しい装い方を知っていなければなりません。
英国やイタリアの政治家の大半は、紺系のネクタイを締めています。
西洋では、紺は「誠実、愛情、信仰、平和」表し、男の服装の基本色となっています。
アメリカの政治家は、意図的に、赤いネクタイを締めています。
赤には「神と同胞に対する愛、勇気と激しさ」という思想が込められているからです。
彼らは、このようにネクタイの色から、明白なメッセージを発信しているのです。
服装における色や柄の持つ意味を知り、装うということを意識的に行っていて・・・
非常に含蓄に富んだ文章です。服飾についての蘊蓄が詰まっています。
読んでいてさまざまなことを知ることができ、知的好奇心を充分満たしてくれます。
たとえば、西洋の小紋柄は、11世紀に端を発する貴族や豪族の紋章を起源とします。
縞柄は、16世紀英国の連隊旗を起源とし、今では学校ごとに独自のものを持ちます。
つまり、ネクタイには、その柄によって自分の所属を表すという意味がありました。
現在、学校の制服のネクタイに校章が付いているのは、歴史の正しい解釈なのですね。
ブレザーの起源も面白かったです。時は1837年、ヴィクトリア女王18歳のときです。
英国海軍「ブレザー号」の閲兵時、水兵たちの制服を女王が気に入って広まったとか。
私は、先に紹介した「スーツの神話」(中野香織)を、スーツの教科書としています。
そして本書を、シャツ、ネクタイ、カジュアルなど、服飾全般の教科書としています。
ところで、本書が「基本編」とあるので、いつか「応用編」が出ると思っていました。
ところが、とうとう出ませんでした。少し残念です。
しかしながら、「応用編」的な本が、同じ2003年に光文社新書から出ていたのです。
タイトルは「ダンディズム 靴、鞄、眼鏡、酒・・・」です。
こちらの本はテーマを服飾に限らず、食べ方や遊び方など、行動にまで広げています。
相変わらず落合節は健在で、著者のこだわりがさまざまなところから垣間見えます。
「ダンディは、個々の人間のお洒落に過ぎなかったが、ダンディズムは、それを様式
(スタイル)として抱合したのだ。表現するなら、洗練された「だてしゃの様式ない
しは行動」である。様式は衣服のみならず、あらゆる趣味嗜好において首尾一貫し、
その人らしさを表現する必要がある。(P16)
「流行に背を向け、自分だけのスタイルを装う。それをどこへ着ていくか、その服装
を試みたとき、他人の目に自分がどう映るかを考える。うつろうモノでなく、真の価
値を具えたモノを選択する。」(P40)
流行に左右されることなく、自分にとって真に価値あるモノを選ぶ、という点がいい。
私の本選びと同じスタンスなので、とても共感できます。
さいごに。(腎機能低下)
だいぶ前から、人間ドックでの腎機能の数値が良くない状態でした。
ところが今回の検診では、その値がいっきに悪くなっていました。
食事では塩分をひかえて、3か月後に再検査をするように言われました。
減塩の食事なんて、したくないなあ。
スーツ、シャツ、ネクタイ、靴、ブレザーなど、男が装う意味と方法を述べた本です。
落合正勝は服飾評論家として知られています。生前は「サライ」で連載していました。
「西洋の男たちと日本の男たちの決定的な相違は、服装とは何なのだという意識を、前
者は明確に持ち、後者は持っていないということだ。換言すれば、装う意味を知ってい
るかいないかだ。装う意味とは、服装によるアイデンティティの立証である。」(P8)
つまり、人は服装によって、自分が何者なのかを社会に発信する必要があるのです。
そのためには、装うものの意味と、その正しい装い方を知っていなければなりません。
英国やイタリアの政治家の大半は、紺系のネクタイを締めています。
西洋では、紺は「誠実、愛情、信仰、平和」表し、男の服装の基本色となっています。
アメリカの政治家は、意図的に、赤いネクタイを締めています。
赤には「神と同胞に対する愛、勇気と激しさ」という思想が込められているからです。
彼らは、このようにネクタイの色から、明白なメッセージを発信しているのです。
服装における色や柄の持つ意味を知り、装うということを意識的に行っていて・・・
非常に含蓄に富んだ文章です。服飾についての蘊蓄が詰まっています。
読んでいてさまざまなことを知ることができ、知的好奇心を充分満たしてくれます。
たとえば、西洋の小紋柄は、11世紀に端を発する貴族や豪族の紋章を起源とします。
縞柄は、16世紀英国の連隊旗を起源とし、今では学校ごとに独自のものを持ちます。
つまり、ネクタイには、その柄によって自分の所属を表すという意味がありました。
現在、学校の制服のネクタイに校章が付いているのは、歴史の正しい解釈なのですね。
ブレザーの起源も面白かったです。時は1837年、ヴィクトリア女王18歳のときです。
英国海軍「ブレザー号」の閲兵時、水兵たちの制服を女王が気に入って広まったとか。
私は、先に紹介した「スーツの神話」(中野香織)を、スーツの教科書としています。
そして本書を、シャツ、ネクタイ、カジュアルなど、服飾全般の教科書としています。
ところで、本書が「基本編」とあるので、いつか「応用編」が出ると思っていました。
ところが、とうとう出ませんでした。少し残念です。
しかしながら、「応用編」的な本が、同じ2003年に光文社新書から出ていたのです。
タイトルは「ダンディズム 靴、鞄、眼鏡、酒・・・」です。
こちらの本はテーマを服飾に限らず、食べ方や遊び方など、行動にまで広げています。
相変わらず落合節は健在で、著者のこだわりがさまざまなところから垣間見えます。
「ダンディは、個々の人間のお洒落に過ぎなかったが、ダンディズムは、それを様式
(スタイル)として抱合したのだ。表現するなら、洗練された「だてしゃの様式ない
しは行動」である。様式は衣服のみならず、あらゆる趣味嗜好において首尾一貫し、
その人らしさを表現する必要がある。(P16)
「流行に背を向け、自分だけのスタイルを装う。それをどこへ着ていくか、その服装
を試みたとき、他人の目に自分がどう映るかを考える。うつろうモノでなく、真の価
値を具えたモノを選択する。」(P40)
流行に左右されることなく、自分にとって真に価値あるモノを選ぶ、という点がいい。
私の本選びと同じスタンスなので、とても共感できます。
さいごに。(腎機能低下)
だいぶ前から、人間ドックでの腎機能の数値が良くない状態でした。
ところが今回の検診では、その値がいっきに悪くなっていました。
食事では塩分をひかえて、3か月後に再検査をするように言われました。
減塩の食事なんて、したくないなあ。
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