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ルバイヤート [中世文学]

 「ルバイヤート」 ハイヤーム作 小川亮作訳 (岩波文庫)


 11世紀のペルシア詩人ハイヤームによる、143編の四行詩(ルバイヤート)です。
 岩波文庫版は、原典訳です。初版は1949年。訳は古いですが味わいがあります。


ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)

ルバイヤート (岩波文庫 赤 783-1)

  • 作者: オマル・ハイヤーム
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1979/09/17
  • メディア: 文庫



 四行詩ルバイヤートを143編収めています。八つのテーマに分類されています。
 タイトルから「人生ははかない、一瞬を楽しもう」という主張が垣間見えます。

 「解き得ぬ謎なぞ」「生きのなやみ」「太初のさだめ」「万物流転」
 「無常の車」「ままよ、どうあろうと」「むなしさよ」「一瞬をいかせ」

 いずれの詩も、短いのにとても鮮烈な印象を残します。
 実際に、マイ・ベスト3を紹介しましょう。

 「もともと無理やりつれ出された世界なんだ、
 生きてなやみのほか得るところ何があったか?
 今は、何のために来り住みそして去るのやら
 わかりもしないで、しぶしぶ世を去るのだ!」(2)

 「われらの後にも世は永遠につづくよ、ああ!
 われらは影も形もなく消えるよ、ああ!
 来なかったとてなんの不足があろう?
 行くからとてなんの変りもないよ、ああ!」(51)

 「あしたのことは誰にだってわからない、
 あしたのことを考えるのは憂鬱なだけ。
 気がたしかならこの一瞬を無駄にするな、
 二度とかえらぬ命、だがもうのこりは少い。」(135)

 本文はわずか100ページですが、人生の大事な部分がギュッと凝縮されています。
 この先何度も読み返したくなる、人生の指針ともなるべき詩ばかりです。

 ところで、マール社から出ている単行本は、美しい仕上がりで評判が良いです。
 バルファオの挿し絵がすばらしいと言う。図書館で見てみたい。


ルバイヤート

ルバイヤート

  • 作者: オマル・ハイヤーム
  • 出版社/メーカー: マール社
  • 発売日: 2005/11/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



 さいごに。(もう一緒に帰らない?)

 うちの娘(5年生)には、近所に仲良しの同級生の男の子がいます。
 時々けんかをすると、お互いに「もう一緒に帰らない」と言います。

 しかし、その言葉が守られたことはありません。
 けんかのことなど、けろっと忘れて、仲良く一緒に帰ってきます。

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