ペスト1 [20世紀フランス文学]
「ペスト」 カミュ作 宮崎嶺雄訳 (新潮文庫)
突如ペストに襲われたオラン市で、人々が不条理と向き合う姿を描いた小説です。
戦後まもなく出版されたカミュの代表作。ペストはナチス占領下の隠喩だとか。
新潮文庫から1969年に出ています。訳は古いですが、不都合はありませんでした。
2004年に改版されて、活字が大きく読みやすくなっています。
アルジェリアのオラン市において、ある日から、ネズミが大量に死に始めました。
その後多くの死者が出るに及び、医師リウーはそれがペストだと気付きました。
やがてオラン市は、外部から遮断され、多くの人が家族と離れ離れとなりました。
死者の数は日ごとに増し、街は異様な雰囲気に包まれ、人々は疲弊していきます。
街の外で療養中の妻を案じながら、必死に人々の治療にあたる医師リウー・・・
リウーに協力し保健隊を組織したタルー・・・保険隊で献身的に働くグラン・・・
パリに残した恋人のもとへ行くため、街からの脱出を企むランベール・・・
なぜか元気になったコタール・・・悔い改めよと説教する神父パヌルー・・・
私が読んだ本は、平成20年版。ということは、10年ほど積ん読状態にあったのか。
先月「100分de名著」で取り上げられて、ようやく読む機会を得ました。
難しくて読みにくい部分はありましたが、紹介されていた通りのすごい作品でした。
妻の病状を案じながらも、自分の職務に全力を尽くすリウーの姿に心打たれます。
リウー:「これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもし
れませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」
ランベール:「どういうことです、誠実さっていうのは?」
リウー:「僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」
(P245)
すばらしいです。こんなことがさらりと言えるリウーは、カッコ良すぎです。
リウーの生きざまは、やがてランベールの気持ちを変えていきます。
ランベール:「僕はこれまでずっと、自分はこの町には無縁の人間だ、自分には、
あなたがたはなんのかかわりもないと、そう思っていました。ところが、現に見
たとおりのものを見てしまった今では、もう確かに僕はこの町の人間です、自分
でそれを望もうと望むまいと。この事件はわれわれみんなに関係のあることなん
です」(P307)
愛する者のもとへ走ろうとするランベールは、私が最も親しみを覚えた人物です。
しかし彼は、リウーが止めるのも聞かず、町に残り保健隊を続けることにしました。
「自分一人が幸福になるということは、恥ずべきことかもしれないんです」(P307)
リウーとランベールの友情は、私がもっとも感動した場面です。
やがて、何の前触れもなく、ペストは終息の気配を見せて・・・
ペストの去ったオランの町を、リウーはただひとり歩いてゆき・・・
終盤は、涙無しには読めませんでした。
この本は、確実に今年読んだ本のベスト5に入ります。
さて、カミュの「ペスト」を読んだら、デフォーの「ペスト」も読んでおきたい。
こちらは、ペストのルポルタージュ的な作品らしいです。とても気になります。
さいごに。(やっぱりガラホ)
「infobar xv」はガラホのようです。AUはガラケーをやめたのだから当然か。
ということで、「もう一度 infobar 」の夢はついえてしまいました。
現在使っている sportio は、ポケットに楽々入る優れもの。もちろんガラケー。
毎月の料金は1300円ほど。この料金の魅力には「inforbar xv 」も勝てません。
突如ペストに襲われたオラン市で、人々が不条理と向き合う姿を描いた小説です。
戦後まもなく出版されたカミュの代表作。ペストはナチス占領下の隠喩だとか。
新潮文庫から1969年に出ています。訳は古いですが、不都合はありませんでした。
2004年に改版されて、活字が大きく読みやすくなっています。
アルジェリアのオラン市において、ある日から、ネズミが大量に死に始めました。
その後多くの死者が出るに及び、医師リウーはそれがペストだと気付きました。
やがてオラン市は、外部から遮断され、多くの人が家族と離れ離れとなりました。
死者の数は日ごとに増し、街は異様な雰囲気に包まれ、人々は疲弊していきます。
街の外で療養中の妻を案じながら、必死に人々の治療にあたる医師リウー・・・
リウーに協力し保健隊を組織したタルー・・・保険隊で献身的に働くグラン・・・
パリに残した恋人のもとへ行くため、街からの脱出を企むランベール・・・
なぜか元気になったコタール・・・悔い改めよと説教する神父パヌルー・・・
私が読んだ本は、平成20年版。ということは、10年ほど積ん読状態にあったのか。
先月「100分de名著」で取り上げられて、ようやく読む機会を得ました。
難しくて読みにくい部分はありましたが、紹介されていた通りのすごい作品でした。
妻の病状を案じながらも、自分の職務に全力を尽くすリウーの姿に心打たれます。
リウー:「これは誠実さの問題なんです。こんな考え方はあるいは笑われるかもし
れませんが、しかしペストと戦う唯一の方法は、誠実さということです」
ランベール:「どういうことです、誠実さっていうのは?」
リウー:「僕の場合には、つまり自分の職務を果たすことだと心得ています」
(P245)
すばらしいです。こんなことがさらりと言えるリウーは、カッコ良すぎです。
リウーの生きざまは、やがてランベールの気持ちを変えていきます。
ランベール:「僕はこれまでずっと、自分はこの町には無縁の人間だ、自分には、
あなたがたはなんのかかわりもないと、そう思っていました。ところが、現に見
たとおりのものを見てしまった今では、もう確かに僕はこの町の人間です、自分
でそれを望もうと望むまいと。この事件はわれわれみんなに関係のあることなん
です」(P307)
愛する者のもとへ走ろうとするランベールは、私が最も親しみを覚えた人物です。
しかし彼は、リウーが止めるのも聞かず、町に残り保健隊を続けることにしました。
「自分一人が幸福になるということは、恥ずべきことかもしれないんです」(P307)
リウーとランベールの友情は、私がもっとも感動した場面です。
やがて、何の前触れもなく、ペストは終息の気配を見せて・・・
ペストの去ったオランの町を、リウーはただひとり歩いてゆき・・・
終盤は、涙無しには読めませんでした。
この本は、確実に今年読んだ本のベスト5に入ります。
さて、カミュの「ペスト」を読んだら、デフォーの「ペスト」も読んでおきたい。
こちらは、ペストのルポルタージュ的な作品らしいです。とても気になります。
さいごに。(やっぱりガラホ)
「infobar xv」はガラホのようです。AUはガラケーをやめたのだから当然か。
ということで、「もう一度 infobar 」の夢はついえてしまいました。
現在使っている sportio は、ポケットに楽々入る優れもの。もちろんガラケー。
毎月の料金は1300円ほど。この料金の魅力には「inforbar xv 」も勝てません。
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