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砂の器2 [日本の現代文学]

 「砂の器」下 松本清張 (新潮文庫)


 殺人事件を解明するうちに、人間の暗い宿命が浮き彫りとなる、本格推理小説です。
 1960年に新聞に連載され、のちに何度も映画やドラマとなった、作者の代表作です。


砂の器(下) (新潮文庫)

砂の器(下) (新潮文庫)

  • 作者: 松本 清張
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1973/04/03
  • メディア: 文庫



 東京の蒲田駅の事件の後、劇団の事務員の自殺や、俳優の死亡事故がありました。
 今西刑事が真相に近づくたびに増える死体。そして、もう一人の犠牲者が・・・

 三人目の犠牲者が出たあたりから、私には何が何だか分からなくなってきました。
 その原因は、最初の殺人の犯人を〇川だと思い込んでいたためです。

 〇川の犯行は、ただの目くらましに使われたような気がしてなりません。
 また、音響学のトリックは終盤の見せ場ですが、今読むとちゃちな感じがします。

 下巻は、いろいろなことが盛りこまれすぎていて、分かりにくくなったようです。
 余分な部分をザクっとそぎとって、分量を半分にできたら、さらに良かったです。

 それを実際に行ったのが、1974年の映画「砂の器」です。監督は野村芳太郎。
 この映画には、〇川が出てきません。電子音楽のトリックもありません。

 そして、決定的に違うのは犯人像です。
 犯人はなぜ殺人を行ったのか? 犯人と被害者の間に何があったのか?

 後半40分は、人間の背負う暗い宿命に焦点が絞られ、大きな感動をもたらします。
 特に、親子の放浪場面は泣けます。バックのピアノ協奏曲「宿命」もすばらしい。

 映画「砂の器」は、大胆なアレンジによって、完成度を大きく上げました。
 この映画は、原作者の清張からも高く評価され、さまざまな賞を受賞しました。

 私は、今回初めて見ましたが、40年以上前の日本映画のすごさに驚きました。
 2時間20分と少し長いですが、私は原作よりもこちらをオススメしたいです。


<あの頃映画> 砂の器 デジタルリマスター版 [DVD]

<あの頃映画> 砂の器 デジタルリマスター版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: SHOCHIKU Co.,Ltd.(SH)(D)
  • 発売日: 2013/01/29
  • メディア: DVD



 さいごに。(海鮮バーベキュー)

 先日家族で、海鮮バーベキューに行きました。
 ホタテや牡蠣を自分で焼いて食べたのは初めてです。とてもおいしかったです。

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サンフランシスコ人

「ぜひ見てみたいと思いました....」

約十五年前に見ました....

by サンフランシスコ人 (2019-05-11 07:28) 

ike-pyon

その後すぐに見ました。感動しました。
ついでに記事内容を変えて、感想を入れました。
by ike-pyon (2019-05-18 21:34) 

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