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世界文学の流れをざっくりとつかむ14 [世界文学の流れをざっくりとつかむ]

1 中世ヨーロッパの事情

 476年に西ローマ帝国が滅亡しました。この時から、15世紀までの約1000年間を「中世」と呼んでいます。この時期の最大の出来事は、「ヨーロッパ」が成立したことでしょう。それまで地中海を中心に繁栄していたローマ世界は、イスラム勢力の侵入によって衰退し、代わってアルプス以北のゲルマン諸国が繁栄するようになりました。ゲルマン諸国は、やがて「ヨーロッパ」というひとつのまとまりを形成していきました。そのとき、彼らをゆるやかに結び付けていたのが、キリスト教の信仰と教会でした。

 繁栄の中心が南から北へ移ったことで、ギリシア・ローマ文化は断絶してしまいました。古代の文化は、教会の中でのみ細々と保存され続けたのです。教会ではラテン語が使われ続け、人々の教育機関の役割を担うようになりました。そして教会は、知識を独占するとともに、文化の方向性を規定しました。堂々たるゴシック建築の中で、宗教音楽が奏でられ、賛美歌が歌われました。そして文学といったら、聖人伝や宗教的な詩ばかりでした。

 中世は、教会がヨーロッパ世界をキリスト教一色に染め上げた時期です。しかしその一方で、様々な民族が次々と国を建てた時期でもあります。特に西ヨーロッパでは、西ローマ帝国が滅亡したため、これまで抑えられてきたゲルマン民族の勢いが増しました。国が興ると、民族精神が高揚し、自分たちの言葉が生み出されます。教会で相変わらずラテン語が使われていた一方で、それぞれの地域には様々な俗語が生まれました。すると、俗語を使って語られる物語が誕生します。その土地独自の英雄伝説や騎士物語は、こうして誕生しました。

 中世を代表する文学が、英雄叙事詩です。その中で特に名高いものが三つあります。イギリスの「ベーオウルフ」、フランスの「ロランの歌」、ドイツの「ニーベルンゲンの歌」です。これを三大叙事詩と呼んでいます。また、スペインには「わがシッドの歌」が、アイスランドには「エッダ」と「サガ」があります。なお、ヨーロッパではありませんが、日本の「古事記」や「平家物語」なども、広義の英雄叙事詩と言っていいでしょう。

 次回は、これらの作品について、もう少し具体的に見ていきたいと思います。

 さいごに。(2回目のテストも)

 中学校の2回目のテストも、まあまあ良い結果でした。少なくとも昔の私より上です。
 特に英語と数学は良かったです。この2教科は、塾でだいぶしぼられているため。

 ところが、学年でもトップクラスにいる子たちは、みんな塾に行ってないのです。
 本当にデキル子たちは、塾に行かなくても、自分で勉強できるんですよね。

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