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ジーヴズの事件簿 才知縦横の巻 [20世紀イギリス文学]

 「ジーヴズの事件簿 才知縦横の巻」
 P・G・ウッドハウス作 岩永正勝・小川太一編訳 (文春文庫)


 完璧な執事ジーヴズが、おバカな主人の厄介ごとを、鮮やかに解決していく物語です。
 ユーモアあふれる短編集です。数年前に、美智子様の愛読書として注目されました。


ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻 (文春文庫)

ジーヴズの事件簿 才智縦横の巻 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/05/10
  • メディア: 文庫



 タイトルは、「ジーヴズの事件簿」。しかも、ホームズと同じく短編集です。
 しかし、ホームズのような探偵小説を期待すると、肩透かしを食らいます。

 決して大きな事件は起きません。せいぜい、詐欺師に引っかかる程度です。
 多くは、主人のどうでもいいような悩みを、機転を利かせて解決する話です。

 冒頭「ジーヴズの初仕事」では、主人バーティとジーヴズの出会いが語られます。
 「間違いない、この男は世界の驚異だ。一家に一人いるべき男だ。」(P11)

 バーティが、婚約者のフローレンスに頼まれたことは、泥棒まがいの・・・
 ジーヴズが、主人の知らないうちにおこなったことの裏には、どのような計算が?

 続く「ジーヴズの春」には、バーティの友人で、恋多き男ビンゴが登場します。
 ジーヴズは、ビンゴの恋を助けるために、どんな献策をし、どんな結果を得たか? 

 「ロヴィルの怪事件」では、傍若無人の中年女アガサ叔母が登場します。
 バーティはどのような事件に巻き込まれ、ジーヴズはどのように解決したか?

 その他4話で、全7話。難しい話は、一切ありません。とても気軽に楽しめます。
 時々、彼らの会話は笑えます。読みながらニヤニヤしてしまうかもしれません。

 何もすることのない日曜日に、ぼんやりソファに寝ころびながら読みたい作品です。
 ただし、良くも悪くも、あとに何も残りません。頭を空にして読み進めましょう。

 さて、この「才知縦横の巻」は、2018年に「大胆不敵の巻」と同時に購入しました。
 そのときちょっとだけ読んで、以来2年間ほど、部屋で積ん読状態だったのです。

 今思うと、読む順番を間違えて、「大胆不敵の巻」から読んだのがいけなかった。
 登場人物のイメージができる前に、「大胆不敵の巻」を読むべきではありません。

 「大胆不敵の巻」の最初の「トゥイング騒動記」は、賭け事の話ばかりです。
 なんでもかんでも賭けの対象にする、イギリス上流階級の俗悪さに嫌気がさします。

 また、ジーヴズの仕組んだことも、あまり感心できません。
 私は、上流階級に対する反感が生じてしまったため、先を読む気が無くなりました。


ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻 (文春文庫)

ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/12/21
  • メディア: Kindle版



 ところで、ジーヴズのような執事には、賛否両論あるようです。
 そういう頼もしい執事がほしいと言う人と、そんなお節介な奴はいらないと言う人と。

 私は「いらない」派です。ボッチが好きなので。
 というか、私たち庶民には、執事の存在そのものが、荷が思いのではないでしょうか。

 さいごに。(UFO専門組織)

 昨日8月16日「米国防総省、UFO専門組織を設置」というニュースが入りました。
 今年4月以来、ムー民的にとても気になっていたニュースです。ムーの時代が来た!

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