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ボッコちゃん [日本の現代文学]

 「ボッコちゃん」 星新一 (新潮文庫)


 日本SF界の巨匠である星新一が開拓した、ショートショートの初期の傑作集です。
 表題作は1958年発表の作者の代表作です。名作「おーい でてこーい」なども収録。


ボッコちゃん (新潮文庫)

ボッコちゃん (新潮文庫)

  • 作者: 新一, 星
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1971/05/25
  • メディア: 文庫



 表題作の「ボッコちゃん」は、バーで人気の人型ロボットをめぐる物語です。
 客がボッコちゃんに飲ませた酒は、容器にたまってもう一度客に出されています。

 もちろん客はそんな事情を知りません。みな彼女を本物の人間だと思っています。
 中には本気で恋をしてしまう男もいて、冷たいボッコちゃんを殺すことを企て・・・

 「おーい でてこーい」は、40年ほど前の高校時代に国語の授業で学んだ名作です。
 台風のあと、小さな社の下から深い深い穴が現れました。底はまったく見えません。

 人々はそこへ、原子炉のカスや動物の死骸など、さまざまなものを投げ込みました。
 こうして人類はゴミ問題を解決したかに見えましたが、あるとき天から声が・・・

 「親善キッス」は、この本の中で私の一番のお気に入りです。マイ・ベスト1です。
 地球からの親善大使は、人類とほとんど同じ姿のチル星人とキスをしましたが・・・

 歓迎会の会場で、チル星人はいかにして酒を飲んだか?
 驚くべき結末! ちょっとお下品なところが味わい深いです。

 「特許の品」もまた、私のお気に入りです。マイ・ベスト2です。
 宇宙人が落としていった設計図をもとに組み立てると、快楽装置が出来上がりました。

 人々が、装置のもたらす快楽に夢中になっているとき、ゲレ星人がやってきて・・・
 地球人はいくらの特許料を支払わなければならないのか? その装置の真の利用法は?

 「愛用の時計」は味わいがあります。大切に扱ってきた時計が遅れ始めた理由は・・・
 「ある研究」も味わいがありました。夫が夢中になっていた研究とは、実は・・・

 「暑さ」は怖い作品です。「逮捕してくれ」と頼む男は、暑くなるとイライラし・・・
 そのほか、「雄大な計画」「ゆきとどいた生活」なども良かったです。

 さて、私は中学生の時に、友達に勧められて、星新一にはまりました。
 短いので読みやすくて、オチについて考えるところが、読んでいて楽しかったです。

 あれから四十年。当時の本は残っていません。手元の本は平成24年に「100刷改版」!
 超超ロングセラーです。中高生が朝読書用の本として、選ぶことが多いのだそうです。

 さいごに。(最大のイベント終わる)

 先週は1週間出張でした。ここ数年で最大のイベントでした。
 これで残業が少しでも減るといいのですが・・・

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