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指輪物語 二つの塔 2 [20世紀イギリス文学]

 「指輪物語 二つの塔 下」J・R・R・トールキン作 田中明子訳(評論社文庫)


 ホビット族のフロドとその仲間たちが、冥王の指輪を破壊するため旅する物語です。
 シリーズは全10巻の大作です。第二部「二つの塔」は、その中間の3巻です。


新版 指輪物語〈7〉二つの塔 下 (評論社文庫)

新版 指輪物語〈7〉二つの塔 下 (評論社文庫)

  • 出版社/メーカー: 評論社
  • 発売日: 1992/07/01
  • メディア: 文庫



 「二つの塔」の上巻の二冊は、離散した仲間たちの物語でした。
 下巻は、指輪を破壊するために滅びの山に向かう、フロドとサムの物語です。

 フロドとサムは、自分たちをスメアゴルがつけてきていることに気付いていました。
 スメアゴルは、自分の「いとしいしと」である指輪を狙って、つけて来たのでした。

 サムがスメアゴルを捕らえたとき、フロドはガンダルフの言葉を思い出しました。
 「わが身の運命は見通せないから、せっかちに殺してはいけない」という言葉です。
 (この言葉は、ちゃんと物語の伏線となっています)

 フロドはスメアゴルを道案内として、モルドールに向かいますが・・・
 スメアゴルを信じていいのか? フロドとサムはモルドールに入れるのか?・・・

 「二つの塔」の下巻でもっとも印象に残るのは、なんといってもスメアゴルです。
 指輪に囚われたため狡猾で不気味ですが、しかしどこかかわいいところがあります。

 映画において、彼の善なる心と悪なる心が葛藤するシーンは、とても印象的でした。
 「わしら、約束したよ。そうよ、いとしいしと。」「だけど、ほしいようー!」

 葛藤の中で、スメアゴルは「おばば」に思い当り、ある考えが浮かんで・・・
 「おばば」とは何者か? スメアゴルが勧める「別の道」は本当に大丈夫なのか?

 さて、途中でボロミアの弟であるファラミアに出会います。
 ファラミアもまた真実を見抜く目を持っていて、とても魅力的に描かれています。

 そして、彼がボロミアの遺体を乗せた小舟を見たというシーンは、実に美しい!
 「死の便りにはさまざまな翼がある。夜はしばしば近い親族に便りをもたらす。」

 「二つの塔」の下巻は、フロドがピンチに陥るところで終わりました。
 サムはフロドをいかにして助けるのか? 映画で見たのですが、思い出せません。

 一方、スメアゴルがこの物語で果たす役割は忘れられません。それは実に大きい。
 また、スメアゴルは「指輪物語」において、大きな象徴的意味を持っています。

 そのことを思うと、スメアゴルのことを憎む気にはなれないのです。
 映画版におけるあの不気味な姿が、時に本当にかわいらしく思えてしまいます。

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 さいごに。(腎機能再々検査)

 人間ドックの再検査の結果、腎機能の再々検査が必要とのことでした。
 次は専門医に診てもらわなければなりません。冬休みにやることが増えました。

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